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ホンダのビーチクリーン活動が20年目に突入、「子供用ビーチクリーナー」の初披露など大分県田ノ浦ビーチでの活動を見てきた
2026年6月29日 10:51
- 2026年6月14日 実施
1960年代にスタートしたホンダの社会貢献活動
本田技研工業は創業以来、「企業は地域に根付き、地域と融合した存在でなければならない」という考えのもと、創業期だった1960年代に「埼玉製作所および鈴鹿製作所にて工場見学の受け入れを開始」するなど、地域とのつながりを大切にした社会貢献活動を開始。1969年にはアメリカでミニバイクを通じた青少年教育プログラム「NYPUM(National Youth Project Using Minibikes)」の支援を始めるなど、現在では世界7地域でさまざまな社会貢献活動に取り組んでいる。
また、1988年に社会貢献活動の基本的な考え方となる「ホンダ社会活動理念・活動指針」を制定しつつ、2006年には活動方向性の統一をより図るためのグローバル方針を制定。さらに2018年には、時代や環境変化に応じてグローバル方針を改定したほか、2030年ビジョン「すべての人に“生活の可能性が拡がる喜び”を提供」の実現に向け、従業員一人ひとりの主体的な取り組みをグローバルで加速させるため活動しているという。
主な活動領域は、夢にチャレンジすることの楽しさ・素晴らしさを次世代に伝えていく「未来を創る子どもの育成支援活動」、すべての人の安全を目指す「交通安全の教育・普及活動」、みんなが暮らしやすい街と社会づくりのための「地域に根ざした活動」、地域社会と共存できる“豊かな自然”を次世代に残すための「地球環境を守る活動」と大きく4つある。
ビーチクリーン活動が20周年を迎えた2026年
前述の4つの社会貢献活動領域の中の1つ「地球環境を守る活動」は、ビーチクリーン活動、森林保全活動、里地里山保全活動、元気な森を次世代のための活動(Honda Woods)などがあり、2026年にビーチクリーン活動が20周年を迎えた。
ビーチクリーン活動は、1999年に「技術で世の中の役に立ちたい!」という開発者たちの思いをきっかけに、HGA(朝霞研究所)でビーチクリーン用機材の開発がスタート。2006年には“素足で歩ける砂浜を次世代へ”をスローガンに掲げ、従業員やOBなど15人で「ビーチクリーンキャラバン隊」を結成。砂浜のゴミを回収するビーチクリーン活動を開始した。
基本的に活動は、ホンダグループ(ホンダ会(ホンダ自動車販売店協会)/関係会社/社会貢献推進室)と二輪・パワープロダクツ開発生産統括部が一丸となって展開しているが、地域によっては行政も参画していて、より大きな活動となっている。2026年3月までに全国222か所で計484回が実施され、参加者は毎年7000人を超え、延べ8万人以上が参加。総重量592tものゴミを回収してきた。2026年も全30回の活動が予定されている。
去る6月14日にも、大分県大分市にある田ノ浦ビーチにて活動が実施された。この活動では、まず参加者が目につく大きなゴミを手拾いし、手拾いが済んだエリアでゴミと砂を分類する独自開発したビーチクリーナーを使用し、砂に埋もれた見えないゴミも回収していく。ビーチクリーナーは、砂浜の生態系を傷つけることなく清掃ができる仕様となっているのもポイント。
熊手のような独自開発の清掃用機材「サンドレーキ」を引くことで、走りながら砂浜に埋もれたゴミを回収する「MPP-4W」は、アメリカで製造販売しているサイド by サイドの「PIONEER 500」をベースに、着脱式可搬バッテリ「Mobile Power Pack e:」を4つ搭載できるように改造。エンジンとガソリンタンクがなくなったスペースに駆動用モーターなどを搭載し、4輪駆動のバッテリEV(電気自動車)マシン。
ちなみに、ビーチクリーン活動で使用するATV(All-Terrain Vehicle、全地形対応車)は、誰でも運転できる訳ではなく、取りまわしのコツや安全について1日講習を受け、認定ライセンスを持った人しか運転できないようにしている。
この日の参加者は約175名(ホンダ太陽の従業員・家族+大分県ホンダ会の従業員)、回収したゴミ総量は約1t(1026.5kg)となった。また、ホンダのサッカーチーム「Honda FC」の選手たちも参加し、活動終了後には綺麗になったビーチでサッカーを体験するスポーツ交流も行なわれた。
今回のビーチクリーン活動を共催したホンダ太陽 代表取締役社長 山口潤氏は、「思ったよりもいっぱい拾うものがあって、やりがいがあったかなと思っていますが、皆さんのおかげで海岸も綺麗になりました。ありがとうございます。こういった取り組みをこれからも大切に続けていければなと思っています」とあいさつ。
また、本田技研工業 コーポレート管理本部 人事統括部長 足立竜平氏は、「思った以上にプラスチックゴミとかたくさんあって、まだまだやらなきゃいけないことがたくさんあるなと感じたかと思います。今日も小さなお子さんがたくさん参加してくれていますが、参加してくれたお子さんたちが大人になって、20年後にまたそのお子さんたちが参加できるような、息の長いイベントにしたいと思っています」とこの日の活動を締めくくった。
モビリティを活用して砂浜を綺麗にする「子供用ビーチクリーナー」を初披露
また当日は、子供たちの環境を守る心の育みをさらに広げることを目的に開発したという「子供用ビーチクリーナー」と「ミニサンドレーキ」が初披露された。これまでは手拾いによるゴミ拾いにしか参加できなかった子供たちに、モビリティに乗る楽しさやワクワク感を、ゴミを回収しながら味わえるメニューとして、今秋から導入を予定している。ただし、使用できる対象年齢は10歳~15歳および身長130cm以上となっている。
ベースとなっているのは、アメリカで販売しているATV「TRX90X」で、搭載するエンジンは空冷4ストローク単気筒86ccエンジンで、トランスミッションは4速セミAT。最初に1度だけペダルを踏み込んで1速に入れたら、後は自動的にシフトアップしてくれるタイプ。
フロントは段差をしっかり吸収するために、ストローク量2.6インチの頑丈なショックアブソーバーを2本装備していて、リアはシングルサスペンション。快適でコントロールしやすい乗り心地に仕上がっている。また、出力を制御できる調整式スロットルリミッターを備えていて、乗る子供の年齢や砂浜の荒れ具合や斜度などを鑑みてあらかじめ設定できる機能も備えている。
子供用ビーチクリーナーを開発したきっかけと思いとは?
ATVや清掃用機材の開発責任者である二輪・パワープロダクツ開発生産統括部 第二商品開発部 完成車開発課 チーフエンジニアの井上雅洋氏は、子供用ビーチクリーナー導入のきっかけについて、「どうしても従来のATVだけだと、触れられる人が限られてしまうので、せっかく家族で来てくれていて、子供たちにも触ってもらえる機材があってもいいかなと。また、機材に興味を持った子供がエンジニアを目指すきっかけになればいいなという思いもあって、コロナ前くらいから動いていました」と振り返る。
また、導入への課題については、「砂浜は全国各地にありますが、それぞれ砂の性質も異なりますので、条件に合わせてスロットル開度を調整したりするセッティングが必要。そのあたりがクリアになれば実用化できると考えています。すでに試験的に何度かトライしているので、10月25日に神奈川県鎌倉市の由比ガ浜海水浴場で4台ほど導入を予定していますが、参加者全員が乗るのは難しいと思うので、どうやって提供するかは思案中です」と子供用ビーチクリーナーの導入を名言。
さらに、今後の活動について井上氏は、「ATVだけでなく、落ちているゴミを楽しく拾える機材とかもどんどん開発して、参加してくれた人が楽しかったと思えるような内容を長く継続していきたいですね」と抱負を語ってくれた。
これまでに「ビーチクリーナーを貸してほしい、売ってほしい」といった要望もあるとのことだが、あくまでこの活動は創業者である本田宗一郎氏が推進してきた社会貢献活動であり、今後もそのスタイルは変わらないとのこと。





























