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ホンダ、マイチェン「フィット」の改良ポイントを開発責任者の磯貝尚弘氏と商品企画担当の松村泰平氏が解説

2026年7月9日 発表
フィットの改良モデルが発売。スポーティなデザインの採用や装備の充実、さらにグレード構成の見直しが行なわれた

 本田技研工業は7月9日、コンパクトカー「フィット」の改良モデルを発表。7月10日より発売を開始する。

 今回の改良ではグレード構成を見直し、シンプルなものとすることでユーザーに選びやすさを提供。また、ユーザーからの声を反映して設定された「Z」グレードでは、エクステリアデザインをスポーティなものにするなど商品力の向上が図られている。

 新たなグレード構成は、ラインアップの中心に「Z」グレードを据え、その他はスポーティな「RS」、ベーシックな「X」、そしてアウトドアイメージの「クロスター」とした。

フィット改良モデル。手前がe:HEV RSで奥が新たに設定された主要グレードとなるe:HEV Z

 エンジンは直列4気筒1.5リッター DOHC i-VTEC+2モーターハイブリッドと、直列4気筒1.5リッター DOHC i-VTECの2種類で、ハイブリッドには電気式無段階変速、ガソリンには自動無段変速機CVT(トルクコンバーター付き)が組み合わされる。

 バリエーションは、ハイブリッド車は「e:HEV X」「e:HEV Z」「e:HEV RS」「e:HEV クロスター」の4モデル。ガソリン車は「X」と「Z」の2モデル。駆動方式はe:HEV RSが2WD(FF)のみの設定となり、ほかはすべて2WD(FF)と4WDが設定されている。

 価格はガソリンモデルが180万6200円~236万5000円。e:HEVモデルは238万5000円~295万5700円。助手席回転シート車もガソリンモデルとe:HEVモデルがあり、価格は223万9000円~245万9600円だ。

フィットの改良ポイントを解説

 改良モデルの発売にあたり本田技研工業はメディアを対象とした事前説明会&撮影会を開催し、今回の改良で行なわれたポイントをFIT開発責任者の磯貝尚弘氏と、本田技研工業 日本統括部 営業企画部 商品企画課 FIT商品企画担当 松村泰平氏が解説した。

本田技術研究所 四輪研究開発センター FIT開発責任者の磯貝尚弘氏

 フィットは2001年6月に初代が誕生しているので、2026年6月で25周年を迎えるクルマだ。現行型は4代目となっていて初代からさまざまな進化を遂げながら、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトを一貫して提供し、広い室内空間を持ったコンパクトカーとしてユーザーに選ばれてきたモデルとなる。

 最近の市場動向では、コンパクトカーの全体の市場は大きいものの、フィットは競合車種との競争が激しくなっているとのこと。ただ、ホンダ国内販売において、フィットは重要な役割を担うクルマであり、同じくホンダの人気車である軽自動車「N-BOX」と合わせて約40%の販売台数となっている。

 今回の改良では、ユーザーから選ばれる存在であり続けるために、ユーザーの声を重視した取り組みが行なわれている。

 実施したのはコンパクトカーを希望するユーザーへのアンケートで、その中では「扱いやすい普通車」であること。「買い物からレジャーまでカバーする万能さ」。それに「安心感」といった項目が挙げられたという。

本田技研工業 日本統括部 営業企画部 商品企画課 FIT商品企画担当 松村泰平氏

 次に現在のフィットをどのようなイメージで捉えられているかを聞いたところ、他の同クラスのコンパクトカーと比較して「実用的である」という回答になったそうだ。

 コンパクトカーというジャンルでは、実用的であることは利点ではあるが、フィットの購入を検討している層からも、RSグレードが採用しているようなスポーティなデザインを望む声も多かったという。

 そしてこの調査結果から導き出されたコンセプトは、「スポーティ&コンフォート」。エクステリアデザインはよりスポーティにしつつ、ユーザーの声を反映した装備を追加することに。

 また、従来のグレード展開は、グレードのそれぞれの性格を打ち出すため、バリエーションを多く用意していたが、選択肢が多いことは購入を検討する際にユーザーが絞りきれずに迷ってしまう面もあったため、改良モデルではグレード構成を、スポーティな「RS」、主要グレードとなる「Z」、そしてベーシックな「X」。さらにアウトドアイメージの「クロスター」といったシンプルで覚えやすい構成とした。

内外装でスポーティさを向上した「RS」

 RSはスポーティさの向上を狙い、内外装に変更が加えられた。

 形状こそ変わっていないが、アッパーグリルをピアノブラックとし、リアのライセンスガーニッシュもピアノブラックに変更。これによりスポーティさやデザインのクオリティを高めている。さらに従来切削による光沢を持たせていたアルミホイールの表面処理、光沢部分にブラッククリアを塗ることで、足下イメージの引き締めも行なわれた。

改良されたフィットRS。ボディカラーはプレミアムクリスタルレッド・メタリック
ボディの形状に変更はない
リアのライセンスガーニッシュがピアノブラックになった
デザインに変更はないが左右のライトの間にあるアッパーグリルの塗装がピアノブラックになっている
ピアノブラックのガーニッシュを追加したことによりリアまわりのデザインが引き締まった
RS専用デザイン16インチアルミホイール。従来は切削による光沢面があったが、そこにブラッククリア塗装が施された

 インテリアのデザインも見直されていて、従来はインテリアパーツの一部にグレー系の差し色を使用していたが、これをすべてブラック基調に変更している。さらにルーフライニングとピラーガーニッシュもブラック化している。

 このようにブラックで引き締めたイメージの中、ステアリング、ドアまわりのインテリアパッド、シートでレッドのステッチを入れることでスポーティなインテリアに仕立てている。

 加えて追加装備としては、マルチビューカメラ&ブラインドスポットインフォメーションをメーカーオプションで設定したほか、ワイヤレスチャージャー、シートヒーター(運転席・助手席)、ステアリングヒーター、IR/UVカットガラス、HondaConnectディスプレイ、スポーツペダルも装備されることになった。

フィットRSのインテリア。ブラック内装となり、スポーティさが増す仕上がりとなっている
ステアリングには縫い目に赤いステッチが入った
グレーのインテリアパネルからブラックのパネルに変更されている
HondaConnectディスプレイを装備
RSはスポーツペダルを装備する
専用本革シート(メーカーオプション)も赤いステッチが入る。標準は専用スエードコンビシートとなる。こちらもブラックカラー/赤ステッチの仕様だ
助手席側から見る
リアシート。こちらもメーカーオプションの専用本革シート。センターの肘掛けは収納できる
センタータンクレイアウトによる室内の広さを生かす機能として初代から採用されているリアシートのチップアップ。背の高い荷物も積める
ラゲッジの形状やサイズに変更はない。リアシートは分割可倒式
リアシートを前倒しにすると、広いラゲッジとなる
フィットの購入を希望するユーザーから要望が多かったマルチビューカメラとブラインドスポットインフォメーションがメーカーオプションで設定された

選びやすい主要グレードのZもスポーティなデザインを採用

 今回の改良から新たに設定された「Z」と「X」。このうちZは多くのユーザーに選ばれるものと想定されていて、作り込みについてもユーザーアンケートにもあったスポーティなデザインを望む声に応えるものとしている。

 エクステリアではRSと同じデザインのスポーツバンパー(フロント/リア)が採用された。また、ルーフのシャークフィンアンテナは従来ブラックカラーだったところ、ボディカラー化される。そして標準のホイールカバーはシャークグレートリムカバーとなった。

改良モデルのフィット Zグレード。ボディカラーはシーベッドブルー・パール。RSと共通デザインのバンパーを装着する
ホイールはオプションの15インチアルミホイールを装着。リアバンパーもスポーツバンパー
顔つきはRSと同じだが、グリルの塗装処理が異なる
スポーツバンパーの装着によりスポーティなイメージ
シャークフィンアンテナはボディ同色となった
撮影車はオプションの15インチアルミホイールを装着

 ZのインテリアはRSと同じくブラック基調となる。従来はRS以外のグレードは2本スポークのステアリングを採用していたが、ZはRSと同じ3本スポークに変更。また、ステアリングスイッチまわりとシフトのエスカッションパネルにグレー系のカラーが使われていたが、この点もブラックに見直された。

 さらにドリンクホルダーガーニッシュもブラック化することで、インテリアのイメージをぐっと引き締めている。追加装備としてはシートヒーター(運転席・助手席)、IR/UVカットガラスを採用。そして15インチアルミホイールがメーカーオプションで設定されている。

Zグレードはブラック基調のインテリアとなっている
ステアリングは3本スポーク。スイッチパネルはブラック
従来のフィットはグレー系カラーを使っていたエスカッションパネルも全体のイメージに合わせてブラック化されている

 なお、今回、展示はなかったが人気グレードの「クロスター」は、内外装のデザインに変更はないものの、シートヒーター(運転席・助手席)、ステアリングヒーター、IR/UVカットガラスを新たに標準装備とした。また、すべてのグレードにおいてボディの塗装に「高艶クリア」を採用。これによりボディの艶感が向上することと、耐久性が向上するようになっている。