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トヨタ 高橋智也GRプレジデント、オートポリスを走るニュルブルクリンク仕様GRヤリスはGR-FOURの熱対策を行なったクルマ

5月のニュルブルクリンク24時間レースに参戦したTGRR GRヤリス DAT。今週末のスーパー耐久第5戦オートポリスでは、このニュル仕様のアップデート版が走行する

 TOYOTA GAZOO ROOKIE Racingは7月25日~26日の2日間にわたってオートポリス(大分県日田市)で開催されるスーパー耐久第5戦に、32号車 TGRR GRヤリス DATでエントリーを行なっている。

 この32号車 TGRR GRヤリス DATは、5月にニュルブルクリンク24時間レースに参戦した車両で、いわゆるニュル仕様となっている。ドライバーは、MORIZO、石浦宏明、大嶋和也、豊田大輔選手の名前が並び、ニュル参戦メンバーで5時間の耐久レースに挑んでいく。

ニュル仕様のアップデート内容について語ってくれたトヨタ自動車株式会社 GAZOO Racingカンパニー 高橋智也プレジデント

 2026年のニュルブルクリンク24時間レースに挑んだGRヤリスは、2025年仕様までと異なって3つのアップデートを投入。市販車を鍛えるのではなく、本格的な「モータースポーツ起点のクルマづくり」へ向けて進化したクルマになる。

 1つ目はエンジンのパワーアップ、2つ目が空力面の改善、そして3つ目がフロントサスペンションのジオメトリ変更とトレッド拡大。GRヤリスの進化を見据えて、大きな挑戦を行なっている。そのニュル仕様GRヤリスがオートポリスに登場する。

 ただ、このニュル仕様GRヤリスだが、すでに大きく異なっているところがあるとGAZOO Racingの高橋智也プレジデントはいう。ニュル仕様GRヤリスはエンジンのパワーアップや空力の改善を行なったため、パワートレーンに対する負荷が増加、ニュル24時間ではGRヤリスが採用する4WDシステム「GR-FOUR」の心臓部となる電子制御カップリング内のオイルが熱で潤滑性が低下。結果として謎の振動問題が発生し(現場では、原因を特定できなかった)、その結果パワートレーン全交換という事態が発生してしまった。

 その詳細は富士24時間レースで、高橋智也プレジデントが説明。電子制御カップリング封入オイルや電子制御カップリングに用いられている多板クラッチの公開を行なった。

 その際に、何らかの対策を行なうことを語っていたが、オートポリスに投入されるニュル仕様のGRヤリスは熱対策が行なわれているものだという。

 具体的には、リアデフ直前に位置する電子制御カップリングユニットへの導風を行なったほか、電子制御カップリングユニット自体にもリブを後付けで追加し、空気との接触面積を増やしてある。

 ニュル仕様GRヤリスではディフューザーも巨大になっており、そのディフューザーとの関連などは不明だが、空力に影響のない形で空気が導かれているのだろう。

 電子制御カップリングユニット自体へのリブ追加は後付けで行なわれており、形状などを見て温度低下のデータを取っていくという。電子制御カップリングユニットは外観からはダイカスト製法で作られているように見えるため、すぐに形状を変更することは不可能。実際のレースにおいて形状を決定し、金型などを変更していくものと思われる。

 高橋智也GRプレジデントは、「この対策により、10℃以上の温度低下を見込んでいる」といい、電子制御カップリングの熱問題については解決することを期待する。

 ただ、オートポリスは阿蘇の高原地帯にあるとはいえ、予選日や決勝日は30℃以上の気温が予想されている。2026年のニュルブルクリンクは若干気温が低めでもあったので、酷暑の日本で5時間の決勝レースを走りきれれば確かに一定のめどは立つと言える。

 GRヤリスは、トヨタの「走る、壊す、直す」の象徴であり、今週末のスーパー耐久オートポリス戦では、その取り組みが実際に見られることになる。