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すべてはクルマ好きを増やすため、トヨタが作り上げた入門用「GRカート」 38万5000円の低価格と子供たち向けに「乗って楽しく」を実現
2026年9月11日 17:21
トヨタ自動車のスポーツ車両ブランドであるGAZOO Racingが発売した「GR KART(GRカート)」。モータースポーツに使えるレーシングカート仕様でありながら、40万円を切る38万5000円という低価格を実現したことが話題となっている。
トヨタは、この価格を実現するために愛知県蒲郡市にGRカートの生産工場である「蒲郡GR KART工房」を設立。小規模なモノづくりの現場において、TPS(Toyota Production System:トヨタ生産方式)を全面導入。品質の確保や工程の継続的な改善に取り組むだけでなく、新しい技術にもトライしていくという。この活動を通じて原価低減を進め、入門者がモータースポーツを始めやすく、長く楽しめる商品を目指すとしている。
子供たちと、そして仲間と楽しむためのGRカート
GAZOO Racingプレジデントの高橋智也氏は、発売前の富士24時間レースで実施したGRカートの説明会において、「今のレーシングカートってものすごく高いんです。初期投資・維持費含めて。どちらかと言うと裕福な家庭の子しかやれない」と、モータースポーツの入門であるカートにおいてのコストの高さを指摘。これは同社の会長でもあるモリゾウ氏(豊田章男会長)との会話の中で出てきた共通認識とのことで、ここを野球やサッカー並みに下げていきたいという会長の思いがGRカート開発の背景にあるという。
そのため、このGRカートの開発目標としては本格的なカートスポーツをできるだけの性能と、なるべく低価格で始められることの両立を目標に設定。トヨタの持つ生産ノウハウやカイゼンといった工夫で価格を引き下げ続ける努力を行ない、メンテナンスコストについてもなるべく引き下げるよう工夫されている。
また、高橋プレジデントは、「大事なのは、僕らはレーシングカート(市場に)に参入したいのではなく、あくまで対立じゃなくて共存」と語る。トヨタがカートに参入となるとシェア拡大であるとかの話になりがちではあるが、そうではなくエントリー層を掘り起こしていきたいという。
子供たちが野球やサッカーをやるようにモータースポーツに親しんでもらえれば、世代を超えてモータースポーツという文化が継続。将来にわたってモータースポーツが持続可能なものになっていく。
また、カートに触れてモータースポーツに親しんでもらえれば、将来的に自動車業界への就職も期待できるほか、クルマを好きになってもらえるという。
参戦コストも従来より安くなるように工夫
そのような背景で作り出されたGRカートは、参戦コストなども低く抑えられるような工夫がされている。カートでモータースポーツをするためには、サーキットなどに行く必要があるが、自前のカートを運ぶためには、これまではハイエースクラスのクルマが必要になることが多かった。
カートのために専用でハイエースクラスのクルマを用意するという大変さを解決するため、GRカートではノアやヴォクシーに積載できるサイズを選択。また、保管面でも縦置き対応とすることで、保管面積を小さくする工夫が行なわれている。
また、家族や仲間で共有することができるように、そのサイズでありながらペダルスライドとステアリングチルトを採用。身長135cmから185cmの人が利用できるようになっている。
レース参加のためのウエイトBOXや、メンテナンス簡素化のための張り調整を不要としたベルト駆動、自己充電式のバッテリを内蔵したエンジンなど、さまざまな機構を用意。できるだけコストを抑えたいという気持ちが随所にあふれた仕上がりを目指していることが分かる。
GRカートの開発に携わるGAZOO Racing 水素エンジンプロジェクト統括 主査 伊東直昭氏は、「従来のカートは、『競技に勝つ』ということがすごく大事」「(GRカートは)コンマ1秒を削り取るという設計ではなくて、乗って子供たちが『楽しい』と思ってくれる、それをきっかけに、『あ、乗り物って楽しいんだ』『クルマって楽しいんだな』っていうふうに、そのきっかけになっていくっていうような設計をしてます」と語る。速さよりも、運転の楽しさを重視した設計になっているといい、特にカートの剛性面に配慮していると語る。
「従来の(レーシング)カート、分かりやすいのが100km/hを超えます」「圧倒的にその100km/h出るレーシングカートとスピードが違うんですが、絶対に楽しいと思ってもらえる」「(GRカートは)ドライバーが操作したことに対して正しく、それから俊敏に動いてくれる。そういう特性があると『楽しい』と思えるんです。ステアリングもブレーキもそうなんですけど、その辺はですね、すごくこだわって作ってます」(伊東氏)と、操縦性のよさを語る。
実際、富士24時間の時点でのGRカートに少し乗ることができたが、軽くきびきびとした車体というよりも、しっかりとした車体に4ストロークらしいトルクのあるエンジンを搭載。ある程度の重さもあるため、荷重移動もゆるやかにかけやすい。この辺りはしっかり作られたフレームから来るものだと思われるが、このフレームに関しても自動車の製造工程で用いられるような溶接ロボットを使用しており、トヨタの生産ノウハウが注ぎ込まれているとのことだった。
このGRカートは、楽天に「GR KART 楽天市場店」も開設。タイヤは1本3500円から販売されており、ネジ1本の取り扱いも行なっている。カートスタンドがあったり、レーシングスーツやヘルメットが売っていたりと、パーツ以外にグッズの販売も実施。GRカートで楽しむ人を増やしていこうとするトヨタの本気を感じるものとなっていた。
GRカート 主要諸元
価格:385,000円
全長:1,820mm
全幅:1,160mm
全高:670mm
ホイールベース:1,045mm
乗車定員:1人
車両重量:83kg
総排気量:215cc
商品に関する問い合わせ先
蒲郡GR KART工房
info@grkart.toyota
車両販売拠点 カートコース
北海道:雨竜・サーキット、南幌リバーサイドカートランド
関東:クイック潮来、レオンサーキット、井頭モーターパーク、フェスティカサーキット栃木、榛名モータースポーツランド、サーキット秋ヶ瀬、本庄サーキット、新東京サーキット、茂原ツインサーキット、大井松田カートランド、中井インターサーキット
中部:スピードパーク新潟、スポーツランド長岡、サーキットあづみ野、フェスティカサーキット瑞浪、富士スピードウェイ KART & MOTO PARK、オートパラダイス御殿場 小山町大御神サーキット、石野サーキット
近畿:レインボースポーツ カートコース、琵琶湖スポーツランド、スポーツランド生駒、神戸スポーツサーキット、たからづかカートフィールド、名阪スポーツランド
中国:スポーツランドTAMADA、柳井スポーツランド
四国:カートランド四国
九州・沖縄:エーワンサーキット、大村湾サーキット、中九州カートウェイ、ソニックパーク安心院、ククル読谷サーキット





























