ニュース

WEC富士を戦うプジョーのハイパーカー「9X8」を支えるピットの裏側を見てきた

2026年9月25日~27日 開催
雨の中を走るプジョー・トタルエナジーズ 94号車(Photo:中野英幸)

 WEC(FIA世界耐久選手権) 第6戦 富士6時間耐久レースが、9月25日~27日に富士スピードウェイで開催されている。

 プジョー・スポーツ(PEUGEOT SPORT)は、プジョー・トタルエナジーズ(PEUGEOT TOTALENERGIES)として93号車と94号車の2台体制でWECに参戦。レースで重要なピットの様子を少しだけ見ることができた。

 プジョー・スポーツのWEC参戦は2026年で5年目。93号車はニック・キャシディ/ポール・ディ・レスタ/ストフェル・バンドーンが、94号車はロイック・デュバル/マルテ・ヤコブセン/テオ・プルシャールという布陣でハイパーカークラスに挑んでいる。マシンは最高出力200kWのフロントモーターと、最高出力520kWを発揮するV型6気筒2.6リッターツインターボエンジンを組み合わせたハイブリッド4(4WD)の「9X8」。

プジョー・トタルエナジーズ 93号車(Photo:中野英幸)
プジョー・トタルエナジーズ 94号車(Photo:中野英幸)

 プジョー・スポーツのピットは各サーキットの既存施設をベースに構築されており、機材や部品などは数か月前から船便で運ぶという。

 ピット内のスタッフ数は60~70人で、車両ごと9名のメカニックがタイヤ交換や燃料補給、ドライバー交代の際のサポートなどを行なう。

プジョーチームのピット。奥に見えるのは9X8のリアウイング。交換パーツはピット内のすぐ手の届く範囲に保管されている

 ピットにはエンジニアも控えており、車両情報をリアルタイムで把握しさらにリモートでレースをチェックしているエンジニアもいる。彼らは他車とのデータを比較するなど、レース戦略を担い、最終的に各号車のレースストラテジストが、タイヤ交換やドライバー交代の判断を行なっているそうだ。

プジョーチームのピット内。撮影時はちょうどフリープラクティス中だったため、ピット内は広々としていた
燃料給油用の装置。給油時は重量規定に触れないよう、マシンの重量やドライバーの体重などを加味して、給油量をきっちりと計っているという
フリープラクティス中のドライバー交代に備えるロイック・デュバル選手
それを見つめるテオ・プルシャール選手

 ピットを見学できたのはわずかな時間ではあったものの、多くの人々がドライバーが長時間のレースをベストコンディションで走れるよう、全力を尽くしているのが肌で感じられた。

 2026年シーズンのプジョーは富士までの5戦を終えた段階で16ポイント7位。第2戦 ベルギーでの7位が最高順位となっており、あまり奮わない成績とはなっているが、プジョーは2025年の富士で2位を獲得していることもあり、相性がいいサーキットではあるはず。

 実際にチーム代表のエマニュエル・エスノー氏に話を聞いたところ、富士スピードウェイはコースの路面がスムーズでフラットであり、長いストレートもあることから、得意としているサーキットではあるという。ただ、2026年は各チームともオペレーション、マシンの走り、信頼性といった面で非常に高いレベルにあり、1秒の中に10台ほどのマシンがひしめき合うような熾烈な状況になっているとのこと。差をつけるのが難しいチャンピオンシップとなっているため、「非常に難しいものの、日々進歩する必要がある」と話していた。

短時間ながらチーム代表のエマニュエル・エスノー氏から話を聞けた

 あいにくの雨による路面コンディションの悪化から予選が中止となり、フリープラクティスの順位で決勝のスターティンググリッドが決まった今回の富士6時間レース。プジョーチームは93号車が9番手、94号車が15番手からの決勝レーススタートとなる。6時間のレースはどのような結果となるのだろうか。プジョーチームの活躍に期待したい。

決勝レースに備える94号車