ニュース

ドゥカティ、スーパーバイク「パニガーレV4 2027年モデル」 最高出力とともに高回転域でのパフォーマンス向上

2026年10月15日(現地時間) 発表
「パニガーレ V4(2027年モデル)」が登場

 ドゥカティは10月15日(現地時間)、フラグシップ・スーパーバイク「パニガーレ(Panigale)V4」の最新進化形となる2027年モデルを発表した。欧州では2027年3月から、日本では2027年4月から順次販売開始予定。

 ドゥカティのスーパーバイクは、市販車ベースで争われる「スーパーバイク世界選手権(SBK)」にて圧倒的な実績を持ち、7世代にわたり進化を重ねてきた歴史を持つ。2024年の「ワールド・ドゥカティ・ウィーク(WDW)」のレース・オブ・チャンピオンズで披露した新型プロトタイプは、従来モデルから1秒のタイム短縮を記録したが、今回の「2027年モデル」は、そこからさらに2年の開発期間を経て熟成した最新モデル。

パニガーレ V4(2027年モデル)

 ドゥカティは「サーキットにおける実質的な走りのパフォーマンス向上」を唯一の目的として掲げ、エンジン、エアロダイナミクス、シャシー、エレクトロニクス制御のすべてに手を加えた。イタリアのヴァレルンガ・サーキットで行なわれた比較テストでは従来モデル比で平均ラップタイムを0.4秒短縮。さらに近年のレノボ・レース・オブ・チャンピオンズにおいてニコロ・ブレガ選手が過去のポールポジション記録を0.7秒更新するなど、すでにその圧倒的な能力が実証されている。

パニガーレ V4(2027年モデル)

効率化と高回転化で218PSを発揮するデスモセディチ・ストラダーレ

 2027年モデルは、MotoGPマシン直系テクノロジーをフィードバックした「デスモセディチ・ストラダーレ・エンジン」を搭載。エグゾーストシステムの刷新をはじめ、300km/h走行時で流入量を0.6%増加させる新設計のハイフロー・エアインテーク、動力損失(フリクションロス)を低減する潤滑油回路の最適化などを実施。排ガス規制「Euro5+」に適合させながらも、最高出力は従来型より2PS引き上げられ218PSを達成している。

MotoGPマシン直系テクノロジーをフィードバックした「デスモセディチ・ストラダーレ・エンジン」を搭載

 特に1万2000~1万4000rpmの高回転域での出力向上に重点が置かれていて、1万3000rpm時点ではピークパワーが3.5PS増加。300km/h超の極限域ではインテーク効果により追加で1.3PSのパワーアップが得られるため、ストレートエンドでの伸びやかな加速力を実現した。

 また、エンジン出力を無駄なく路面へ伝えるため、最終減速比をこれまでの2.563から2.471へと変更して最高速を12km/h向上させるとともに、2速から5速のレブリミットを1万5000rpmに設定。レブリミットを引き上げたことで同一ギアをより長く保持できるようになり、ヴァレルンガ・サーキットでは1周あたりのギアシフト回数を2回削減。ライントレースやブレーキング操作へより集中できる仕様へと進化した。

最終減速比を変更して最高速を12km/h向上させた

 サーキット走行を極めたいユーザー向けには、オプションで新しい「アクラポヴィッチ製フルレーシング・エグゾーストPRO」を用意。装着すると最高出力は11PS、最大トルクは7Nm向上し、車重は6.6kg軽量化でき、レーシングマシン同等の加速と応答性を手に入れられる。

横剛性を12%最適化した新フレーム

 どんなに強力なパワーも、路面へ確実に伝わらなければ意味をなさないが、すでにトップレベルにあるシャシー性能をさらに昇華させるため、エンジニア陣は極端なバンク角におけるタイヤの接地性とグリップ感の向上に注力。

エンジニア陣は極端なバンク角におけるタイヤの接地性とグリップ感の向上に注力したという

 フロントフレームは意図的に横方向の剛性を12%低減し、しなやかさを高めることで、深いバンク角でコーナー旋回中もタイヤが路面をとらえ続け、フロントエンドからのフィーリングを大幅に向上させた。これによりコーナーのクリッピングポイントに向けてタイトなラインを維持でき、旋回速度(ボトムスピード)の向上と立ち上がりでの早いスロットルオープンを可能にした。

 また、最終減速比の変更に伴いホイールベースを8mm短縮。Sバージョンはサーキット走行向けにセットアップされた調整可能なクリップオン・ハンドルを採用。ハンドルバーの位置を従来比で10mm高く設定するこの手法は、近年のMotoGPマシン開発のトレンドに沿ったもので、ハードブレーキング時や素早い切り返しにて力伝達が容易になり、ライダーにかかる身体的負荷を大幅に軽減してくれる。

空力面では、新デザインのエアインテーク採用に伴う空気抵抗の増加を相殺するため、エンドプレートを大型化した高効率な新型ウィング形状を導入している

プロのブレーキングを再現する「ダイナミック・エンジン・ブレーキ」

 エレクトロニクス分野の新機能が、「ダイナミック・エンジン・ブレーキ」で、従来のEBC(エンジン・ブレーキ・コントロール)を「ドゥカティ・ビークル・オブザーバー(DVO)」のアルゴリズムに基づき進化させ、リアホイールへかかるリアルタイムの荷重変化を算出。最適なエンジンブレーキ力を自動調整してくれることで、コーナーアプローチでの車体挙動が極めて予測しやすくなり、進入時の安定性と自信を高めてくれる。

 これに加え、限定ハイエンドモデルで培われた「レース・ブレーキ・コントロール」を市販モデルとして初搭載。減速時におけるリアブレーキの能力を極限まで引き出し、利用可能なグリップをフルに活用させる。

幅広いライダーが安全かつ確実にハイレベルなライディングを実践できるという

 このダイナミック・エンジン・ブレーキとレース・ブレーキ・コントロールを密接に連携させることで、これまでトッププロライダーしか成し得ない「自在なリアブレーキコントロール」をシステムがアシスト。ブレーキングポイントを通常より遅らせながら進入速度を保ち、鋭いライン取りでコーナーへ進入するというハイレベルなライディングを、幅広いライダーが安全かつ確実に実践できるようになったという。