マツダ、新型「アクセラ」の発表会を開催 「通勤時間40分のうち、15分間アイドリングストップした」と山内社長 |
マツダは6月11日、同日に発売された新型「アクセラ」の発表会を開催した。発表会では、代表取締役の山内孝社長が登壇し、自らが実際に走って体感した新型アクセラの環境性能と、マツダの経営戦略におけるアクセラへの期待について述べた。
代表取締役 社長兼CEOの山内孝氏 |
壇上に立った山内社長は、まず初代アクセラが世界で高い評価を受け、マツダの中で最速となる、誕生から5年で累計200万台を突破したことを述べ、その上で「2代目アクセラは“世界中のお客様の期待を超える”を合い言葉に開発を進めてきた」と、新型アクセラに対する意気込みを表した。
新型アクセラは「スポーティーな走りやデザインを継承、強化しつつ、環境案税性能を含むあらゆる領域での進化を実現した。特に優れた環境性能は大きな特徴であり、2.0リッター車には、革新的なアイドリングストップシステム『i-stop』を搭載。1.5リッター車にはCVTを搭載し、非常にバランスのよいクルマに仕上がっている」と述べた。
実際に自宅から会社まで、i-stop搭載車を運転してみたことに触れ「通勤時間40分のうち、4~5分、1割程度は信号で止まるだろうと思っていたが、驚くことにメーター表示では、3分の1を超える15分間もアイドリングストップをしていた。これは絶対に燃費に利く。無駄を省くというのは大変気持ちがよい」と、その興奮を語った。また、「再始動も違和感なく非常にスムーズな運転ができるのも自慢のひとつ。ぜひ皆様にも試乗していただきたい」とその自信を表した。
また、マツダの経営戦略として、下半期には黒字転換するという目標を述べ「その達成において、新型アクセラは非常に重要な役割を担っている。すでに先行発売している欧州、北米、オーストラリアでは大変好評をいただいている」と、確かな手応えを感じていることを述べた。
開発主査の前田剛享氏 |
チーフデザイナーの栗栖邦彦氏 |
続いて開発主査の前田剛享氏と、チーフデザイナー栗栖邦彦氏が壇上に上がり、新型アクセラの開発コンセプトや、その進化について述べた。前田氏は「新型アクセラが目指したのは、初代のアクセラの成功をベースに、カスタマー(顧客)の期待を超えることであり、そのために3つのキーバリューをセットした。1つ目は表情豊かでダイナミックなデザイン。2つ目は洗練されたドライビングパフォーマンス。3つめが先進の環境安全性能」だと述べた。
1つ目となるデザインに関して、チーフデザイナーである栗栖氏は「新型アクセラをデザインすることは、世界に通用するデザインへの挑戦。初代アクセラが持つダイナミックかつスポーティーな個性を引き継ぎながら、エクスプレッシブ、すなわち表情の豊かさに大胆に表現した」とそのコンセプトを語った。
エクステリアは、ボンネットやフェンダーから伸びるすべてのラインが中心に集まるセンターフォーカスを強調したフロントフェイスと、3代目デミオから一貫性を持たせたフロントフェンダーとサイドに伸びるキャラクターラインが特徴で、インテリアでは「ダッシュボードはセンターから両サイドへ力を発散させるようなイメージを持たせることで、空間に広がりを持たせ」また「ダッシュボード上部にパーティーラインをなくすことで、クラスを超えた高級感を演出している」と言う。
アクセラ スポーツのエクステリア | すべてのラインが中心に集まるフロントフェイス | |
はっきりとしたキャラクターラインで構成されたサイドライン | アクセラ セダンのエクステリア | |
2.0リッターの一部グレードに用意される17インチアルミホイール | 1.5リッター用に用意される16インチアルミホイール |
広がりを感じさせるデザインのインテリア | メーター(左)やマルチ・インフォメーション・ディスプレイ(右)は視認性を配慮して配置 | |
操作系はコンパクトにまとめられる | スポーツとセダンには2種類のシートが用意される | スポーツのラゲッジスペース |
続いて前田氏は、2つめのキーバリューであるドライビングパフォーマンスについて、「視認性のよさや操作系統をコンパクトにまとめることで最適なドライビング環境を体験できる」と述べ、また、「アクセラの最大の魅力であるダイナミックでスポーティーな走りは、ボディーコントロール性、高速走行時の安定性、そしてNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)の進化により体感いただけると思う」と述べた。
最後に3つめのキーバリューである環境安全性能について前田氏は「一切の妥協はなかった」とし、目玉となるi-stopに関して「走りを犠牲にすることなく、環境貢献ができるエコスポーツなパワーユニット」であり「i-stopの採用により、10・15モードで燃費をおよそ10%改善した。特に都市部のゴー・ストップを繰り返す運転状況下においては、大きな燃費改善効果が実現できている。実際に都内や広島市内を走っていると、その3分の1もの時間がアイドリングストップしているというデータもある」と述べた。また1.5リッターにもCVTを組み合わせることで「スポーティーな走りとクラストップレベルの低燃費を実現した」と述べた。
■i-stopシステム
■マツダスピードアクセラ
(瀬戸 学)
2009年 6月 12日