マツダ、「アクセラ」をフルモデルチェンジ
アイドリングストップ機能「i-stop」で15%燃費改善

アクセラ スポーツ 20S

2009年6月11日発売
166万円~267万8000円


  マツダは、新型「アクセラ」を6月11日に発売する。価格は、4ドアの「アクセラ セダン」が166万円~210万円、5ドアの「アクセラ スポーツ」が166万円~267万8000円。

 アクセラは、2003年に初代モデルが発売され、グローバル市場での累計販売台数は200万台。マツダの年間総販売台数の3分の1以上を占めている。2代目となる新型アクセラでは、4ドアセダンで「15C」「20C」「20E」の3グレード、5ドアハッチバックのスポーツで「15C」「20C」「20S」「20E」「マツダスピード アクセラ」5グレードを用意する。

アクセラ スポーツ 20S(リア)アクセラ スポーツ 15C 
アクセラ スポーツ 20Cマツダスピード アクセラ
アクセラ セダン 20Cアクセラ セダン 20E

 エクステリアは、マツダ車共通のモチーフである5角形フロントグリルを引き継ぎつつ、開口部を大型化しセンターフォーカスを強調した新形状のフロントマスクを採用。加えて、セダンでは初代のショート&ハイデッキスタイルを踏襲し、キャラクターラインにコントラストを与えることで走行時や駐車時で陰影が微妙に変化し、表情が増す造形としている。スポーツでは、下まわりのラインをCピラーに向かわせることでコンパクトに見せ、リアビューは初代のデザインを踏襲しつつ、リアのすべてのラインがリアゲート中央のマツダのエンブレムに集束するデザインとしている。ボディーカラーは、新色の「セレスティアルブルーマイカ」「インディゴライトマイカ」「グラファイトマイカ」に加えて、「アルミニウムメタリック」「ブラックマイカ」「ベロシティレッドマイカ」「クリスタルホワイトパールマイカ」の合計7色を設定する。

 ボディーは、サスペンション取り付け部の補強や各コーナー部の結合剛性の強化、ドア開口部のスポット溶接間隔の高密度化、といった強化策に加えて、サスタワー上面とボディー左右のカウルクロスメンバーを結合してストラットタワーバーの機能を持たせる構造を採用するなどして、初代に対して静的曲げ剛性を7%向上させ、車体ねじり変形の位相遅れを23%低減した。また、590MPa級以上の鋼板の使用量を18%から35%の約2倍拡大したほか、1480MPa級の鋼板をバンパーレインやドア内のサイドインパクトバーに採用し、初代からのボディーシェルの重量増加を0kgに抑えながら高剛性化を実現した。

 空力面では、空気をスムーズに流すことで空気抵抗を低減する「エアフローマネジメント」を採用。フロントグリルを大型化したものの、開口面積を初代より約80%縮小したほか、フロントバンパーのエアガイド追加、フロントコーナーやAピラーの形状最適化、乱気流を抑えるリアコンビランプ形状の採用、フロントタイヤディフレクターの追加などによって、セダンでCd0.30、スポーツでCd0.32の空力性能を実現した。

スポーツのデザインスケッチセダンのデザインスケッチフロントマスク

 エンジンは、直列4気筒 DOHC 1.5リッター、直列4気筒 DOHC 2.0リッター直噴、直列4気筒 DOHC 2.3リッター直噴ターボの3種類を設定しており、2.0リッターの2WD(FF)車には、アイドリングストップ機能「i-stop」を搭載する。i-stopは、既存のスターターモーターのみでエンジンを再始動するアイドリングストップ機能とは異なり、シリンダー内に燃料を直接噴射し、点火することで爆発を起こし、ピストンが押し下げられる力を利用して再始動する。このため、エンジン再始動にかかる時間を約0.35秒に短縮したほか、エンジン停止/始動時の振動や騒音を抑えている。加えて、エンジン停止時にシリンダーの停止位置制御を行うほか、スターターモーターで補助することで燃料消費量を低減しており、燃費も10・15モードで初代より約15%改善の16.4km/Lに向上。エコカー減税に適合し、自動車重量税と自動車取得税が75%軽減される。2.0リッターエンジンの最高出力は110kW(150PS)/6200rpm、最大トルクは186Nm(190kgm)/4500rpm、1.5リッターエンジンの最高出力は82kW(111PS)/6000rpm、最大トルクは140Nm(14.3kgm)/4500rpm。2.0リッターの2WD車とマツダスピード アクセラでは、世界で初めて実用化された、希少金属の使用量を大幅に削減した新型シングルナノ触媒を採用している。

直列4気筒 DOHC 2.0リッター直噴エンジン直列4気筒 DOHC 1.5リッターエンジンi-stopのエンジン停止から再始動までのメカニズム
2.0リッターエンジンの性能曲線1.5リッターエンジンの性能曲線シングルナノ触媒

 トランスミッションは、1.5リッター車では7速のマニュアルモード「アクティブマチック」を搭載した新開発のCVTを採用。これにより、10・15モード燃費が初代より約5%改善の18.4km/Lに向上し、エコカー減税に適合したことで、自動車重量税と自動車取得税が50%軽減される。また、2.0リッターの2WD車にはアクティブマチック搭載の5速ATを採用し、ステアリングスイッチを装備するグレードではDレンジ走行中でもスイッチ操作でマニュアルモードに切り替えられる「ダイレクトモード」を搭載する。このほか、2.0リッターの4WD車は4速ATを、マツダスピード アクセラは6速MTを採用。いずれのトランスミッションも、シフトノブ位置を前モデルより約60m上方に配置し、操作性の向上を図っている。

 サスペンションは、初代と同様にフロントにマクファーソンストラット式、リアにマルチリンク式を採用。フロントでは、スタビライザーのクランピングプレート取り付けスパンを52mm拡大し、コントロール性を向上させたほか、サスクロスメンバー断面拡大やマウントブッシュ特性の最適化によって横剛性を向上させた。リアでは、スタビライザー取り付けスパンを15mm拡大してロールコントロール性を向上させ、モノチューブダンパーを採用している。ブレーキは4輪ともディスクブレーキで、フロントはベンチレーテッドディスクを採用。20Eの4WD車には、ステアリング舵角、車速、ヨー、横G、エンジン回転数、アクセル開度などのデータをリアルタイムでフィードバックし、ABSとの協調制御によって前後輪のトルク配分を100:0~50:50の範囲でリニアに変更するフルタイム式の4WDシステムを搭載する。

CVTCVT搭載車のシフトノブステアリングスイッチ
フロントサスペンションリアサスペンションフロント/リアのディスクブレーキ

 インテリアは、ブラックを基調としたカラーとし、センターコンソールをオーディオ下部まで延長し、インパネ、コンソール、グローブリッドをシンプルな構成とするなど、分割ラインを極力減らすよう配慮したデザインを採用した。加えて、ドアのアームレストなどでソフトな触感の表皮を採用し、ダッシュボード上面にシボ加工を施すなどして質感を向上させた。また、Aピラーの断面形状やドアミラー形状の最適化、ワイパーブレードの突出量の低減、トップシーリングへの吸音材の採用、サッシュの剛性向上によるドア周りのシール性向上などにより風騒音を低減したほか、サスペンションやボディーの剛性向上や制振材の最適配置によってロードノイズも低減し静粛性を向上。静音オルタネーターの採用や吸気系の全体形状の最適化によって、パワートレインからの不快な音を低減し、エンジンサウンドと静粛性を両立させたとしている。

 コクピットでは、各情報の重要度や使用頻度を考慮しながら、ドライバーの視線移動や手の動きに最適な位置にメーター表示や操作部分を配置した「ゾーンレイアウト」を採用。3.5インチSTN液晶のマルチ・インフォメーション・ディスプレイを装備し、低燃費運転の状況を知らせる「エコドライブ支援」や警告、メンテナンス情報、オーディオ表示などを行う。なお、一部グレードではメーカーオプションで4.1インチTFT液晶にグレードアップすることができる。また、チルト&テレスコピックステアリング、ラチェットレバー式シートリフター、スライドアームレストを装備。フロントシートは前縁部の横幅を最大20mm拡大し、シートバック高を35mm延長して支持性能を向上させた。また、一部グレードで装備するスポーツシートでは、シートバック上面のボルスターを内側に寄せ、剛性を高めることでホールド性を向上させている。

スポーツ 20Sのインテリア
セダン 20Eのインテリアマルチ・インフォメーション・ディスプレイエコドライブ支援の詳細
チルト&テレスコピックステアリングスライドアームレストフロントシート

 機能面では、ドライバーが乗り込む際にルームランプやメーターパネル照明が順次点灯する「ウェルカムモード」、アドバンストキーレスエントリー&プッシュボタンスタートシステム、運転席/助手席独立コントロールフルオートエアコンなどの機能を搭載。フロントのリッド付カップホルダー、リッド付きフロントコンソールボックス、サングラスボックス、リアアームレストのカップホルダーなどの収納も用意する。加えて、スポーツの20Sには荷室の床下収納の蓋を立てることで荷室を仕切ることができる「フレキシブルフロアボード&ネット」を装備。また、メーカーオプションでBoseとマツダの共同開発による10スピーカーの「Boseサウンドシステム」、7型ワイド液晶/40GBのHDD/ワンセグチューナーを装備したHDDカーナビを設定する。安全機能では、高剛性ボディー「MAGMA」、急ブレーキ時にハザードランプを点滅させる「エマージェンシー・シグナル・システム(ESS)」や、横滑り防止機能「DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロールシステム)」、運転席&助手席/カーテン&フロントサイドのSRSエアバッグシステムなどを装備。メーカーオプションで、60km/h以上で走行中に隣車線の後方からの接近車両を検知するとドアミラー鏡面内のインジケーターで警告する「リアビークル・モニタリング・システム(RVM)」、舵角連動のコーナリングランプ「アダプティブ・フロントライティング・システム(AFS)」、バックガイドモニターによる駐車支援システムなどの機能を設定する。

運転席/助手席独立コントロールフルオートエアコンフロントリッド付カップホルダーリッド付きフロントコンソールボックス
サングラスボックスリアカップホルダーフレキシブルフロアボード&ネット
Boseサウンドシステム高剛性ボディー「MAGMA」エマージェンシー・シグナル・システム(ESS)
リアビークル・モニタリング・システム(RVM)アダプティブ・フロントライティング・システム(AFS)駐車支援システム

 マツダスピード アクセラは、スポーツをベースにエクステリアで専用エアインテーク、フロント/リアの専用エアロバンパー、大型フローティングタイプのリアルーフスポイラー、2本出しの大径マフラー、18インチアルミホイールなどを追加装備。インテリアでは、ブラックを基調として赤のアクセントを加えた専用デザインとし、MAZDASPEEDロゴ付のタコメーター、LED表示のブースト計、メモリー機能付きの運転席8wayパワーシートを搭載した専用ハーフレザーシート、4.1インチTFT液晶のマルチ・インフォメーション・ディスプレイを追加している。

 パワートレインでは、直列4気筒 DOHC 2.3リッター直噴ターボエンジンは、霧状の燃料を直接筒内に噴射する「筒内冷却効果」によって、混合気の充填効率が向上。フラットトルクとレスポンスに優れた加速、良好な燃費を実現し、最高出力は194kW(264PS)/5500rpm、最大トルクは380Nm(38.7kgm)/3000rpmで、10・15モード燃費は11.0km/Lとなる。加えて、電動ポンプ式油圧パワーステアリング、トルクセンシング式スーパーLSDを追加したほか、6速MTは各ギア段のトータルギア比を従来よりも高速化しつつ、低粘度のトランスミッションオイルを採用してスムーズなシフト操作を実現している。

 このほか、ボディーではクロスメンバーを閉断面化し、リアサスタワーとリアフロアの結合を強化するガセット、大型トンネルメンバーを追加して剛性を強化。サスペンションでは、専用チューニングを施して操縦安定性をより高め、コイルスプリングのバネレートを専用のものに変更し、スタビライザー径を拡大。ダンパー減衰力を高めてロール剛性も向上させている。ブレーキは、320mmのフロントベンチレーテッドディスクローターと280mmのリアディスクローターを装備し、8+9インチタンデムブースター、1インチマスターシリンダーによって強力で安定した制動力を発揮している。

直列4気筒 DOHC 2.3リッター直噴ターボエンジンと性能曲線6速MT
18インチアルミホイールマツダスピード アクセラのインパネとメーターパネル
MAZDASPEEDロゴ付のタコメーターLEDブースト計専用ハーフレザーシート
マツダスピード アクセラの剛性強化部位マツダスピード アクセラのフロント/リアサスペンション

ラインアップ

ボディータイプグレードエンジン駆動方式変速機価格減税率
セダン15C直列4気筒 DOHC
1.5リッター
2WD
(FF)
CVT166万円50%
20C直列4気筒 DOHC
2.0リッター
DISI i-stop
5速AT189万円75%
20E205万円
直列4気筒 DOHC
2.0リッター
4WD4速AT210万円
スポーツ15C直列4気筒 DOHC
1.5リッター
2WD
(FF)
CVT166万円50%
20C直列4気筒 DOHC
2.0リッター
DISI i-stop
5速AT189万円75%
20S214万円
20E直列4気筒 DOHC
2.0リッター
4WD4速AT210万円
マツダスピード アクセラ直列4気筒 DOHC
2.3リッター
DISI ターボ
2WD
(FF)
6速MT267万8000円

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2009年 6月 11日