AAAL、2009年度の活動報告会
「洗車の日」キャンペーンをさらに推進

都内で開催された、AAAL報告会

2010年4月15日開催



 AAAL(オートアフターマーケット活性化連合)は4月15日、2009年度(2009年4月~2010年3月)の活動と、2010年度の取り組みについての報告会を都内で開催した。

 AAALは、APARA(自動車用品小売業協会)、JAAMA(全国自動車用品工業会)、NAPAC(日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会)、JASMA(日本自動車マフラー協会)など、自動車や2輪車向け用品の製造や販売にかかわる7団体が加盟する組織。

 AAALでは、コンプライアンス委員会、商品拡販委員会、イベント委員会、情報委員会、環境委員会の5つの委員会で、業界全体のことにかかわる問題や取り組みについて各テーマごとに話し合われており、この報告会では、各委員会の代表者が、その詳細について語った。

経産省は「自動車戦略2010」に、国交省は「外装基準」に言及

APARA副会長 鍵山幸一郎氏

 報告会の冒頭、APARA副会長 鍵山幸一郎氏が代表してあいさつを行い、昨今の厳しい経済状況に触れるとともに「100円ライターが登場した当時、マッチ業界では100円を払ってライターを買う人はいないと思われていた。しかし、現在は100円ライターが主流になっている。マッチ業界の人は、100円ライターという商品に対応する時間はあったが、有効に使えなかった」と、100円ライターを例に挙げ、将来の電気自動車やハイブリッド車の本格普及に対応しなければならないと語った。


経産省 製造産業局自動車課 課長補佐 阿部容久氏

 来賓として招かれた、経済産業省、国土交通省の職員もあいさつに立った。経産省 製造産業局自動車課 課長補佐の阿部容久氏は、「経産省は4月12日に『自動車戦略2010』を公表した。これは、CO2削減に向けてのロードマップで、政府の補助があった場合、次世代自動車の普及を2020年に最大50%、燃費に優れたガソリン車をあわせた場合は最大80%にするというもの。ただ、そのためにはこれらの自動車にワクワク感やドキドキ感が必要で、それらを実現するのがアフターマーケットビジネスだと考えている」と語り、経産省もそのためにアフターマーケット市場をフォローしていくと言う。


国交省 自動車交通局技術安全部整備課 課長補佐 小柴一博氏

 国交省 自動車交通局技術安全部整備課 課長補佐の小柴一博氏は、「2009年の交通事故死者数は4914人と5000人を下回った。とはいえ負傷者数は90万人ほどとなっており、ASV(先進安全自動車)の普及推進や、自動車アセスメント(JNCAP)の公表を通じて、安全な自動車作りに取り組んでいく」と自動車の安全性を重視。その上で「一番大事なのは、新車性能を維持する保守・管理を行っていくこと」だと語り、アフターマーケット業界には、保守・管理のよきアドバイザーになってほしいと期待を述べた。

 また、アフターパーツにおいて大きな影響があった外装基準の変更についても「2009年1月以降に生産される車について、外装基準の適用を2017年3月31日まで猶予した。これは主にタクシーや霊柩車などが間に合わないためで、延期されたからといって安心しないでほしい」と語り、ボディー外部に曲率半径が2.5mm未満の突起を有してはならないという新基準対応の商品開発に対する努力を要請した。


「洗車の日」がメインとなった各委員会の報告
 各委員会の報告では、「洗車の日」関連の報告が多く見られた。「洗車の日」は、4月28日を“よいツヤの日”と定め、4月1日~5月31日に各加盟店でキャンペーンを行うもので、昨年に続き2回目の開催になる。委員の一部からは、上期の洗車の日以外のイベントもという声も上がったが、業界団体合同の取り組みとして行うまでには至っていないと言う。ただ、洗車はメンテナンスの基本となるだけに、この洗車の日によって改めて車のメンテナンスを行う人も増えており、業界全体の売上げ向上にはつながっているとのこと。以下に各委員会の報告を紹介する。

コンプライアンス委員会
 コンプライアンス委員会では、2009年度に課題を洗い出し、2010年度にその課題の解決を図っていく。4つの課題が挙げられており、「認定書や保証書の配布」「製品の適正な告知や記載」「中古品の安全性や保安基準」「オイルやフィルターなどの交換時期」について話し合っていく。

コンプライアンス委員会委員長 藤村勝氏(APARA)活動課題1 認定書、保証書、取り扱い説明書の配布について活動課題2 製品への適正な告知や記載
活動課題3 中古品の安全性や保安基準への適合確認活動課題4 オイル、フィルター等の交換時期の目安2010年度はこれらの活動課題について話し合っていく

商品拡販委員会
 商品拡販委員会からは、2010年の洗車の日キャンペーンについて、その活動が報告された。参加企業は昨年の20社から25社へと増え、より多くの人に訴求していくとのこと。

商品拡販委員会委員長 木村義美氏(APARA)洗車の日キャンペーン概要
洗車の日キャンペーンでは小冊子を作り、洗車の手順などを解説商品にもシールを貼り、小冊子掲載商品と分かるようにする店頭にものぼりを立て、キャンペーンを訴求
昨年のキャンペーンで好評だった「洗うゾウくん」は継続。今年はサブキャラクターも追加4月17日には、ジェームストレッサ横浜で「洗車教室」を開催

イベント委員会
 イベント委員会からは、新設イベントの検討に関する報告が行われた。洗車の日も、もとはイベント委員会からの提案だったが、個別商品の具体的展開活動となるため、商品拡販委員会に引き継ぎ、新たなイベントを模索。1年間検討したものの、経済状況などの問題により、大がかりなイベントを行わない方向で決着し、今後の新たな取り組みを考えていく。

イベント委員会委員長 中野正裕氏(NAPAC)新たなイベントを検討今後も検討していくと言う

情報委員会
 情報委員会は、AAALの広報活動を行う部会。1年間の広報活動や、現在行っている洗車の日プレゼントに関する中間報告が行われた。

情報委員会委員長 小野田裕繁氏(APARA)情報委員会では、AAALのWebサイトを制作しており、プレゼントキャンペーンなども実施している昨年下期に行った「ロングドライブグッズプレゼントキャンペーン」
現在行っている「洗車グッズプレゼントキャンペーン」プレゼントキャンペーンを行うと、Webへのアクセスが向上する洗車の日キャンペーンにあわせて、洗車の日の解説ページを設置

環境委員会
 環境委員会では、業界全体の取り組みとして、環境に優しい企業活動の推進を検討。廃棄物処理工場の見学や、レジ袋削減などの取り組みについて検討したほか、リサイクル性の高い商品梱包についての報告を行った。

環境委員会副委員長 深澤広司氏(NAPAC)報告の中で公開された、リサイクル可能な商品梱包。これは、FUJITSUBO(藤壺技研工業)の試作品で、通常は捨てられてしまう商品梱包物を再利用可能なものにしている

(編集部:谷川 潔)
2010年 4月 15日