BMW、コンパクトプレミアムSUV「X1」発表会
「ターゲットはこれまでBMWの購入を検討したことがない人」

BMW X1 xDrive25iと、ビー・エム・ダブリュー代表取締役社長 ローランド・クルーガー氏

2010年4月20日開催
363万円(sDrive18i)
480万円(xDrive25i)



 ビー・エム・ダブリューは4月20日、同日に発表した「X1」の発表会を東京 八重洲の同社ショールーム「BMW Group Studio」で開催した。

 BMW X1はBMWのXモデルのラインナップの中で最もコンパクトなモデルで、国内導入には2.0リッターエンジンの2WD(FR)モデル「sDrive18i」と3.0リッターエンジンの4WDモデル「xDrive25i」の2タイプ。発表会場には3.0リッターのxDrive25iが用意され、報道陣に公開された。

発表を待つBMW X1発表会場に用意されたのは、BMW X1 xDrive25i運転席に座り、ステアリングを握るビー・エム・ダブリューのローランド・クルーガー社長
SUVだが、全高が1545mmのため、かなりコンパクトに感じる
フロントのキドニーグリルは上下に大きく、BMWらしい面とXシリーズの力強さを兼ね備える。このクルマはX-lineエクステリアを装着しているヘッドライトは丸型4灯のBMWらしく仕上げている
リアまわりは最近のBMWとほぼ同じイメージでまとめられている大きく開くリアゲートワイドな2本ラインのLEDテールランプ
グレードを示すバッヂはフロントドア下部に付くホイールとタイヤは前後とも7.5J×17、225/50 R17
1シリーズよりも90mm高いと言うドライバースシート。カラーはホワイトアイボリーのレザーシートエンジンスタートはプッシュボタン式
幅広さを強調するデザインのインストルメントパネルシフトレバーまわりのデザインは、運転席側が若干低くなるなど使いやすいよう工夫されている
iDriveのコントローラーアームレストを上げると、カップホルダーやDCソケットが現れるミラーは自動防眩タイプ。左右のドアミラーも自動防眩タイプになる
ドアにもドリンクポケットが用意される助手席まわりオプション装着の電動パノラマ・ガラス・サンルーフ
リアシートは4:2:4の3分割可倒式。センターのみを倒すことでスキー板4組、またはスノーボード2組を収納できると言う
リアのウインドーは全開できるiDriveパッケージを装着すると中央にアンテナが付くため、その分だけ全高がアップし1575mmとなるxDrive25iのエンジンは直列6気筒 DOHC 3.0リッター。重量配分のためか、かなり後方にマウントされている
ラゲッジルーム容量は、リアシートのリクライニングの角度で420Lから480Lまで変化するラゲッジルーム下にも収納スペースを用意する
BMWマーケティング プロダクト・マネジメントの金田雅志氏

競合他社に先駆けて投入するSAV
 今回登場したX1について、BMWマーケティング プロダクト・マネジメントの金田雅志氏が、商品概要について説明を行った。

 金田氏はX1について「競合他社に先駆けてプレミアムコンパクトセグメントに投入するSAV(Sports Activity Vehicle)」と説明。「BMWはまたしてもプレミアムコンパクトセグメントで新たなベンチマークを確立した」と述べた。

 エクステリアについては、BMWらしいスポーティなプロポーション、サイドビューに特別なアクセントを加える3つのライン、ワイドな2本のLEDテールライト、Xモデルのアイコンでもあるシルバーのアンダーガードを、X1の特徴とした。

 インテリアについては室内をより広く感じさせるデザインと言い、ドライバー側にわずかに傾いているドライバーオリエンテッドなセンターコンソールなど、BMWブランドコンセプトを踏襲していることなどを説明した。

 また、高いシートポジションはXモデルの特徴で「1シリーズよりも9cm高く、乗り降りも快適にできる設計」とX1の優位点を強調。そのほか、特徴として、多彩な収納スペースや4:2:4で分割できるリアシートのユーティリティ性能、全高が1545mmという機械式駐車場にも収まるボディーサイズなどを挙げた。


BMW X1の商品概要バンパー一体のキドニーグリルとその上方のプレスライン、4灯ヘッドライトなどが特徴サイドビューにアクセントを加える3本のライン
ワイドな2本のLEDテールライト、シルバーのアンダーガードがX1の特徴水平なラインを基調とし、広々と見せるインストルメントパネルのデザイン4:2:4に分割できるリアシート。一般的な7:3分割よりも自由度が高い
収納スペースが多いこともX1の特徴。iDrive非装備ならダッシュボードセンターにも物入れが備わる機械式駐車場にも対応する、全高1545mm、全幅1800mmのボディーサイズsDrive18iとxDrive25iの、2タイプ用意されるモデルラインナップ
X1の標準装備用意される主なオプション装備xDrive25iにオプションで用意されるパフォーマンスコントロールの仕組み
パッケージオプションも用意する
X1の価格

ターゲットはこれまでBMWの購入を検討したことがない人
 金田氏は、主要なターゲット層について説明し「流行に敏感でアクティブ、自分自身を反映するクルマを探している比較的若い年齢層の方々、また、こうした若い年齢層と近い価値観を持ち、同じようにアクティブな生活を送りたいと考えているファミリー層の方々」だと言う。

 これらターゲット層は、従来のBMWのユーザー層とは異なるため「これまでBMWの購入を検討したことがない、BMWにとって新しいお客様がターゲットになる」として新規顧客の獲得に期待を寄せた。

 なお、2モデルはどちらも戦略的な価格だと強調。sDrive18iの363万円は「400万円を大幅に下回る戦略的な価格設定」、xDrive25iの480万円についてはxDrive(4WD)で初めて500万円を切る価格と説明した。


ビー・エム・ダブリュー代表取締役社長 ローランド・クルーガー氏

復活の兆しがあり、2010年は成長を確信
 発表会では、ビー・エム・ダブリューの代表取締役社長 ローランド・クルーガー氏がBMWの日本国内市場について説明した。

 クルーガー社長は「2009年は厳しい年であったにもかかわらず、インポートプレミアムブランドでNo.1の地位を獲得した」と振り返り、2010年についてはすでに第1四半期で登録台数が9.3%伸びていることなどから「2010年は少しでも成長することができると確信している」とした。

 また、2010年の成長を支えるものとしては、サステナビリティ、新規顧客開拓、プレミアム・コンパクト・セグメントの充実の3つを挙げ、今回のX1の導入もその成長を支えるとしている。

 X1については、日本市場向けに開発された製品であると強調、「全幅は1800mm、全高は1550mmを超えないというのがその証拠」と言い、現時点で数多くの予約注文が寄せられていることを明らかにし「ディーラーやお客様が注目している証拠。将来に向けて大きな期待のできるクルマ」とX1に自信を見せた。

2009年度のインポートプレミアムブランドの登録台数。BMWが1位2010年は、サステナビリティ、新規顧客開拓、プレミアム・コンパクト・セグメントの充実で成長を目指すBMWは2020年までにCO2の25%削減を約束する

(正田拓也)
2010年 4月 20日