SUPER GT第5戦SUGO決勝リポート
0.025秒差の大逆転で17号車 KEIHIN HSV-010が初優勝

スポーツランドSUGOで開催されたSUPER GT第5戦SUGO

2010年7月25日開催



 7月25日、スポーツランドSUGO(宮城県柴田郡村田町)で「2010 AUTOBACS SUPER GT第5戦 SUGO GT 300km RACE」が開催され、GT500クラスは歴史に残る接戦を制し、0.025秒差の大逆転で17号車 KEIHIN HSV-010がSUPER GT初優勝。GT300クラスは2号車 アップル・K-ONE・紫電がポール・トゥ・ウィンで今季初優勝、話題の31号車 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラは3位となり、初表彰台を獲得した。

 全8戦で行われる2010年のSUPER GTは、前戦のセパンで4戦を終え、第5戦からいよいよ後半戦に突入した。第6戦までは獲得ポイントの2倍のウェイトハンディ、第7戦は等倍、最終戦はウェイトハンディなしとなるので、獲得ポイントの少ないチームは第5戦のSUGOと第6戦の鈴鹿が上位進出の最後のチャンスとなる。

GT500クラス
 GT500クラスの第4戦までのドライバーズポイントの順位は、優勝こそないが、取りこぼしなく4戦ともポイントを獲得した6号車 ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム)が40ポイントで1位となり、以下、1号車 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)、18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)と続く。

順位マシン(ドライバー)ポイント
1位6号車 ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム)40
2位1号車 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)37
3位18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)35
4位12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)33
5位35号車 MJ KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也31

 ポールポジションは昨年の覇者、23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)。すべてのセッションでトップタイムを出し、優勝候補の筆頭だ。2番手は100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)、3番手に35号車 MJ KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也)と日産、レクサス、ホンダがトップ3を分けあった。

 14時、81週の決勝レースのスタートが切られた。スタートから飛び出したのは23号車 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)。圧倒的な速さで序盤から後続を引き離す展開となった。2周目の1コーナーで予選5位の8号車 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン)が18号車 ウイダー HSV-010(ロイック・デュバル)を抜き4位にポジションアップ。ラルフ・ファーマンのバトルショーはここから始まった。

23号車がトップをキープ2番手に100号車、35号車、18号車、8号車、12号車と続く
7位以降は32号車、6号車、17号車、24号車、1号車2周目に8号車が18号車を抜き4位浮上

 3周目の1コーナー、勢いに乗る8号車 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン)は前を走る35号車 MJ KRAFT SC430(大嶋和也)のインにマシンをねじ込もうとするが2台は接触。2台ともスピンし、後続集団に抜かれ11位、12位まで順位を落としてしまった。

3周目に3位争いの35号車と8号車が接触スピン。2台で後方から追い上げる

 23号車 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)は徐々に後続を引き離し、独走態勢を築く。2位以下は100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也)、18号車 ウイダー HSV-010(ロイック・デュバル)、12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生)、32号車 EPSON HSV-010(道上龍)と日産、ホンダ勢が上位を占めた。

トップは序盤から独走態勢2位、3位も距離が開く

 9周目、後方から追い上げる8号車 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン)がバックストレートエンドの馬の背で1号車 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)のインに飛び込み2台は接触。1号車 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)はスピンするがすぐにコースに復帰した。

 10周目、2位を走っていた100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也)がS字の進入でスピン、コースに復帰するも10位まで順位を落とし優勝争いから脱落した。16周目、同じS字の進入で35号車 MJ KRAFT SC430(大嶋和也)のマシンが駆動系のトラブルでストップ。ホンダ、レクサスの若手チームが相次いで脱落した。

100号車がS字でスピン。大きく順位を落とす35号車もトラブルでリタイヤ

 予選10番手、ホンダ勢の最後尾からスタートした17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘)が着実に順位を上げてきた。3周目に35号車、8号車のスピンで8位、10周目に100号車のスピンで7位。18周目には6位の24号車 HIS ADVAN KONDO GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)と、後方から追い上げてきた8号車 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン)による3台のバトルとなる。

 17号車 KEIHIN HSV-010は、GT300車両に引っかかった24号車 HIS ADVAN KONDO GT-Rをストレートでパス。さらに1コーナーの進入で8号車 ARTA HSV-010も24号車 HIS ADVAN KONDO GT-Rを抜き、6位17号車 KEIHIN HSV-010、7位8号車 ARTA HSV-010、8位24号車 HIS ADVAN KONDO GT-Rと順位を入れ替えた。

24号車、17号車、8号車のバトル17号車と8号車が24号車を抜いた

 17号車 KEIHIN HSV-010は、5位を走る32号車 EPSON HSV-010(道上龍)との差を徐々に縮め、23周目の馬の背の進入で32号車 EPSON HSV-010に譲られる形で5位に浮上。29周目には18号車 ウイダー HSV-010(ロイック・デュバル)がピットインし4位まで順位を上げ、36周目にピットインし塚越広大にドライバー交代した。

32号車の背後に迫り、抜き去った17号車

 8号車 ARTA HSV-010は依然としてハイペースで周回を続けた。25周目の1コーナーで32号車 EPSON HSV-010を抜き6位、18号車 ウイダー HSV-010と17号車 KEIHIN HSV-010のピットインで4位に上がり、39周目に入るストレートで6号車 ENEOS SC430(ビヨン・ビルドハイム)も抜き3位に浮上した。

 さらに2位を走る12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生)の背後に迫ったが43周目に突然のスローダウン、後続に抜かれ順位を落とした。2度の接触の影響かボンネットが浮いた状態でピットイン、テープでマシンを修復し井出選手にドライバー交代してコースに戻るが、翌周の2コーナーで単独スピン、縁石に乗って動けずコースに復帰したときは後方に沈んでしまった。

8号車の勢いは止まらない2コーナーで単独スピン。縁石に乗り動けなくなった

 各車のピットインが終わり、トップは23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲)、2位に18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史)、3位に6号車 ENEOS SC430(伊藤大輔)、12号車 カルソニック IMPUL GT-R(ロニー・クインタレッリ)を抜いた17号車 KEIHIN HSV-010(塚越広大)が4位までポジションを上げてきた。

 17号車 KEIHIN HSV-010が6号車 ENEOS SC430の背後に迫り数周にわたりテール・トゥ・ノーズで走行を続けた。54周目の最終コーナー、GT300の7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7が周回遅れの365号車 サンダーアジア MT900Mを抜きに行ったところに6号車 ENEOS SC430が引っかかり行き場を失う。7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7をアウト側に押しだし何とか加速するが、万事休す。17号車 KEIHIN HSV-010はイン側を走り抜け3位に浮上、ついに表彰台圏内に入ってきた。

GT300に引っかかった6号車を抜いた17号車6号車に押し出された7号車のフロントは芝生がビッシリ

 60周を終了し残り20周あまり。トップの23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲)と2位の18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史)の差は12秒、その後方は11秒離れて17号車 KEIHIN HSV-010(塚越広大)が3位、このままの順位でチェッカーかと思われた。

 だが17号車 KEIHIN HSV-010のペースが速く、徐々に2位に迫ってきた。65周目には5秒差、70周目には2秒差まで縮め終盤にきて2位争いが白熱してきた。ところがトップ快走の23号車 MOTUL AUTECH GT-Rが74周目の最終コーナーで突然マシンを停止。電気系の落ちるトラブルが発生、何とか再始動するが約1分のタイムロスで6位まで順位を落としてしまった(7月27日のNISMOチームのリリースによると、車両のトラブルではなく走行中にタイヤカスのようなものがキルスイッチに当たったアクシデントによるものとのこと)。

18号車とトップ争いをする17号車

 残り7周、18号車 ウイダー HSV-010と17号車 KEIHIN HSV-010の2位争いは優勝争いになった。残り6周、2台の差は0.3秒、完全にテール・トゥ・ノーズとなった。18号車 ウイダー HSV-010はSPアウトから最終コーナーへ向かうストレートで、GT300 11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430をイン側から抜こうとするがインを閉められ行き場を失う。これで17号車 KEIHIN HSV-010が一瞬前に出るが、百戦錬磨の18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史)はすぐにアウトにコースを変え、GT300 11号車、18号車 ウイダー HSV-010、17号車 KEIHIN HSV-010が3ワイドで最終コーナーへ進入。路面の汚れたアウト側を走る17号車 KEIHIN HSV-010から埃が舞い上がりペースダウン、18号車 ウイダー HSV-010がかろうじてトップを死守した。

 17号車 KEIHIN HSV-010はタイヤのゴミを拾い、ペースが落ち1秒以上離されたが、再び差を詰め残り3周で背後まで迫ってきた。残り2周の1コーナー、アウトから18号車 ウイダー HSV-010に並びかけサイド・バイ・サイドでコーナーを抜けるが2コーナーのインをキープした18号車 ウイダー HSV-010が順位をキープ。いよいよ最終ラップの争いとなった。

 最終ラップは2車身ほどの距離で最終コーナーへ。18号車 ウイダー HSV-010はGT300マシンをアウトから抜きチェッカーを目指すがやや加速が鈍い。タイヤグリップに勝る17号車 KEIHIN HSV-010が一気に差を詰め2台並んでゴールラインを通過した。優勝したのは17号車 KEIHIN HSV-010。その差は0.025秒、歴史に残るバトルを制し初優勝を飾った。3位には重いウェイトハンディながら6号車 ENEOS SC430が入りドライバーズポイント首位をキープした。


0.025秒差で17号車が優勝GT500クラスの表彰台

 最終順位は、1位17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)、2位18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)、3位6号車 ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム)となった。

順位マシン(ドライバー)
1位17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)
2位18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)
3位6号車 ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム)
4位12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
5位24号車 HIS ADVAN KONDO GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/安田裕信)
6位23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)
7位1号車 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)
8位100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)
9位38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン)
10位39号車 DENSO DUNLOP SARD SC430(アンドレ・クート/平手晃平)
11位32号車 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴)
12位8号車 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/井出有治)

優勝した17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)
2位に入った18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)
3位に入った6号車 ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム)

 その結果、ドライバーズポイントは、1位6号車 ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム)(51ポイント)、2位18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)(50ポイント)、3位12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)(41ポイント)となった。

順位マシン(ドライバー)ポイント
1位6号車 ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム)51
2位18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)50
3位12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)41
4位1号車 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)41
5位17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)34
6位38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン)32
7位24号車 HIS ADVAN KONDO GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/安田裕信31
8位35号車 MJ KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也31
9位100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)24
10位23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)23

GT300クラス
 GT300クラスの第4戦までのドライバーズポイントはトップが前戦セパンで2勝目を挙げた7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼)。以下、46号車 アップスタート MOLA Z(横溝直輝/阿部翼)、74号車 COROLLA Axio apr GT(井口卓人/国本雄資と続く。

順位マシン(ドライバー)ポイント
1位7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼)40
2位46号車 アップスタート MOLA Z(横溝直輝/阿部翼)40
3位74号車 COROLLA Axio apr GT(井口卓人/国本雄資)36
4位43号車 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)35
5位3号車 HASEMI SPORT TOMICA Z(星野一樹/柳田真孝)29
6位19号車 ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也)21
7位11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也/平中克幸)17
8位2号車 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規/濱口弘)15
9位86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3(山西康司/関口雄飛)12
10位66号車 triple a Vantage GT2(松田秀士/吉本大樹)11

 予選1位は2号車 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規/濱口弘)、2位には31号車 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ(嵯峨宏紀/松浦孝亮)がフロントローに並んだ。

GT300クラスのスタート

 スタートで順位を上げたのは4番手スタートの11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也)。43号車 ARTA Garaiya(新田守男)を抜き3位1コーナーを抜けた。序盤にトラブルに遭遇したのは、9号車 初音ミク X GSRポルシェ(佐々木雅弘)。2周目に接触でタイヤを傷めピットイン、最後尾に落ちてしまった。


2号車がトップをキープ、31号車が続く2位以下は31号車、11号車、7号車、43号車、74号車、19号車と続く8位に62号車、10位に3号車、9号車も13位で1コーナーを通過

 序盤はトップの2号車 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規)と2位の31号車 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ(嵯峨宏紀)が後続を引き離す展開となった。後続集団で速さを見せたのは62号車 R&D SPORT LEGACY B4(佐々木孝太)だ。昨年の参戦から今ひとつ結果を残せていなかったが、予選10位からスタートし、1周目に8位、2周目に6位、7周目には43号車 ARTA Garaiya(新田守男)を抜き5位に浮上した。23周目のストレートで7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝)も抜き4位、他車のピットインもあり34周目には3位を走る好走を見せた。ピットイン後も6位まで順位を上げ、実質5位を走っていたが、48周目の2コーナーでスピン、コース復帰に時間を要し17位まで順位を落としてしまった。

着々と順位を上げる62号車
2コーナーでスピンする62号車

ジワジワと順位を上げる3号車

 もう1台後方からジワジワと順位を上げたのが3号車 HASEMI SPORT TOMICA Z(星野一樹)だ。予選11番手からスタートし、1周目で46号車 アップスタート MOLA Z(阿部翼)を抜き9位、20周目に19号車 ウェッズスポーツIS350(織戸学)を抜き8位、25周目に43号車 ARTA Garaiya(新田守男)を抜き7位、28周目に74号車 COROLLA Axio apr GT(井口卓人)を抜き6位まで順位を上げた。

 3号車 HASEMI SPORT TOMICA Zの勢いは止まらず、33周目の3コーナー立ち上がりで7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝)を抜き5位、11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430、62号車 R&D SPORT LEGACY B4がピットインしたので、35周目には3位までポジションをアップした。

 2号車 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規)と31号車 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ(嵯峨宏紀)の先頭争いはスタート直後に2秒ほど開いた差が5周目には0.7秒に縮まり、10周目には2.4秒に広がり、13周目には再び0.8秒に縮まり、一進一退の攻防が続いた。徐々に2号車 アップル・K-ONE・紫電が差を広げ28周目には4.5秒まで広げ独走態勢を築いた。


序盤は一進一退の攻防だったが徐々に差は開いた

 46周目に31号車 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラはピットイン、ドライバーは松浦孝亮に交代した。ピットアウトすると先にピットを済ませた3号車 HASEMI SPORT TOMICA Z(柳田真孝)が後方に迫ってきた。

 レースも終盤に差し掛かった53周目。バックストレートでテール・トゥ・ノーズとなり馬の背の進入で31号車 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラがインをキープすると3号車 HASEMI SPORT TOMICA Zはアウトから並びサイド・バイ・サイドでコーナーを抜け、次のSPインの進入で抜き去り、ついに2位に浮上した。

31号車に迫る3号車31号車を抜き2位に立った3号車

 トップを快走する2号車 アップル・K-ONE・紫電は52周目までピットインを引っ張り、濱口弘にドライバー交代してそのままゴールまで走りきり、今季初優勝と飾った。2位には粘りの走りで9台を抜いた3号車 HASEMI SPORT TOMICA Z、3位には31号車 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラが入り、初表彰台を獲得した。

優勝した2号車 アップル・K-ONE・紫電GT300クラスの表彰台

順位マシン(ドライバー)
1位2号車 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規/濱口弘)
2位3号車 HASEMI SPORT TOMICA Z(星野一樹/柳田真孝)
3位31号車 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ(嵯峨宏紀/松浦孝亮)
4位25号車 ZENT Porsche RSR(都筑晶裕/土屋武士)
5位11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也/平中克幸)
6位43号車 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)
7位7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼)
8位46号車 アップスタート MOLA Z(横溝直輝/阿部翼)
9位5号車 マッハGOGOGO車検408R(玉中哲二/黒澤治樹)
10位86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3(山西康司/関口雄飛)
11位66号車 triple a Vantage GT2(松田秀士/吉本大樹)
12位9号車 初音ミク X GSRポルシェ(番場琢/佐々木雅弘)
13位62号車 R&D SPORT LEGACY B4(山野哲也/佐々木孝太)
14位88号車 リール ランボルギーニ RG-3(余郷敦/細川慎弥)
15位51号車 Sabelt CINE CITTA'タイサンポルシェ(坂本雄也/密山祥吾)

優勝した2号車 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規/濱口弘)
2位に入った3号車 HASEMI SPORT TOMICA Z(星野一樹/柳田真孝)
3位に入った31号車 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ(嵯峨宏紀/松浦孝亮)

 その結果、ドライバーズポイントは、1位7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼)(44ポイント)、2位3号車 HASEMI SPORT TOMICA Z(星野一樹/柳田真孝)(44ポイント)、46号車 アップスタート MOLA Z(横溝直輝/阿部翼)(43ポイント)となり、シリーズランキング1位が同ポイントで並んだ。

順位マシン(ドライバー)ポイント
1位7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼)44
2位3号車 HASEMI SPORT TOMICA Z(星野一樹/柳田真孝)44
3位46号車 アップスタート MOLA Z(横溝直輝/阿部翼)43
4位43号車 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)40
5位74号車 COROLLA Axio apr GT(井口卓人/国本雄資)36
6位2号車 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規/濱口弘)35
7位11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也/平中克幸)23
8位31号車 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ(嵯峨宏紀/松浦孝亮)22
9位19号車 ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也)21

 この第5戦SUGOのテレビ放送は、フジテレビ(7月29日 26時05分~27時35分)、関西テレビ(7月31日 26時20分~27時50分)、東海テレビ(8月1日 26時20分~27時50分)、仙台放送(8月1日 16時00分~17時30分)、岡山放送(8月1日 25時50分~27時20分)、テレビ静岡(7月29日 26時05分~27時35分)、テレビ西日本(8月1日 25時50分~27時20分)の各地上波と、BSフジ(8月1日 17時00分~18時55分)で予定されている。

 次戦は8月21日、22日に鈴鹿サーキット(三重県)で、シリーズ最長の700kmレースが行われる。

(奥川浩彦)
2010年 7月 28日