写真で見るBMW「5シリーズ ツーリング」


 6代目5シリーズの国内導入から半年を経て、ワゴンモデル「ツーリング」が追加された。セダンのモデルナンバー「F10」に対し、ツーリングは「F11」となる。

 3代目5シリーズ(E34)から登場したツーリングは、セダンのBMWらしい走りはそのままに、大容量ラゲッジスペースを備えたスポーツワゴンだ。ライバルよりもリアウインドーが寝かされたスポーティーなルックスを与えられているが、カーゴルームの容量は560Lを確保、後席を畳めば1670Lまで拡大できる。また、独立開閉式のリアウインドー、トノカバーやパーティションネット、スキー・スノーボード・バッグ等を標準で備え、ワゴンとしての使い勝手にもきっちりと配慮されている。

 その一方でインテリアはセダン同様、プレミアム・サルーンらしい作りのよさを感じさせる空間となっており、オプションでレザーも選べる。

 搭載されるエンジンは直列6気筒が3種類。3リッター・ツインスクロールターボの「535iツーリング」(865万円)、3リッターDOHCの「528iツーリング」(745万円)、2.5リッターDOHCの「523iツーリング」(640万円)となっており、いずれも8速ATが組み合わされる。また、523iツーリングはセダンと同じくエコカー減税の対象となっている。

 撮影したのは「523iツーリング」。車体色はカシミア・シルバーとインペリアル・ブルー・ブリリアント・エフェクト。どちらもダコタ・レザー・インテリア+シートヒーティング、Vスポーク・スタイリング328アロイ・ホイール、オートマチック・テールゲート・オペレーション、ファインライン・アンソラジット・ウッドトリム、電動パノラマ・ガラス・サンルーフ、ラゲージ・コンパートメント・パッケージのオプションを装備している。

Bピラーから後方のルーフはセダンよりも高く、まっすぐ伸びるツーリングのボディ-。セダンより5mm長く、15mm高く、110kg重い。リアウインドーの寝たスポーティーなスタイルだが、カーゴルームは容量と実用性を確保している

 

ヘッドライトはバイキセノン。コーナーリング時に角度を変えたり、車速に応じて照射角や到達距離を自動制御する。外側の1灯がロー・ビームとハイ・ビームを兼ねる。リング状のポジションライトはLED。ヘッドライトウォッシャーも備える
フォグランプは標準装備サイドマーカーランプはフェンダー部にあり、ミラーには内蔵されないのがBMW流。ミラーは曇り防止・雨滴除去ヒーターを備え、助手席側ミラーは後退時に下を向いて縁石などを確認しやすくする
テールランプとハイマウントストップランプはLED。緊急時に点滅するダイナミック・ブレーキ・ライト機能を備える
ルーフ・レールは標準ではブラック(左)。オプションでサテン・アルミニウムになるオプションのVスポーク・スタイリング328アロイ・ホイール。8J×18ホイールに245/40 R18の組み合わせ
ドア・ハンドルの照明は標準装備。キーを身につけているだけでロック・アンロックができるコンフォート・アクセスを備える
テールパイプは片側2本出し前後重量配分を考慮してエンジンルーム後ろ寄りに縦置きされた直列6気筒2.5リッター DOHCエンジン523iツーリングは平成22年度燃費基準+15%、平成17年排出ガス基準75%低減レベル(★★★★)を達成しており、エコカー減税の対象となる

 

大きく開くテール・ゲート。外側のハンドル(ゲート・オープン・スイッチ)横には、標準装備のリア・ビュー・カメラがある
テールゲートは、リアウインドーワイパーの根本のノブを使うとウインドーだけ独立して開くことができる。車体後部にスペースを要さず、軽く操作できるので、小さなものの出し入れに便利
電動開閉式テールゲート(オートマチック・テールゲート・オペレーション)はオプション。運転席のスイッチでも開閉できる。ゲート下部にはオープン時用のリア・ポジションランプがある

 

パーティションネット、トノカバーなど、ワゴンに必要なものはすべて揃ったカーゴルームトノカバーはテールゲートの開閉と連動して、電動で上下する
トノカバーとパーティションネットを内蔵したユニットは、取り外し可能。またリアシートを畳んだときは、前端に取り付けてパーティションネットを張ることもできるカーゴルーム床下には標準装備のスキー・スノーボード・バッグを収める。例によってランフラットタイヤなので、スペアタイヤは搭載していない
リアシートは4:2:4の分轄可倒式。ラゲージ・コンパートメント・パッケージ・オプションを装着すると、リアシートを畳んでいないときにバックレストの角度を11度の範囲で調整でき、カーゴルーム容量を30L増やすことができる
バンドやフック、電源ソケットを装備。リアシートはカーゴルーム左右のレバーで畳める
カーゴルーム右のサービスハッチの下部にも物入れがある可動式フックを備えたカーゴレール

 

アッパーミドルサルーンらしい上質なインテリア。撮影車はオプションのダコタレザー・インテリアとファインライン・アンソラジット・ウッドトリムを備える
シートヒーター付き電動フロントシートはオプション。運転席のポジションメモリ-スイッチはドアにある
電動パノラマ・ガラス・サンルーフもオプション。前席側が電動開閉する。シェードも電動
BMW流の2眼アナログメーター。下部にはブラックパネル液晶インフォメーションディスプレイを備え、車両やオーディオなどの情報を表示するステアリング・ホイールにはハンズフリーフォンと、ブレーキ機能付きクルーズコントロールのスイッチステアリング右のライトコントロール。一番右はメーターパネルの照度調整
左右独立温度調節可能なエアコンは、余熱暖房機能付きシフトレバーはスイッチタイプで、左に倒すとMTモード。シフトレバー右には車両設定機能のダイナミック・ドライビング・コントロールのスイッチ。左にはiDriveコントローラーがある。パーキングブレーキは電気式。オートマチック・ホールド機能機能付きで、一時停止時にブレーキペダルから足を離してもブレーキが解除されない(アクセルペダルを踏むと自動的に解除される)。レバーの後ろのセンターアームレスト内にAUX端子と電源ソケットを備える
シフトレバー前の蓋を開けるとドリンクホルダー、シガーライター、キーホールがある
フロントルームランプサンバイザーはバニティミラー付き
HDDカーナビに格納されたインテグレイテッド・オーナーズ・ハンドブック。インタラクティブな車両の説明が10.2インチディスプレイに表示される
リアにはオプションでエンターテインメントシステムを装着することもできる。リア左右の手動ローラーブラインドはオプション

 

(編集部:田中真一郎/Photo:安田 剛)
2010年 11月 4日