NISMO、14回目の「ニスモフェスティバル」開催

今年で14回目を迎えるニスモフェスティバル

2010年12月5日開催



アニメ「ONE PIECE」(ワンピース)とタイアップした新型セレナのキャンペーンカーも会場に登場

 NISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)は、12月5日に「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2010」(以下ニスモフェスティバル)を富士スピードウェイで開催した。

 ニスモフェスティバルは、今年で14回目を迎える毎年恒例のイベント。日産やNISMOのモータースポーツ活動を応援したファンに対し、日頃の感謝の意を込めて行われるファン感謝デーという位置づけとなる。

 今年も数多くのレーシングカーが展示されたほか、コース上ではエキシビションレースやNISMOのレース活動なかでも特に印象に残ったモデルをセレクトし、その車両がデモ走行する「NISSAN RACING DNA RUN」、SUPER GT参戦車両やFIA GT1仕様のGT-Rなどが一堂に会してレースする「GT-R&Zオールスターバトル」などを実施した。

 また、イベント会場ではドライバーや監督らによるトークショーや、大森ファクトリースタッフによるエンジン分解デモンストレーション、日産車向けのチューニングパーツやアウトレット品の販売など、多数のイベントが行われた。

 こちらの模様は別記事で掲載する。

PGC10 スカイライン 2000GT-R(1969年 JAFグランプリレース 優勝車)
トミカスカイライン(1983年 グループ5仕様 R30型)
ニチラシルビア(1983年 グループ5仕様 S12型)
マーチスーパーシルエット(1982年 グループ5仕様 K10型)
リーボックスカイライン(1989年 グループA仕様 R31型)
カルソニックスカイライン(1990年 グループA仕様 R32型)
ZEXEL SKYLINE GT-R(1991年 スパ24時間 グループA仕様 R32型)
NISSAN R92CP カルソニック(1992年 グループC仕様)
NISSAN NP35(1992年仕様)
NISSAN R391(1999年 ル・マン24時間 LMP900仕様)
MOTUL PITWORK GT-R(2003年 GT500仕様 R34型)
ザナヴィ ニスモ GT-R(2002年 GT500仕様 R34型)
ニスモテストカー(2002年 GT500仕様 R34型)
ペンズオイル・ニスモGT-R(1999年 GT500仕様 R34型)
アップスタート MOLA Z(2010年 GT300仕様 Z33型)
MOTUL AUTECH Z(2006年 GT500仕様 Z33型)
XANAVI NISMO Z(2004年 GT500仕様 Z33型)
カルソニック IMPUL GT-R(2010年 GT500仕様 R35型)
HIS ADVAN KONDO GT-R(2010年 GT500仕様 R35型)
MOTUL AUTECH GT-R(2010年 GT500仕様 R35型)
NISSAN GT-R(2009年 FIA GT GT1クラス仕様 R35型)
ファルケンモータースポーツ フェアレディZ(2010年 ニュルブルクリンク24時間耐久レース仕様 Z33型)
岡部自動車T-MANオイル Team Tetsuya フェアレディZ(ST3仕様 Z33型)
asset,テクノZ34・nismoフェアレディZ(ST3仕様 Z34型)
assetテクノファースト フェアレディZ(ST3仕様 Z33型)
RIRE RACING フェアレディZ(ST3仕様 Z33型)
TAKE VICTORY フェアレディZ(ST3仕様 Z33型)

 コース上では、はじめにサーキットサファリ、サーキットタクシー、レーシングカー同乗走行が行われた。

 サーキットサファリは、バスの中からコース上を疾走するレーシングカーを見られるというもので、コース上では1999年のル・マン24時間レースに出場したNISSAN R391やFIA GT-R、SUPER GT参戦車両など普段同時に走ることのないレーシングカーが混走し、参加者を大いに沸かせた。

 サーキットタクシーは日産の市販車をプロドライバーが運転し、その車両に同乗できる。レーシングカー同乗走行では、車両がレーシングカーとなり、参加者はル・マン24時間レース参戦車両のNISSAN R390 GT1(1998年)やJGTC(SUPER GTの前身)時代に活躍したニスモテストカー(2002年)、スーパー耐久レースに出場しているフェアレディZなどの助手席に座り、各レーシングカーの実力を存分に楽しんでいた。

 いずれのイベントも参加するには事前発売されたチケットを購入する必要があったが、すべて完売。特にレーシングカー同乗走行はめったに体験できないものなので、参加者は乗車前も乗車後も笑顔を隠せない様子だった。

走行準備をする近藤真彦監督レーシングカー同乗走行の準備中レーシングカー同乗走行に参加した人は貴重な体験をできた
NISSAN R390 GT1のドライバーはブノワ・トレルイエ選手が担当同乗走行後の車両のブレーキからは白煙が上がっていた
コースに飛び出していくレーシングカー
エルグランドやジュークによるサーキットタクシーバスに乗ってレーシングカーを間近に見学できるサーキットサファリ
サーキットサファリで走行したFIA GT-RXANAVI NISMO Zペンズオイル・ニスモGT-R(R33)
NISSAN R391NISSAN R390 GT1NISSAN NP35

 NISSAN RACING DNA RUNでは、JAFグランプリの初優勝を飾った「PCG10」(1969年)や、スパ・フランコルシャン24時間レースで優勝した「R32 ゼクセルスカイライン」(1991年)、JSPC(全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権)で1992年に優勝した「R92CP」など、NISMOのレース活動のなかで特に印象深いモデルが参加し、デモ走行を実施。

 走行後はメインスタンド前に参加車両が並べられ、ドライブした長谷見昌弘監督や近藤真彦監督、影山正美選手らが参加車両の紹介や思い出を語った。近藤監督は1982年のグループ5に参戦した「マーチスーパーシルエット」について、「レースの楽しさを教えてくれたモデル」と述べたほか、近年はマーチスーパーシルエットに乗る機会がないものの、今後もニスモフェスティバルで乗りたいとの要望を語っていた。

NISSAN RACING DNA RUNには懐かしい顔ぶれがズラリと並んだ
インタビューに答える長谷見監督、近藤監督、影山選手

オールスターバトル前にはグリッドウォークも開催され、多くのファンらが選手やレースクィーンらと交流を図っていた

 そして今回のニスモフェスティバルでのメインイベントとなる、GT-R&Zオールスターバトルが行われた。

 GT-R&Zオールスターバトルは、今年のSUPER GTで活躍したGT-RやFIA GT-Rをはじめ、過去に行われたSUPER GTやJGTC参戦車両によるレース。ドライバーは本山哲選手やブノワ・トレルイエ選手、松田次生選手といった現役組に加え、長谷見監督や近藤監督らも務めた。今回のオールスターバトルには星野一義監督も参加する予定だったが、諸事情により参加できないとアナウンスされた。

 オールスターバトルでは、2010年のSUPER GT参戦車両にはピットインでのタイヤ交換、2000~2006年のJGTC/SUPER GT参戦車両にはピットインでのドライバー交代、FIA GT-Rおよび1998~1999年のJGTC参戦車両には25秒のピットストップといった、それぞれ異なるレギュレーションが設けられた。

 レースは現役のSUPER GTマシンであるMOTUL AUTECH GT-R、カルソニック IMPUL GT-R、HIS ADVAN KONDO GT-Rの3台に加え、FIA GT-Rがトップ争いをする格好となった。コーナリングスピードはSUPER GT勢に軍配が上がるものの、直線スピードはFIA GT-Rが勝るという展開で、異種格闘技の醍醐味を存分に楽しめる内容となった。

 一方、後方では1998年ペンズオイル・ニスモGT-R(R33)と1999年ペンズオイル・ニスモGT-R(R34)、そして今年GT300クラスで優勝したTOMICA Zが、富士スピードウェイのストレートで3台が横並びで全開走行するなど三つどもえの戦いをみせ、会場を大いに沸かせた。

 なお、レース結果はカルソニック IMPUL GT-Rが優勝した。

レース前の選手らの様子。シーズン中とは打って変わって和やに会話を楽しんでいた。写真は長谷見監督と柳田真孝選手近藤監督(左)と安田裕信選手(右)今回出場できなかった星野一義監督(中央)と、松田次生選手(左)、ロニー・クインタレッリ選手(右)
影山正美選手柳田春人氏(左)と柳田選手(右)の親子本山哲選手
レースは現役のSUPER GTマシンやFIA GT-Rがトップ争いを展開するも、後方でのJGTCマシンとGT300クラスで優勝したTOMICA Zによる激しいバトルに観客は大いにわいた

 最後に行われたフィナーレでは、NISMOの代表取締役である宮谷正一氏や柿元邦彦総監督、選手を代表して本山哲選手らが今年のSUPER GTの結果を振り返った。GT300クラスではHASEMI MOTOR SPORTのTOMICA Zが優勝を飾ったものの、GT500クラスで結果を残せなかったことについて、宮谷氏は「今年は残念な結果というより悔しい年になった。来年はリベンジの年」と述べたほか、柿元氏はすでに来年に向けた車両テストを始めていることを明かすとともに、「来年のこの場で優勝を報告したい」との抱負を述べた。

来年へのリベンジを誓った本山選手(左)と柿元総監督(中央)、宮谷代表取締役社長(右)
フィナーレに参加した選手ら選手らは来場者にプレゼントを送っていた
フィナーレでは今年GT300クラスで優勝した星野一樹選手、柳田選手、長谷見監督に花束が贈呈された。星野選手は「何にも聞いていなかったので驚いた。すごく嬉しい」とコメント花束贈呈にあわせて、来場者はTOMICA Zのゼッケン3番を高らかに掲げていたフィナーレではFIA GT1世界選手権に出場中の荒聖治選手とミハエル・クルム選手のビデオレターを上映。12月5日夜(日本時間)に開催された第10戦(最終戦)での活躍を誓っていた
このほかにもチューニングされたフェアレディZ(Z33/Z34)によるクラブマンレース「Z-Challenge」を開催1960年~1970年代に活躍したハコスカGT-R、ブルーバード、サニーだけが参加できる「NISSAN ヒストリックカーエキシビションレース」も行われた。写真右はHIROTA東名サニー(B110)で出場した影山正美選手

(編集部:小林 隆)
2010年 12月 6日