アウディ、プレミアムコンパクトカー「A1」発表会 A1の導入で2011年の国内販売2万台超を目指す |
アウディ ジャパンは1月11日、同社初のプレミアムコンパクトカーとなる「A1」の発表会を都内で開催した。従来のアウディになかったセグメントに投入することで、2011年の販売台数の大幅アップを担う車種となる。
■2010年は歴代最高の国内登録台数、2011年は2万台超を目標
A1の発表に先立って直近のアウディ ジャパンの業績が発表された。アウディ ジャパンの大喜多寛社長によれば、2010年の登録台数は1万6854台となり、歴代最高であった1991年の1万6691台を上回った。
2011年の目標について語る、アウディ ジャパン 大喜多社長 | 2011年の目標は20%アップの2万台超 |
その要因としてはA3 スポーツバック 1.4TFSIがエコカー減税対象車となったことを挙げたほか、2010年発売のA5 スポーツバックの好調、販売網の整備や顧客満足度向上のための販売スタッフのトレーニング増強、イベントなどによる認知度向上と分析した。
中古車の販売も好調で認定中古車の販売台数が年間5000台を超えたほか、3年後残価が上がり、TTシリーズでは2009年の第4四半期の62%から2010年第4四半期は66%まで向上したことも発表された。
そして、2011年は一気に2万台の突破を目標とすることが発表された。2010年から約20%のアップとなり、これまでの成長カーブから急に上昇する数値だが、大喜多社長からは実現するための「Big&Small」というキーワードが示された。
Bigとは昨年12月に発売された新型「A8」、今年発売予定の「A7 スポーツバック」と新型「A6」で、Smallは「A1」のこと。文字どおりBigとSmallが販売台数増に寄与し、2万台へと押し上げる。内訳は既存車種が1万3000台、Bigが3000台、Smallが4000台と予測している。
■“Urban egoist”のための「A1」
2011年のアウディ ジャパンの販売台数の2割を占める「A1」の発表は、顧客ターゲットとなる“Urban egoist”のイメージを紹介するところからスタートした。
アウディ ジャパンが示すUrban egoistとは「自分の価値観を大切にする、高い審美眼を持つユーザー」。舞台上では個性的なファッションをまとった男性をUrban egoistと見立て、ライフスタイルや価値観などが語られた。
壇上の男性は「音楽は僕の生活の中で空気のようなものなのかもしれない」「前からMacをいじっていたので、デザインとかは得意」「インテリアはいつも興味があった」「季節やカラーは気にする。いちばん自分らしさを出せるのがファッション」「仕事も遊びも大切。自分をブラッシュアップする早朝勉強会へ参加、ボランティア活動も始めた」「カメラが好き、ライカがデジカメを発表したときすぐに飛びついた」などと自分の価値観を語った。
話がクルマにおよび「クルマもいいが、問題はどのクルマにするか。どうせ買うならぼくらしいクルマがいい」などと話すと、大喜多社長が「そんなあなたに、さあ、これをどうぞ」とA1のキーを手渡し、Urban egoistの価値観に合ったクルマであることを表した。
大喜多社長はさらにA1について「アウディの100年の歴史の中で最高の素材と最高の技術を使って、最高のプレミアムコンパクトを作った。このクラスでこのクオリティーは、唯一無二の存在であると自負している」と評価、「クーペのようなデザインとピラーのコントラストがA1の特長」「19.4km/Lの燃費はアウディの中でも最も低燃費」「10色のエクステリアと11パターンの内装を用意、自己表現のスペースとなる内装」とA1の特長を紹介した。
なお、大喜多社長によれば、A1のライバルはBMW「ミニ」で、ミニの国内販売実績からプレミアムコンパクトカーの市場は年間1万5000台ほどあると想定、それをベースにA1の4000台という販売目標を導き出したとした。
舞台上ではUrban egoistとなる男性が登場。A1の前に立ち、自分に合ったクルマであるという演出 | 選べるボディーカラー | 選べるシートと内装カラー |
Audi A1 Configuratorで装備の組み合わせを確認できる | A1の価格とA1の販売目標 |
■スポーツパッケージなどのオプション装備車が中心
発表会に展示されたA1は、いずれもパッケージオプションを搭載しており、特徴的な白色LEDのボジションライトが点灯されていた。
A1の外見的な特長であるピラーに沿ってアーチを描くカラーは「コントラストルーフ」(6万円)のオプションで「スポーツパッケージ」(15万円)を装着した上でのオプションとなる。また、レザーシートは「レザーパッケージ」(28万円)となる。
LEDポジションライトやリアのLEDコンビネーションライトは装着されないベース状態となる289万円のA1は今回展示されなかった。ベース車のテールライト点灯イメージはLEDタイプとは異なったものとなる。アウディ ジャパンによれば、購入者の95%がLEDコンビネーションライトを装着する見込みだと言い、販売される車両は、今回展示したような何らかのオプションが装備されるものが中心となるとのことだ。
また、発表会場でデモも行われたが、豊富なA1のオプションを試し、金額の見積もりまでネット上でできる「Audi A1 Configurator」のWebサイトも公開された。オプションの装着イメージが画面上で確認でき、自分だけのカスタマイズを施したA1を壁紙として保存することもできるようになっている。
(正田拓也)
2011年 1月 12日