光岡、新型霊柩車「ミツオカ リムジン Type 4」発売
内装などさまざまなニーズに応えるティアナベースの霊柩車

光岡自動車 取締役副社長 河村賢整氏と新型霊柩車「ミツオカ リムジン Type 4」

2011年2月22日発売
807万4500円(2名乗車仕様)、1016万4000円(5名乗車仕様)



 ミツオカ自動車は、2月22日に新型霊柩車「ミツオカ リムジン Type 4」を発売。それに伴い、都内で発表会を開催した。

 同社は17年前から輸入車をベースにした霊柩車を販売しており、霊柩車を「おくりぐるま」と呼んでいる。

 ミツオカ リムジン Type 4は、セドリックベースのリムジン Type 2、フーガベースのリムジン Type 3に続く4作目で、2009年に発売した「ミツオカ リムジン type2-04」の上位機種に位置づけられる。リムジン type2-04はトヨタ「カローラフィールダー」ベースだが、リムジン Type 4は日産「ティアナ」ベースとなる。

 霊安室にクロームメッキやステンレス素材を積極的に採用するとともに、お棺の出し入れをよりスムーズにした。

 5380×1795×1740mm(全長×全幅×全高)のボディーサイズを持つ2名乗車仕様と、6480×1795×1740mm(同)5名乗車仕様をラインアップし、エンジンはV型6気筒DOHC 2.5リッターと、V型6気筒DOHC 3.5リッターを設定。いずれもトランスミッションはCVTを組み合わせる。

 駆動方式は2WD(FF)と4WDともに用意され、価格は2WD車のV型6気筒DOHC 2.5リッター搭載車が807万4500円(2名乗車仕様)、1016万4000円(5名乗車仕様)。

ミツオカ リムジン Type 4は2名乗車仕様と5名乗車仕様を用意し、写真は2名乗車仕様。霊安室はクロームメッキやステンレス素材を採用し、「格調高い、心のこもった最高のお見送りができる」仕様とした

光岡自動車 特販課 北川茂久課長

 商品概要を説明した光岡自動車 特販課 北川茂久課長によると、霊柩車のマーケットは「年間400台程度」としているが、同社では2008年の納車台数が41台、2009年が60台、2010年が71台と、年10%ずつ増えており、2011年度は年間100台の受注を目指すと言う。

 霊柩車という車両の性質上、地域や宗教上の関係からボディーカラー、内装の装飾・生地などはさまざまな要望があると言い、そうしたことからリムジン Type 4は受注生産での対応となる。発注を受けてから納車までに必要な期間は、約5カ月ほどだと言う。

 ボディーカラーに関しては、ブラックメタリックがベースカラーとなるが、ホワイト、シルバーなどを選択できるほか、ルーフに貼られるレザーについても、ユーザーのニーズに応えるべくさまざまなカラーが用意される。同社が本拠を構える富山県では、赤色の霊柩車を納車したこともあると言う。

 リムジン Type 4は特販課 東日本エリア(東京都江戸川区南葛西4-6-5)、特販課 中日本エリア(富山県富山市婦中町横野100)、特販課 西日本エリア(大阪府堺市北区北花田町3-32-8)で取り扱われる。

光岡自動車 取締役副社長 河村賢整氏

 光岡自動車 取締役副社長 河村賢整氏は、「弊社は20数年間にわたってオリジナルカーを取り扱ってきたが、そのなかでも“おくりぐるま”はニッチなラインアップの1つ」と述べる。

 リムジン車を製作するメーカーが減少しつつあるという理由があるものの、近年では同社がリムジン市場をリードしていると言い、とくにアジア市場ではセダンベースのリムジン車のニーズが高まっており、同市場での「収益増加も期待できる」と河村氏は述べる。

 同社は今回発売したリムジン Type 4のほか、クライスラー「300C」/キャデラック「DTS」ベースの霊柩車や搬送車、湯灌車といった葬祭用の車両、送迎用車両の「ガリュー リムジン S-50」、婚礼用車両の「ガリュー コンバーチブル」など、多数の特装車両を展開しており、今回のリムジン Type 4の投入によってさらなる市場拡大を目指す。

 なお、発表会会場にはガリュー リムジン S-50とガリュー コンバーチブルの中古車も展示され、リムジン車の魅力を伝えていた。

ガリュー リムジン S-50

旅館、ホテルなどでの送迎用に想定される「ガリュー リムジン S-50」

ガリュー コンバーチブル

フォード「マスタング」をベースにしたコンバーチブルリムジン「ガリュー コンバーチブル」。全長は4870mmで、4名乗車が可能

(編集部:小林 隆)
2011年 2月 21日