ブリヂストン、初の市販用ランフラットタイヤ「POTENZA S001 RFT」
「熱をコントロールする技術」でS001と同等の性能・乗り心地を実現

市販用ランフラットタイヤ「POTENZA S001 RFT」

2011年7月1日発売
3万6540円~7万3290円



 ブリヂストンは、市販用ランフラットタイヤ「POTENZA S001 RFT(ポテンザ エスゼロゼロワン アールエフティー)」を、7月1日に発売する。195/55 RF16から245/40 RF18の全4サイズを設定し、価格は3万6540円~7万3290円。

タイヤサイズ価格ラベリング制度
転がり抵抗性能ウェットグリップ性能
195/55 RF16 87V3万6540円Cb
205/55 RF16 91V3万7170円Cb
225/45 RF17 91W5万2920円Cb
245/40 RF18 93W7万3290円Bb

 S001 RFTは、夏タイヤとして同社初の市販用ランフラットタイヤ。

 同社のランフラットタイヤはタイヤサイド部に補強ゴムを使用したサイド補強型を採用してきたが、タイヤサイド部が厚く硬いことから、1987年の量産開始当初は乗り心地がノーマルタイヤに比べ硬くなる傾向にあったと言う。

 2005年以降は、サイド補強ゴムに改良を加えて乗り心地を改善したものの、ランフラット耐久性能(空気圧が失われた後での耐久性)を維持・向上しつつ、乗り心地を改善するには発熱をどう対処するかが大きな課題だったとしており、2009年にはさらに乗り心地を改善する技術として「熱をコントロールする技術」の開発・実用化に成功。S001 RFTには新たに2つの技術が用いられた。

 その1つは新サイド補強ゴムで、タイヤに負荷がかかった際にカーボン同士の擦れによる発熱を抑え、エネルギーロスを低減させる「ナノプロ・テック」と呼ばれる技術を採用した。これにより、ランフラット走行(空気圧が失われた状態での走行)時のタイヤサイド部のたわみによる発熱を、従来のランフラットタイヤで使用されるサイド補強ゴムに比べ約半減させることができたと言う。

 もう1つはクーリングフィンと呼ばれる技術で、タイヤサイド部の表面に設けたタイヤ径方向に延びる突起により、空気の乱流を促進してタイヤを冷却させると言う。このクーリングフィンのデザインは、サイズによって異なる。

 新サイド補強ゴムとクーリングフィンの採用により、ノーマルタイヤの「POTENZA S001」と遜色のない乗り心地を実現するとともに、ドライ・ウェット路面でのパフォーマンスも同様に発揮するとしている。

 なお、ノーマルタイヤ装着車にS001 RFTを装着する場合は、タイヤ空気圧モニタリングシステム「TPMS B-01」と、同社が推奨する市販用アルミホイールを装着できる車両に限定される。新車装着用のスチールホイールへの装着は不可としている。

2010年に発売した「POTENZA S001」と同様、高次元のドライ・ウェットパフォーマンスを発揮するとしており、タイヤのIN側にストレート溝を配置し、排水性を確保。一方OUT側には大きなブロックを配置することでブロック剛性を確保し、ドライ性能の向上を追求したタイヤはクルマと路面の間で衝撃を吸収するバネとして機能しており、表の指数はそのバネの強さをあらわすもの。数値が小さいほど乗り心地がよい。POTENZA S001のバネ定数を100とすると、S001 RFTは106と若干数値は上がるものの、遜色ないレベルを示している
クーリングフィンのデザインはタイヤサイズによって異なるクーリングフィン採用タイヤと非採用タイヤでサイド部の表面温度を比較したところ。クーリングフィン採用タイヤのほうが温度が低いことが伺える
IN側でウェット性能を、OUT側でドライ性能を追求したサイド補強型ランフラットタイヤの構造

(編集部:小林 隆)
2011年 6月 17日