独フォルクスワーゲン、6台の「up!」バリエーションコンセプト
クロスオーバーやハイパワーのGTなど

2011年9月13日(現地時間)



生産型up!

 独フォルクスワーゲンは13日(現地時間)、都市向けコンパクト「up!」のバリエーション・コンセプトモデルを発表した。


buggy up!
 「バギー」は砂地を走るために軽量に作られた車両だが、同社ではその発祥を、1960年代のカリフォルニアで、フォルクスワーゲン ビートルのエンジンとシャシーから作られたものとしている。

 その歴史に則り、up!のアンダーボディーとサスペンション、パワートレインなどを使ってバギーに仕立て上げた。ボディーのアウターパネルは新設計で、ドアとルーフはないが、フロントウインドーとロールバーの間にセイルを張ることができる。インテリアは防水仕様になっており、室内に水がたまらないように水抜きが設けられる。

 ボディーサイズは3584×1672×1288mm(幅×奥行き×高さ)、通常のup!よりも44mm長く、31mm広く、190mm低く、地上高も20mm下げられている。ホイールは18インチでタイヤは205/40。ドライバーのヒップポイントは58mm低くなり、これにともなったステアリングホイールの傾斜角が4度寝かされている。

up! azzura セーリングチーム
 ジョルジェット・ジウジアーロとワルター・デ・シルヴァがデザインした、マリーナ用のモデル。azzuraはコスタスメラルダの有名なヨットクラブに由来する。

 こちらもドアとルーフがないオープン仕様。インテリアは防水仕様で、ヨットをイメージしたデザインになっている。

cross up!
 4ドアのクロスオーバーモデル。4ドア化によりCピラーとリアサイドウインドウのデザインが見直され、オーバーフェンダーやサイドプロテクションストリップ、サイドスカート、ルーフレール、アンダーボディープロテクションなどを備える。

 最低地上高は15mm高められ、16インチホイールと185タイヤを履く。インテリアには専用シートとサイドシルガードを備える。

GT up!
 出力100PS程度のエンジンを搭載すると想定したスポーツモデル。大型のエアインテークを設けたバンパーやLEDのデイタイムランニングライト、サイドシル、17インチホイールと195タイヤ、リアスポイラー、クローム仕上げのテールパイプとデュアルフロー エキゾーストシステムを備える。

eco up!
 天然ガスを燃料とするup!。正式な生産モデルになることが決まっている。エンジンは直列3気筒1リッターで、最高出力は50kW/68PS。ガスタンクは床下に配置され、非常用の10リッターのガソリンタンクも備える。

 外観では、エコフューエルであることを表すブルーのテールウインカーを備える。

e-up!
 2013年に発売が予定されているEV仕様のup!。外観ではアーチ状のLEDランニングライトを備え、フロントの冷却エアスリットがクロームで塞がれている。モーターは最高出力60kW(連続出力40kW)、最大トルク210Nm、最高速度は135km/h、バッテリー容量は18kWhで、航続距離は130km。駆動モーターと補機類はフロントに積み、バッテリーは床下に搭載する。

(編集部:田中真一郎)
2011年 9月 14日