J.D.パワー、市販ナビの顧客満足度は、サイバーナビとエアーナビが1位
「2011年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査」より

2011年10月25日発表



 J.D.パワー アジア・パシフィックは10月25日、「2011年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査」(市販据え置き型ナビ/PNDセグメント)の結果を発表した。

 この調査は、市販ブランドのナビゲーションシステム(以下、市販ナビ)に関する顧客満足度を測定するもの。今年が5回目となり、2009年4月から2011年3月に市販ナビを購入した利用者を対象に、2011年7月にインターネット調査を実施。据え置き型ナビは2332人、PND(Portable Navigation Device)は1776人から回答を得ている。

 総合的な満足度は、複数の要因の影響度を加味して算出しており、据え置き型ナビの総合満足度に関する割合は、「サービスサポート」(10%)、「ドライビングサポート」(39%)、「カーライフサポート」(37%)、「コスト」の4つのファクターで、PNDは「サービスサポート」(7%)、「ドライビングサポート」(45%)、「カーライフサポート」(21%)、「コスト」(27%)。PNDではコストが満足度に与える影響を高くしている。これら構成要因の割合は、2010年の調査とは異なるものになっている。それぞれのサポートの内容は以下のとおり。

サービスサポート:ナビのカタログやメーカーホームページ、または購入店舗から得られる各種情報の評価
ドライビングサポート:目的地検索やルート案内、地図情報などナビゲーションシステムの基本機能の評価
カーライフサポート:音楽・映像再生機能、盗難や車両故障に対するサポート、PC や携帯電話との連携機能の評価

総合満足度スコアを構成するファクター、据え置き型(左)、PND(右)。出典:J.D. パワーアジア・パシフィック2011年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査

 この結果、据え置き型ナビの顧客満足度ランキングでは、対象となった8ブランド中、パイオニア サイバーナビが609ポイントで1位、2位はアルパイン X07/X08 シリーズ(606ポイント)、3位はパナソニック ストラーダ Fクラス(603ポイント)となった。

 PNDの顧客満足度ランキングでは、対象となった5ブランド中、パイオニア エアーナビが561ポイントで1位、2位は同ポイントで、パナソニック ストラーダポケットとサンヨー ゴリラ(557ポイント)。

据え置き型ナビの顧客満足度ランキング(左)、PNDの顧客満足度ランキング(右)。出典:J.D. パワーアジア・パシフィック2011年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査

 そのほか関連項目についても調査しており、新車購入者における市販ナビの装着率は27%で、調査開始当初の2007年の24%と同水準に留まっているとしているが、PND、据え置き型メモリーナビの登場で消費者の選択肢は広がっており、購入チャネルや購入重視点など消費者の購買行動には変化が生じていると言う。

 購入チャネルでは、車への取り付けが容易なPNDでは通販(インターネット含む)が約5割、据え置き型ナビでは約2割。直近3年間の変化でみると、据え置き型ナビの通販購入の割合は2009年の17%から、2010年20%、2011年22%と増加しており、据え置き型であっても比較的安価な通販で購入し、取り付けは別途行う消費者が多くなっている様子がうかがえると言う。

 市販ナビの継続層(次回も市販ナビを利用したいとするユーザー)が流出層に比べ、どのような点を重視してナビを選定しているのかに関しては、コスト以外にAV/エンターテイメント、モニター/インターフェイス、地図情報/データ更新を志向している傾向にあることが明らかとなったとする。具体的には、「音楽や映像を楽しむためのAV機能」「外部周辺機器との接続」「モニターの見やすさ」「最新地図データの提供頻度」「最新地図データの更新方法」などを選定理由に挙げる割合が、流出層に比べ高い傾向にある。差別化のポイントとして、このような付加価値機能を強化し消費者に継続的に提案することが、市販ナビ市場全体が単なるコスト競争に陥らないためには重要であるとしている。

 市販ナビユーザーのうち、スマートフォンの内蔵GPS機能を用いたナビアプリケーション(以下、スマートフォンナビ)を利用している割合は、2010年の6%に対し2011年は12%と倍増。スマートフォンナビユーザーに対して、利用環境に関する詳細な実態を聴取しており、PNDユーザーは据え置き型ユーザーに比べスマートフォンナビを車内でも利用し、状況に応じて車載ナビと使い分けている傾向が強いことが分かったとする。また、車内でのスマートフォンナビユーザーのうち、次回にスマートフォンナビの購入を検討しているのは、据え置き型ユーザー13%に対しPNDユーザーは28%。PNDは、他タイプのナビに比べ車内でのナビの役割や利用状況がスマートフォンと似ているため、スマートフォンナビに乗り換えられる可能性が高まると言う。

(編集部:谷川 潔)
2011年 10月 25日