無限、STI、TRD合同のサーキット走行会「ワークスチューニング・サーキットデイ」開催
ワークス3社が合同で開催する初のサーキットイベント

ホンダ車、スバル車、トヨタ車(またはレクサス車)が参加したワークスチューニング・サーキットデイ

2011年10月22日開催



 無限(M-TEC)、STI(スバルテクニカインターナショナル)、TRD(トヨタテクノクラフト)からなるワークスチューニンググループは10月22日、サーキットイベント「ワークスチューニング・サーキットデイ」を茨城県の筑波サーキット・コース1000で開催した。

ワークス3社が合同で開催
 ワークス3社が合同で開催する、初のサーキットイベント。ホンダ車、スバル車、トヨタ車(またはレクサス車)のナンバー付き車両であれば、誰でも参加できる(違法改造車は不可)。

 当日は過去の走行タイムやサーキット走行経験、車種、装着タイヤなどによって「チャレンジクラス」「ベーシッククラス」「エンジョイクラス」に分かれ、タイムアタックを行った。クラスによって走行枠が異なり、チャレンジクラスは15分×3本、ベーシッククラスは15分×2本、エンジョイクラスは15分×1本の枠が用意された。この日はほぼ1日雨が降るという悪天候にも関わらず、約100台の車両が参加した。

 各ワークスが後援するとあって、コース1000では3社のブースが軒を連ねた。各ブースでは各種製品の展示・販売が行われたほか、無限はCR-ZやS2000のデモカー、TRDはIS FやオーリスのデモカーとNetz Cupの参戦車両(ヴィッツ)、STIは今年のニュルブルクリンク24時間レースに参戦したレーシングカー「WRX STI ts」や市販版「インプレッサ WRX STI ts」「レガシィ B4 tS」などが展示された。

無限ブースではCR-ZやS2000のデモカー、各種製品が展示されていた
STIブースはレーシングカー「WRX STI ts」、市販版「インプレッサ WRX STI ts」「レガシィ B4 tS」を展示
TRDブースはIS Fのデモカー「IS F CCS-P」や、スーパーチャージャー搭載の「AURIS GT CONCEPT」などを展示

 また、この日は各ワークスを代表してプロドライバーの山本尚貴選手と立川祐路選手に加え、ニュル24時間レースのSTIチーム監督として参加した辰己英治氏も参加し、デモランや同乗走行を行った。

 イベントの冒頭には、各ワークスを代表してトヨタテクノクラフト営業部・企画総括室 梨木祐司氏、STI 渉外部 津田耕也氏、無限 商品事業部 営業課 長江正敏氏とともに、山本選手、立川選手、辰己氏が挨拶を行った。

 山本選手、立川選手は「サーキットを走らせる楽しみを見い出して欲しい」「(クルマの走らせ方について)何か分からないことがあればドンドン聞いて下さい」と、今回のイベントでドライビングスキルを高めて欲しいと語っていたが、辰己氏は「本来であればSTIのドライバーを呼ばなければならなかったが、みんなスーパー耐久に行ってしまいおじさんしか残らなかった」「今日呼ばれたけれど(コース1000を)走ったことがないので、あまり質問しないで」と述べ、会場の笑いを誘っていた。

トヨタテクノクラフト営業部・企画総括室 梨木祐司氏は「あいにくの天気だが、少しずつ慣熟走行をしながら最終セッションでは腕が上がったなと感じていただけるように、イベントを盛り上げていきたい」と語ったSTI 渉外部 津田耕也氏は「(各ワークスは)レースの世界では戦うが、ワークスチューニング・サーキットデイを通じてクルマを楽しく走らせるとか、持つ喜びを皆さんと共有して楽しんでもらいたかった」と、イベント立案の背景を説明無限 商品事業部 営業課 長江正敏氏は「今回のイベントはサーキットを初めて走る人を対象に開催し、今日は山本選手をゲストとして呼んだ。普段レースではなかなか話しかける機会がないと思うので、どんどん話しかけて欲しい」と述べていた
立川祐路選手山本尚貴選手辰己英治氏
ニュルブルクリンク24時間レースに参戦したレーシングカー「WRX STI ts」でデモ走行を行った辰己英治氏。雨にも関わらず、スリックタイヤで走行。「全然グリップしないよ~」とは本人談市販版「インプレッサ WRX STI ts」で同乗走行を実施
無限はS2000やシビック タイプRで同乗走行を行った。ドライバーは山本尚貴選手TRDはIS F CCS-Pで同乗走行。ドライバーは立川祐路選手
当日はスバル製エンジンを搭載したスポーツカートを使った「カート体験走行」を実施する予定だったが、雨のため中止。その代わりデモ走行が行われていた

 当日はクラスごとにホンダ、スバル、トヨタ車が混走。クルマやドライビングスキルの近い者同士が同じ枠で走行するため、例えばヴィッツとフィット、MR-2(およびMR-S)とS2000、インテグラ タイプRとインプレッサなどが熱いバトルを展開していた。

 その傍ら、ノーマルに近いクルマも多数参加していた。一般的な走行会にノーマルで参加するのは少々気が引けるかもしれないが、ワークスチューニング・サーキットデイでは気軽に参加できていたようだ。実際、今回の参加者は各ワークスが展開する走行会の常連よりも、初めてサーキット走行に参加する人が多かったそうで、体験走行のエンジョイクラスから参加枠が埋まっていったと言う。サーキットを走ることの敷居を下げたり、クルマを持つ楽しみを提供するという意味で、このワークスチューニング・サーキットデイは実に意義深いイベントなのではないかと感じた。

無限は、サーキットをより身近に感じてもらう取り組みとして来年にスポーツドライビング・スクール「Honda Sports&Eco Program」を開催する

無限はCR-Zをレンタル車両とするスポーツドライビング・スクールを開催
 そのほか、サーキットをより身近に感じてもらう取り組みとして、無限ブースでは「Honda Sports&Eco Program」を来年から展開することを紹介していた。

 同イベントは、ヘルメット、レーシングスーツといったサーキット走行に必要な装備に加え、サーキットを走行する車両もレンタルするというスポーツドライビング・スクール。

 レンタル車両はエンジン、IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)システムは無改造ながら、ロールケージ、フルバケ、4点式シートベルト、専用サスペンション&ブレーキパッド&エキゾーストシステムなどを装備したCR-Z。このCR-Zで、IMAシステムの性能を引き出しつつ、「操る・磨く・競う」楽しさを気軽に体感してもらうことに主眼を置いたイベントとなる。

 このスクールは3ステップに分類されており、30分の体験スクールなど気軽にスポーツドライビングを楽しめる体験枠、インストラクターやレーシングドライバーのレクチャーによりドライビングテクニックを習得する少人数制スクール、単に速さを競うだけでなく燃費も意識したレースが用意される。

 レースは「CR-Z Ecoチャレンジ」「CR-Z 10リッターチャレンジ」の2つが用意され、前者はあらかじめ定められた基準タイム内でいかに燃費よく走れるかを競う。また、後者は10リッターのガソリンでレースを行うというもので、燃費をマネージメントしながらスピードも競い合う。

 詳細については、年末から2012年頭に無限のWebサイトで発表される。クルマはないがサーキット走行に興味があるという方は、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。

ワークスチューニング・サーキットデイ参加車両

(編集部:小林 隆)
2011年 10月 26日