メルセデス・ベンツ日本、2012年に新型「Bクラス」「CLSシューティングブレーク」など投入
2ケタ%増を期待。スマートEVの試乗も

スマート エレクトリック・ドライブ(右)とスマート フォーツー

2012年2月22日開催



 メルセデス・ベンツ日本は2月22日、東京 六本木のメルセデス・ベンツ コネクションで、記者会見を開催、2011年の総括と、2012年の事業について説明した。

上野副社長

新世代ディーゼルやCLSシューティングブレークを導入
 同社の上野金太郎副社長は2012年の同社の方向性についてまず「エキサイティングな製品攻勢」を挙げた。

 具体的には新型「SLクラス」を3月以降に導入。ボディーをほぼアルミとすることで、環境性能と走行性能を向上させた。

 続いて新型「Bクラス」を導入する。これはダイムラーの小型車戦略「NGCC」(ニュー・ジェネレーション・コンパクトカー)の第1弾となるもの。Bクラスに続いて5台ほどのNGCCが投入される予定としている。

 また3代目となる新型「Mクラス」が予定されている。こちらには、ガソリンエンジンと合わせ、新世代クリーンディーゼルエンジンを搭載する。ちなみに現行車両に占めるクリーンディーゼルの比率は、メルセデス・ベンツ全体の約5%で、Eクラス セダンの約15%、Eクラス ワゴンとMクラス ワゴンの約4割になると言う。同社は規制以前の日本市場でもディーゼルエンジンを積極的に導入してきた経緯があり、今後も継続してディーゼル攻勢をかけるとしている。

SLクラスBクラスMクラス

 続くのはEV(電気自動車)の「スマート エレクトリック・ドライブ」。輸入量産車初のEVとしての導入をめざす。補助金等と含めれば、「他の国産車に近い価格で提供できる」としている。

 2012年後半には「CLSクラス」のバリエーション「CLS シューティングブレーク」。4ドアクーペであるCLSのリアを作り替え、5ドアのスタイリッシュなワゴンとした。同社はCLS シューティングブレークもクーペと呼んでいる。

 さらにAMGモデルとして、「SLK 55」「ML 63」「SL 63」の導入を予定。AMGのドライビング・イベントも予定する。

 このほか2012年は、ディーラーの改装や移転、新CIの導入、ディーラーシステムの見直し、トレーニングの拡充といった販売の強化を図る。

 これらにより、2012年は前年比2ケタ%増の伸びを期待し、輸入プレミアムブランドNo.1を目標に掲げる。

スマート エレクトリック・ドライブCLSシューティングブレークAMGもSLK 55、ML 63、SL 63などを導入する
スマート エレクトリック・ドライブのミニ試乗会も開催された試乗車には欧州仕様の充電プラグが付いていたが、日本仕様は日本のプラグが付く。急速充電ポートはなく、200Vの普通充電のみ
室内はガソリンエンジンのスマート フォーツーとほぼ同じで、始動もシフトレバー後ろのイグニッションキーを捻る。ダッシュボード上のメーターは左が電池残量、右が電力消費量と回生発電量を表す
モーターは後車軸に搭載しており、エンジンベイの上からはほとんど見えない

 

スピークス社長兼CEO

メルセデス・ベンツ コネクション2も
 同社のニコラス・スピークス社長兼CEOは、2011年の総括を担当した。2011年の日本での販売台数はメルセデス・ベンツが3万3207台、スマートが1214台で、それぞれ前年比7.4%増、10.3%増と好調だったことを報告した。

 アフターサービスも強化され、トレーニング延べ日数は前年比21%増となり、大阪にもトレーニングセンターを開設した。パーツの売上が前年比4.5%増だった一方で、保証修理件数が9.3%減だったことを、品質改善の裏付けとした。

 また、新車販売の約40%がメルセデス・ベンツ・ファイナンスを利用し、その3分の2が残価設定タイプのローンだった。

 2011年はファッション・ウィーク東京への協賛、メルセデス・ベンツ コネクションの開設といったマーケティング活動も行ったが、とくに新規顧客獲得を目的としたメルセデス・ベンツ コネクションは、総来場者数約40万人のうち女性が44%、40歳以下が60%、メルセデス・ベンツ以外の所有者が48%を占めるという、狙い通りの成果を挙げていると言う。

 メルセデス・ベンツ コネクションは2012年12月までの期間限定のため、メルセデス・ベンツ コネクション2の構想も出ていると言う。また、今年もファッション・ウィーク東京に協賛し、これに合わせて新型SLクラスを導入する。

日本での販売台数全世界の販売台数も好調メルセデス・ベンツ コネクションは目論見通りの成果
22日から3月4日まで、メルセデス・ベンツ コネクションは「文化庁メディア芸術祭」のサテライト会場となり、出展作品が場内で上映されている。また、同祭のアニメーション部門で大賞を受賞した「魔法少女まどか☆マギカ」のスマート エレクトリック・ドライブ ラッピングカーが展示される。ラッピングカーは写真の「魔法少女バージョン」のほか、「魔女バージョン」も用意され、試乗することもできる
メルセデス・ベンツ コネクションに展示されていたデジーノ仕様のGクラスは、実は日本未導入のディーゼル仕様。リアに回ってみると「ブルーテック」の文字がある。日本に導入される予定は今のところなく、あくまで参考展示

(編集部:田中真一郎)
2012年 2月 23日