日産のレースマシンが日産スタジアムを疾走! リーフ NISMO RCと06 MOTUL AUTECH Zがサポーターに走りを披露 |
11月17日、日産自動車のレースマシン2台が、ある“特別な場所”で走行性能を披露した。
その場所とは、Jリーグ ディビジョン1 第32節・横浜F・マリノスvs柏レイソルの試合会場となった横浜の日産スタジアム。2万2674人(公式発表)が試合観戦に訪れたこのスタジアムを舞台に、「NISSAN LEAF NISMO RC」と「06 MOTUL AUTECH Z」の2台が、キックオフ1時間前というタイミングでデモ走行を実施した。
NISSAN LEAF NISMO RC | ||
06 MOTUL AUTECH Z |
「NISSANプレゼンツ NISSAN LEAF NISMO RC 横浜F・マリノス必勝祈願RUN」と名づけられたこのイベントは、横浜F・マリノスとNISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)がオフィシャルパートナーとして相互スポンサー契約を結んでいることで行われることになった試み。SUPER GTなどで走るNISMOの車両に描かれた、マリノスのチームエンブレムを見たことがある人もいるだろう。キックオフ前のスタジアム内でレーシングカーが走行するのは、日産スタジアムとしては初めての試みとなる。
まず場内に姿を現したのは、2006年のSUPER GTで活躍した06 MOTUL AUTECH Z。当初はフィールドに設置された400mトラックの外側を50km/hほどで走行する予定となっていたが、タイミングわるく折から降り続く雨の勢いが強まり、路面状態はヘビーウェットに悪化。Zは勇ましいエキゾースト音を響かせながらも盛大にリヤタイヤを空転させ、ゆるゆるとしか車速が上がらない残念な状態となっていた。
しかし、スタンドに座るサッカーファンの目には、ウェット路面とは言え駆動輪を空転させ続けて進むレースマシンは逆に迫力ある姿に映ったかもしれない。また、そんなシチュエーションながらマシン挙動を乱すこともなく、つつがなくデモ走行を終えたドライバーの佐々木大樹選手のコントロール技術は、さすが全日本F3選手権のF3Nクラスチャンピオンだと感心させられた。
水しぶきを上げながら、走り慣れたアスファルトではなく陸上競技用のトラックを疾走する06 MOTUL AUTECH Z | |
大雨の影響で、観客の多くが屋根のあるスタンド奥側に集まっていたのが残念 |
続いてNISSAN LEAF NISMO RCの出番だが、こちらは登場前にスタンドの両サイドに設置された大型ビジョンを使い、NISSAN LEAF NISMO RCがどのようなマシンなのかを紹介。この中で、スタジアムDJから「NISSAN LEAF NISMO RCはレースマシンながら静かな走りが大きな特徴! みなさん、耳を澄ましてデモ走行を楽しんでください」とアナウンスされながら、日産スタジアムのマラソンゲートから軽やかに入場した。
約1周のデモ走行では、アナウンスどおりの静かな走りを披露し、強い雨音で走行音すらほぼ聞こえない新鮮な走行性能を観客にアピールした。
NISSAN LEAF NISMO RCの構造やサーキットでのテスト風景の動画を大型ビジョンで解説 | 06 MOTUL AUTECH Zとは対照的に、登場したことを見落としてしまいそうなほど静かに姿を現したNISSAN LEAF NISMO RC | ほとんど無音なので、すぐ近くをレースマシンが走っていると気がついていない観客も少なくなさそうだ |
06 MOTUL AUTECH Zと同様に、水しぶきを上げながら直線コースを駆けぬけるNISSAN LEAF NISMO RC | |
応援に来場した横浜F・マリノスサポーターが青く染めるスタンド前を通過 |
イベント終盤には、デモ走行を終えたNISSAN LEAF NISMO RCの助手席から、横浜F・マリノスのアンバサダーである波戸康広氏が登場するサプライズ演出も用意され、NISSAN LEAF NISMO RCに乗った感想などをコメント。最後に、06 MOTUL AUTECH Zのドライブを担当した佐々木大樹選手と両チームの応援フラッグ交換を実施して、横浜F・マリノスとNISMO両チームのさらなる飛躍を応援するエールの交換が行われた。
【お詫びと訂正】記事初出時、日産のレースマシンが走行した試合を「Jリーグ ディビジョン1 第43節・横浜F・マリノスvsサガン鳥栖」と記載しましたが、正しくは「Jリーグ ディビジョン1 第32節・横浜F・マリノスvs柏レイソル」戦でした。お詫びして訂正します。
(佐久間 秀)
2012年 11月 19日