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NEXCO東日本、8トンネルの天井板を年内に撤去

関越、東京湾アクア、菅生トンネルは構造上撤去不可

NEXCO東日本1月定例会見。NEXCO東日本代表取締役社長 廣瀨博氏(中)、管理事業本部長 長尾哲氏(左)、事業開発本部長 鹿島幹男氏(右)
2013年1月24日開催

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は1月24日、1月の定例会見を開催した。定例会見の冒頭、同社代表取締役社長 廣瀨博氏は2012年12月に発生したトンネル天井板崩落事故で亡くなられ方に対する追悼の言葉を述べた。その後、12月の営業状況、高速道路の交通死亡事故件数、同社の管理するトンネルについて関連発表が行われた。

 12月の通行台数、料金収入の速報値は、通行台数が1日平均263万8000台(対前年比7.9%減)、料金収入が513億4400万円(20.3%増)。通行台数が減りながら料金収入が対前年比で増えているのはここ数カ月と同様の傾向で、昨年は東北の高速道路の無料化処置があったためだ。

 SA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)の売上高は104億3700万円(対前年比4.9%減)となり、通行台数の減少に伴い前年比でマイナスとなった。

増加した高速道路の死亡事故

 2012年のNEXCO東日本管内における高速道路の交通死亡事故件数についても速報値を発表。速報値によると死亡事故件数は52件(1件減)、死者数は70人(11人増)となった。とくに70人という数字は、ここ5年間のなかでも最悪の数字となっており、人と車の事故、停止車両への追突、シートベルトをしていなかったための車外放出などで死亡事故が発生している。

 関越自動車道のバス事故で亡くなった人も含まれているが、それに加え事故や故障の際に高速道路上を歩き回り、その結果、車に撥ねられる、轢かれるなどの事故が発生している。2013年1月もすでに4件の死亡事故が発生。1件は高速道路での人と車の事故、1件は自転車と車の事故、1件は原付バイクと車の事故と、本来は高速道路内に存在しないものとの事故が発生している。これに関しては、料金所などでのチェックを強めていくほか、故障や事故などで停止した際の安全措置を呼びかけていく。

天井板を撤去可能なトンネルに関しては、2013年中に工事完了

 NEXCO東日本管内には、天井板を持つトンネルが11トンネル、14チューブ存在する。

路線名トンネル名上下別
関越自動車道関越トンネル上り
下り
北陸自動車道能生トンネル下り
高の峰トンネル下り
子不知トンネル上り
市振トンネル下り
アクアライン東京湾トンネル上り
下り
長野自動車道立峠トンネル下り
上信越自動車道五里ヶ峯トンネル上り
八風山トンネル下り
太郎山トンネル上り
圏央道菅生トンネル上り
下り

 これらのトンネルはいずれも緊急点検を済ませており、問題ないことが国土交通省へ報告されている。しかしながら、これらのトンネルのうち、関越トンネル(上り、下り)、東京湾トンネル(上り、下り)、菅生トンネル(上り、下り)の3トンネル、6チューブ以外は、天井板を撤去する工事を行う。工期に関してはそのほかの作業の都合などもあるものの、NEXCO東日本の場合雪が降ると工事に支障が出るため、年内に終わらせたいと言う。関越・東京湾・菅生は構造上撤去ができないこともあり、天井板の撤去作業は行わない。

(編集部:谷川 潔)