ニュース

ホンダ、ガスパワー耕耘機「サ・ラ・ダCG FFV300」

従来比約5倍の面積をカセットガス 1本で

ガスパワー耕耘機「サ・ラ・ダCG FFV300」
2013年3月上旬発売

19万9500円

 本田技研工業は2月13日、家庭用カセットガスを使用可能な耕耘機の最新モデル「サ・ラ・ダCG FFV300」を発表した。3月上旬発売予定で、価格は19万9500円。

 「サ・ラ・ダCG FFV300」は、2009年に発売されたガスパワー耕耘機「ピアンタ FV200」の上位モデル。ピアンタ FV200よりも大型の耕耘機の要望が強かったため、ガソリンエンジンモデルである「サ・ラ・ダ FFV300」をベースに開発し、燃料をカセットガスとしたものだ。燃料をガソリンではなく市販の家庭用カセットガスとしたことで、取り扱いを容易にした。

 燃料以外の仕様は「サ・ラ・ダ FFV300」と同等で、耕耘爪が前方にあるフロントロータリー式を採用。ホンダ独自の「フロント<同軸・同時>正逆転ロータリーシステム」を採用し、内側の爪を正転、外側の爪を反転させて回すことで土を巻き込む事が無く効率よく作業ができると言う。

 ピアンタ FV200は小型で取り回しのしやすいモデルであったが、コンパクトである半面、耕耘爪が前進と耕耘の両方の役割を担っていたため、作業効率の向上には使用者の練度が必要だった。サ・ラ・ダCG FFV300は車輪と耕耘爪は独立して駆動し、車輪自体は自走するため耕耘の深さ、速度をほぼ一定に保つ事ができ、比較的簡単に安定した作業ができる。

 また、作業幅もピアンタ FV200の350mmに対して450mmと大型化している。このため、カセットガス1本あたりの耕耘面積はピアンタ FV200が最大30坪だったのに対して150坪と約5倍の面積を耕耘可能になったという。カセットガス1本あたりの作業時間は約50分。

 本体サイズは465×1465×1015mm(幅×奥行き×高さ)、重量は54kg(全装備重)。エンジンは空冷4ストローク単気筒(OHV)のGXV57。総排気量は57.3cc。

ガスパワー耕耘機「サ・ラ・ダCG FFV300」
カセットガス1本で約50分の作業が可能
東邦金属工業のカセットガスが純正品として指定されている
前輪の上下位置を調整することで耕耘時の深さを最大16cmまで調節可能
ホンダ独自のフロント<同軸・同時>正逆転ロータリーシステムを採用した耕耘爪
エンジンをスタートした後、奥にあるバーを手前に引くことで運転を開始する
エンジンを手元で停止するためのスイッチ
デフロックレバー。旋回時にはこれを操作して本体を旋回させる
アクセルレバー
白をベースとしたカラーリング
ギア操作パネル
レバーを折りたたんで収納状態としたところ。工具なしで操作が可能
NBOX+に収納するイメージ
ベースモデルとなったガソリンエンジンタイプの「サ・ラ・ダ FFV300」
2009年に発売された「ピアンタ FV200」
1959年にホンダが初めて発売した耕耘機「F150」
自ら耕耘機を操作して製品をアピールする志賀雄次本部長

 発表会では、本田技研工業 取締役執行役員 汎用パワープロダクツ事業本部長である志賀雄次氏が挨拶。志賀氏は「昨年はホンダ汎用製品の全世界販売台数は612万台の販売を記録し、リーマンショック以前の数字を回復できた。特に北米、アジア、インドなどの市場が急速に回復している。国内でも震災復興や防災事業での特需、農業分野の風評被害沈静化などの需要から、31万3000台を販売することができた」と語り、「今後は全世界で800万台の販売を目指す」とその意気込みを語った。

 今回の製品については「ピアンタ」、携帯型発電機「enepo」に続く新市場創出商品の第3弾として位置付け、誰でも簡単に耕耘作業を行なえる製品であるとした。また、最近では食の安全、健康志向などから家庭菜園が大型化しているほか、農業従事者からは高齢化により重くて、大きな機械は倦厭されているという。このため本製品は「家庭菜園愛好家、本格志向対応、菜園ライフ志向、ダウンサイジングなどのトレンドを先取りした製品」となっていると言う。

販売実績はリーマンショックから回復
農業人口減少と市民農園の増加

 最後に志賀氏は「ホンダだからできる人と環境に優しい製品の開発にチャレンジし、ライフステージのさまざまなシーンに役立つ喜びをお届けしたい」として会見を終えた。

(清宮信志)