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ブリヂストン、2回のリトレッドを追求したトラック・バス用タイヤ「M800」

摩耗ライフも向上し、経済性の向上と環境負荷低減を実現

トラック・バス用オールシーズンタイヤ「M800」
2013年9月1日より順次発売

オープンプライス

M800とブリヂストンタイヤジャパン 生産財マーケティング統括本部長 片岡誠氏

 ブリヂストンは、トラック・バス用オールシーズンタイヤ「M800(エムハチマルマル)」を9月1日より順次発売する。サイズは、225/80 R17.5~295/80 R22.5の16サイズで、価格はいずれもオープンプライス。

 7月11日、このM800に関する発表・説明会が都内で開催された。

 M800は、日本の多くのバスやトラックで使われているオールシーズンタイヤの新製品となり、ボリュームゾーンに向けたブリヂストンの主力製品となる。その最大の特徴は、タイヤケースの耐久性を上げ、リトレッド(タイヤ表面の張り替え作業)を、これまでの1回から、2回行うに十分な性能を有したこと。タイヤ単体での摩耗ライフも従来品「M890」に比べ10%向上している。

M800のトレッドパターン。ブロック内部の変形を抑えるトレッドパターン「Low Energy Pattern(ロー エナジー パタン)」を採用している
M800のロゴ
「Tire Solution」の文字も刻まれる。このタイヤを軸にソリューションビジネスを展開していく
ブロックの溝は深い
ブロックのサイドには「R」の文字が刻まれる。これはリトレッド用サインがある個所を示すマーク
ブロックとブロックの間に見える下駄の歯状の刻みがリトレッド用サイン。およそ残溝3mmになると表面に現れる

 ブリヂストンタイヤジャパン 生産財マーケティング統括本部長 片岡誠氏は、同社が顧客(バスやトラックの運用会社)に対して提案しているソリューションビジネス「エコバリューパック」について紹介。このエコバリューパックは、顧客のタイヤの使用状況などから、最適なメンテナンス(タイヤ交換やリトレッド、タイヤのローテーションなど)を提案。その効果検証も行っていくことで、タイヤのライフをマネジメントする。

 顧客から見ると、タイヤ交換時期や交換コストを抑えられることで、原価の低減になるのはもちろん、CO2排出量も削減できる。

ブリヂストンが提供しているエコバリューパック
リトレッドタイヤと組み合わせてソリューション提案を行っている
リトレッド回数が2回になることで、安全・環境・経済面でのメリットがあるという

 これまでのタイヤでは、1回のリトレッドとなっていたが、2回のリトレッドを可能とすることで、よりコストを抑えたタイヤマネジメントが可能になる。そのために、採り入れられたテクノロジーが、タイヤの内側に使われた新インナーライナー。この新インナーライナーでは偏平クレーを用いることで、空気を通りにくくし、タイヤケースの耐久性を向上させる。これまでのタイヤでもリトレッドに十分な強度は持っていたが、空気の侵入によるゴムの劣化により、1回のリトレッドとなっていた。偏平クレーを用いたインナーライナーでは、ゴムの劣化をより防げるとする。

M890の後継となるM800。数字が小さくなっているが、M800シリーズの原点に立ち返る意味が込められているとのこと
M800の開発コンセプト
偏平クレーを用いたインナーライナー
偏平クレー
トレッドパターンも摩耗ライフに配慮したもの
2回リトレッドを可能にすることで、経費削減、環境対応の面を進める

 ブリヂストンは、この2回リトレッドが可能なM800を、エコバリューパックとともに顧客に提案していくことで、タイヤのソリューションビジネスを推し進めていく。

タイヤサイズ発売日
タイヤサイズ発売日
225/80 R17.5 123/122L2013年9月発売
11 R22.5 14PR
11 R22.5 16PR
245/70 R19.5 136/134J
265/70 R19.5 140/138J
275/80 R22.5 151/148J
295/80 R22.5 153/150J
225/90 R17.5 127/125L2014年3月発売
265/60 R22.5 143/140J
215/70 R17.5 123/121J
235/70 R17.5 127/125J
255/70 R22.5 143/140J
11/70 R22.5 14PR
275/70 R22.5 148/145J
245/80 R17.5 133/131J
295/80 R22.5 153/150J

(編集部:谷川 潔)