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NEXCO西日本、新名神道路大津-城陽間着手式を開催
開通は2023年度を予定
(2013/12/26 14:27)
NEXCO西日本(西日本高速道路)は12月26日、新名神高速道路の大津-城陽間(京都府域)着手式を京都府城陽市で開催した。
新名神高速道路は名神高速道路の交通量を分散させ、混雑を解消することを目的に建設中の高速道路で、総延長は174km。愛知県名古屋市を起点として三重、滋賀、京都、大阪、兵庫を結ぶ路線となる。正式名称は「近畿自動車道 名古屋神戸線」。NEXCO西日本はこのうち甲賀土山IC(インターチェンジ)から神戸JCT(ジャンクション)間の約110kmを担当する。
新名神高速道路は1991年(平成3年)に整備計画が開始されたが、2006年(平成18年)の第2回国土開発幹線自動車道建設会議において構造・規格の見直しによる大幅なコスト削減などを要求され、第二京阪道路など主要周辺ネットワーク併用後の交通状況を見て改めて着工を判断するとして事業が凍結されていたもの。
しかし、第二京阪道路の開通後も渋滞は増加を続け、さらなる道路需要が見込まれていた。また、名神高速道路は1963年(昭和38年)の開通から50年以上経過して老朽化が進んでおり、特に10年以内に改修が必要な橋梁が3橋存在する。新名神高速道路はこれらを改修するにあたっての代替道路としての機能も期待されていることなどもあり、2012年(平成24年)4月に事業再開が決定されていた。
今回事業が再開されるのは大津JCT(仮称)~城陽JCT・IC(仮称)間を結ぶ総延長25.1kmの区間のうち、京都府綴喜郡宇治田原町禅定寺~京都府城陽市寺田金尾までを結ぶ12.9kmの道路。設計速度は100km/hで車線数は暫定4車線。完成時は6車線、設計速度120km/hの道路となる。
式典ではまず、西日本高速道路 代表取締役社長 石塚由成氏が挨拶し、「今回の事業再開は新名神道路にとってあらたな節目であり、用地買収に向けた大きな一歩となる。事業再開から1年8カ月という短期間でここまで来ることができたのは皆さんのご支援の賜。これからも1日も早い完成を目指して事業を進めたい」などと語り、無事故・無災害での事業完遂を誓った。
引き続き、来賓を代表して京都府知事の山田啓二氏が挨拶した。山田府知事は「新名神はまさに日本の国土軸。名神高速道路は老朽化が進み、大変危険な状態であり、新名神は新しい日本の国土軸として関西の力を発揮する重要な道路となる。しかし、政治に翻弄されて長期にわたり凍結され、リニアも東京-大阪間の敷設を優先され、どれだけ関西を軽視すれば気が済むのかという思いがあったが、今回の事業再開によってようやく風穴を開けることができた。特に京都には400haに及ぶ山砂利跡地が未使用のまま放置されておりこれを関西の起爆剤として開発に利用していきたい」などと語り挨拶を終えた。
その後、列席者らはそれぞれ木槌を持って道路用地の境界に幅杭を打つ杭打式を行った後に万歳三唱をして着手式は閉式となった。
今後は道路建設に向けて地権者からの立ち入り了解を得て道路用地の境界に幅杭を設置し、用地測量、物件調査などを実施。その後、地権者との用地交渉、用地取得などを行って事業を進めていく。大津JCT~城陽JCT・IC区間の開通は2023年度(平成35年度)を予定している。
【お詫びと訂正】記事初出時、滋賀県および、第二京阪の表記に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。