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NEXCO西日本、福岡と大分を高速道路で結ぶ東九州道 豊前IC~宇佐IC間を開通
3月21日の佐伯IC~蒲江IC間開通によって宮崎まで直結。全通は2016年春を目指す
(2015/3/2 18:04)
- 2015年3月1日15時開通
NEXCO西日本(西日本高速道路)は3月1日15時に、東九州自動車道 豊前IC(インターチェンジ)~宇佐IC間(延長21.1km)を開通した。新設されたICは中津ICのほか、上毛PA(パーキングエリア)に設置されたETC専用の上毛スマートICで、通行料金は豊前IC~宇佐ICで普通車720円。しかしながら、地元の協力などにより当初予定から2年前倒しで開通したため、料金を最大半額割り引く早期開通割引料金を設定。2015年8月31日まで前述の区間であれば360円割り引きの、360円となる。
開通に先立つ3月1日10時より開通式を実施。本記事では開通式の模様と、事前に取材した開通区間の概要をお届けする。
前述したとおり、東九州道 豊前IC~宇佐IC間は福岡県と大分県を九州の東側で接続する高速道路となる。そのため県境の山国川をまたぐ山国川橋付近の高速道路本線上でくす玉開披や挟み入れ式、通り初めが行われた。参加者は、NEXCO西日本や国土交通省関係者に加え、福岡県知事 小川洋氏、大分県知事 広瀬勝貞氏や同地域選出の国会議員、市長、各議員など。あいにくの雨の中、多くの関係者による開通式が開催された。
この開通式では、雨が強くなってきたためとくに挨拶などはなく、参加者の紹介のみ。雨が強すぎたせいか、くす玉開披と同時に地域の園児が飛ばすべき風船が飛ばないというハプニングがあり、参加者が笑顔につつまれる場面があった。
東九州道沿いには、トヨタ自動車九州 小倉工場、トヨタ自動車九州 苅田工場、日産自動車九州、ダイハツ九州 大分(中津)工場が立地し、日本でも有数の自動車生産地域となりつつある。とくにトヨタは九州を愛知・東北と並ぶ主力生産地域と位置づけているためか、通り初め式には燃料電池車「MIRAI(ミライ)」が参加するなど、東九州道の開通への期待が高いことがうかがえた。
関係者の挨拶や工事報告などは、通り初めの後、福岡県と大分県に分かれての開通祝賀式で実施。Car Watchでは、大分県側の開通祝賀式をお届けする。大分県の開通祝賀式は、東九州道開通の前日となる2月28日に開通した中津日田道路 伊藤田IC~中津IC開通祝賀式と併催。中津日田道路は、完成後は中津港と日田を結ぶ道路で、中津エリアから東九州道 中津ICへの接続道路ともなっている。
そのため挨拶は中津市長 新貝正勝氏から行い、以下、西日本高速道路 代表取締役社長 石塚由成氏、大分県知事 広瀬勝貞氏、衆議院議員 岩屋毅氏、参議院議員 磯崎陽輔氏と続いた。
各挨拶の中で強調されていたのは、地元住民の協力の下で2年前倒しで開通したこと。これには189万人の開通署名運動が大きな力になったという。また、3月21日に大分県と宮崎県を結ぶ東九州道 佐伯IC~蒲江IC間が開通するが、この開通により東九州道がほぼ完成する。残る区間は椎田南IC~豊前ICとなるが、この区間に関しても土地収用法の手続きが進められており、2016年春の全通を目指すという。
中津日田道路があることにより中津港と東九州道はスムーズに結ばれており、中津港を活用できる力ある企業の誘致を視野に入れている。広瀬知事は中津港の整備がダイハツ九州の誘致につながったとし、東九州道の開通は「大分県全体、九州全体を元気にしていく」ものであるとした。
開通後は、日本有数の温泉地である別府と直結されるなど、便利になる東九州のクルマ旅を楽しんでいただきたい。