3月1日15時に開通した、東九州自動車道 豊前IC(インターチェンジ)~宇佐IC間(延長21.1km)。開通日当日の開通式などは別記事で紹介したが、本記事では開通4日前に行われた報道陣向け事前見学会の模様をお届けする。
福岡と大分を高速道路で結ぶ東九州道 豊前IC~宇佐IC間を開通
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150302_690772.html
事前見学会は豊前ICをスタートし、各道路のポイントをNEXCO西日本(西日本高速道路)のスタッフが紹介していくというもの。開通前の豊前IC~上毛PA(パーキングエリア)間の8倍速動画も掲載したので、あわせて楽しんでいただきたい。
豊前IC
豊前IC。開通前の状態なので、各部で最終の工事やチェックを行っていた 豊前ICは今回の開通でもっとも北側となるインターチェンジ。豊前ICより北側は未開通区間となっており、椎田南IC~豊前ICまでが開通(2016年春予定)すると、起点となる福岡県の北九州JCT(ジャンクション)から鹿児島県までが高速道路でつながることになる。
料金所は、最近開通した高速道路でよく見かけるタイプで、入口側2レーン、出口側2レーンで構成されている。2レーンのうち、1レーンをETC専用レーンとしており、流入路にペイントを実施。ETCレーンであることが一目で分かるようになっている。但し、もう片方のレーンにもETC通信ユニットは設置されており、片側のレーンしか使えない場合に備えているとのこと。実際、すべてのレーンにETCアンテナは設置されていた。なお、このETCアンテナはETC 2.0にも対応しているとのことだ。
豊前ICを入ると見える方面別看板。右は北九州方面となり、しばらく開通はない。左は大分方面で、すべての車両はこちらへ向かう 料金所の上部構造物に取り付けられたETC通信ユニット 42KP付近
東九州道の42KP付近。大分まで72kmの表示を見て取れる 次に訪れたのは42KP(キロポスト)付近。ここにはICまでの距離表示があるため、撮影ポイントとなった。東九州道は北九州JCTが起点のため、北九州JCTから42kmの位置となる。
42KP付近の路面。特別ほかの場所と異なるわけではない 舗装は現在の高速道路では標準的な水はけのよい高機能舗装。クルマの通過音が静かになる効果もある センターラインに設けられた縁石は、反射板のあるタイプと、ないタイプがあった センターラインに縁石のない個所もある。縁石のない場所は、高速道路上での転回位置となっており、通行止めなどの際のUターンポイントとなる センターポールは、通常は緑色、トンネルなどは赤色とのこと 柔らかな素材のため、軽く力をかけるだけで曲がる。取り外すこともできる 非常電話。「下り42」と書いてあり、位置を特定できるようになっている。ガードレールも、クルマが引っかからないようになっていた ガードレールの反射板は、この位置に。かつての高速道路では、高い位置に反射板が設けられていたが、ロービームで走る人が多いため、実情にあわせて低い位置に反射板を設けてある 上毛PA
開通前のため、上毛PAでは最終段階の作業を行っているようだった 開通区間における唯一のPAとなるのが上毛PA。基本的にトイレ休憩用の施設だが、地元の協力などによりフル方向対応の上毛スマートICが併設されている。ETCでのみ利用できるスマートICだが、上り車線にも、下り車線にも入ることができ、便利に利用できるだろう。
その先にはETC料金所がある。スマートタイプなので一旦停止をすること 県境となる山国川橋
福岡県と大分県の県境に位置するのが、開通式でも使われた橋長170mの山国川橋。この山国川橋の中央に「福岡県 大分県」表示があり、県境の印になっているとのこと。道路の管理はNEXCO西日本が一括して行うのだが、事故の際はどちらの県警が担当するのか決める必要がある。そのため、このような表示で担当が分かるようになっている。
路面にも県境の印はある。白丸で囲まれた赤点が県境の証 中津IC
中津日田道路と接続するのが中津IC。ここではあまり時間を取ることができず、簡単に紹介をしておく。
高速道路本線上から中津日田道路を望む。こちらは2月28日に開通した 赤尾第三トンネル
今回の開通区間で最長のトンネルとなるのが、長さ970mの赤尾第三トンネル。そのほかのトンネルも含め、今回の開通区間のトンネルはすべてLED照明が用いられており、長寿命によるメンテナンスコストの引き下げを図っている。事前に説明されたとおり、トンネル内のポールの色は赤となっていたほか、降雨による汚れ落ちがないため、ヒラヒラ(NEXCOスタッフもヒラヒラと呼んでいた)を付けることで、通過風圧での簡易掃除機能を付加している。これは、反射板も同様で、掃除用の風車が付いていたほか、ロービームで反射しやすいよう低い位置に取り付けられているとのこと。
ヒラヒラのアップ。クルマの通過風でヒラヒラして、汚れを落とす トンネル側壁に付けられたキロポスト表示。トンネル天井版崩落事故以降、トンネル上部への設置は本当に必要なものだけになり、標識類は側壁に取り付けられることが多くなっている 宇佐ICで見学は終了。宇佐ICは供用中のICであるため、取材は不可となっていた