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ベントレー コンチネンタル GT3も参戦した「GT ASIA 第3~4戦」が岡山国際サーキットで開催

日本初登場のベントレーは澤圭太/アダレイ・フォン組が第4戦で優勝

2015年6月27日~28日開催

岡山国際サーキット

 6月27日~28日に、GT ASIAが岡山国際サーキットで開催された。1大会で2戦ずつ行われるGT ASIAの第1~2戦は5月に韓国で行われ、今回の岡山が第3~4戦となる。

 参加車両は現行のFIA-GT3車両によるGT3クラスと、2012年以前に製造されたFIA-GT3車両およびフェラーリ、アウディ、ポルシェなどのカップカーが参加できるGTMクラスで、レースは両クラスの混走で行われる。

 FIA-GT3車両といえば、日本ではSUPER GT GT300クラスやスーパー耐久のST-Xクラスを走るBMW Z4 GT3やメルセデス・ベンツ SLS AMG GT3などがお馴染みだが、GT ASIAでは日本では見る機会が少ないアストンマーティン ヴァンテージ V12 GT3やマクラーレン 650S GT3、そして日本のサーキット初登場のベントレー コンチネンタル GT3などが参戦していて、観ているだけでも新鮮だ。

写真左からマクラーレン 650S GT3、アストンマーティン ヴァンテージ V12 GT3、ベントレー コンチネンタル GT3。いずれも今シーズンの国内レースでは見られない欧州のGT3マシンだ
日本初登場のベントレー コンチネンタル GT3はベントレー・チーム・アブソリュートより3台がエントリー。第4戦で8号車の澤圭太/アダレイ・フォン組(写真最下段)が優勝を果たした

第3戦(6月27日開催)

 6月27日に行われた第3戦は、FFFレーシングのヴィタントニオ・リウッツィ/濱口弘組が駆るマクラーレン 650S GT3(55号車)が優勝。

 GTMクラスでは、韓国戦を欠場したため今季初参戦となったディランゴレーシングの青木拓磨/浦田健組が駆るランボルギーニ LP560 GT3(34号車)がクラス優勝を果たした。なお、ヴィタントニオ・リウッツィ選手は元F1ドライバー、青木拓磨選手は元GP500のグランプリライダーだ。

第3戦優勝はFFFレーシングのヴィタントニオ・リウッツィ/濱口弘組(55号車 マクラーレン 650S GT3)
第3戦GTMクラス優勝はディランゴレーシングの青木拓磨/浦田健組(34号車 ランボルギーニ LP560 GT3)

第4戦(6月28日開催)

 6月28日の第4戦は、ベントレー・チーム・アブソリュートがエントリーするベントレー コンチネンタル GT3(8号車)を駆る澤圭太/アダレイ・フォン組が優勝し、日本初登場に華を添えた。澤圭太選手は、昨シーズンにフェラーリ F458 GT3でフル参戦し、4度の優勝を成し遂げドライバーズランキング3位を獲得しているGT ASIAのトップドライバーだ。

 GTMクラスは、ガルフレーシングジャパンのポルシェ 991 GT3カップ(20号車)を駆る八代公博/牧野哲也組がクラス優勝している。

第4戦の優勝は、ベントレー・チーム・アブソリュートの澤圭太/アダレイ・フォン組(8号車 ベントレー コンチネンタル GT3)
第4戦GTMクラス優勝は、ガルフレーシングジャパンの八代公博/牧野哲也組(20号車 ポルシェ 991 GT3カップ)

 5月に韓国国際サーキットで開幕した2015年のGT ASIAは、今回の岡山国際サーキット、次戦の富士スピードウェイと日本で2大会を行った後にマレーシア、上海、そして昨年オープンしたタイのチャン国際サーキットで最終戦を行う(選手権ポイントはつかないが、タイ戦の後にマカオグランプリでのレースも開催される)。

 文字通りアジア地区の大会だが、ドライバーラインアップは今回マクラーレン 650S GT3で第3戦を制した元F1ドライバー ヴィタントニオ・リウッツィ選手をはじめ幅広い。フェラーリ F458 GT3(1号車)のジャンマリア・ブルーニ選手も元F1ドライバーであり、そのほかにも日本のSUPER GT(LEXUS TEAM KeePer TOM’S)やスーパーフォーミュラ(Lenovo TEAM IMPUL)に参戦中のアンドレア・カルダレッリ選手、かつてSUPER GTにも参戦していたリチャード・ライアン選手やカルロ・ヴァン・ダム選手など、日本のファンにも馴染み深い欧州出身のドライバーも参戦している。

 カルロ・ヴァン・ダム選手は、ニュルブルクリンク24時間レースにSUBARU WRX STIで参戦し続けており、今年のクラス優勝も記憶に新しい。また同レースでは、かつてのチームメイトであった佐々木孝太選手も今回の岡山に続き次戦での参戦が予定されている。

 このようにドライバーのレベルも高く、今シーズンの4戦で勝者がすでに4チームあることからも分かるように、アジアのトップドライバーはもとより欧州からも多くのドライバーが参戦。その戦いは熾烈で、勝ち続けるのがとても難しいレースとなっている。

青木拓磨選手のピットには関谷正徳TOM’S監督(写真左)、カルロ・ヴァン・ダム選手のグリッドにはブランパン耐久シリーズでの総合優勝など欧州での活躍も目覚ましい千代勝正選手(写真右)が激励にきていた。全日本F3選手権との併催ということもあり、ピットやグリッドは賑やかだ
今シーズンより全チームがミシュランのコントロールタイヤを使用する
車椅子のドライバー・青木拓磨選手はグイドシンプレックス(イタリア)の補助運転装置を使って参戦している
青いランボルギーニは佐々木孝太選手、黄色いフェラーリはカルロ・ヴァン・ダム選手。かつてニュルブルクリンク24時間レースをSUBARU WRX STIで戦った盟友だ
レースクィーンのファッションは落ちついたダークカラーが主流だ
気のせいか、国内レースとはどことなく雰囲気の違う各チームのレースクィーンたち

第3戦~第4戦の参戦マシンを全車紹介

GT3

フェラーリ F458 GT3(1号車)
マクラーレン 650S GT3(5号車)
ベントレー コンチネンタル GT3(7号車)
ベントレー コンチネンタル GT3(8号車)
マクラーレン 650S GT3(9号車)
フェラーリ F458 GT3(11号車)
フェラーリ F458 GT3(12号車)
ポルシェ 997 GT3R(22号車)
ランボルギーニ ガヤルドFL2 GT3(24号車)
フェラーリ F458 GT3(37号車)
マクラーレン 650S GT3(55号車)
ベントレー コンチネンタル GT3(77号車)
ランボルギーニ ガヤルド FL2 GT3(86号車)
アストンマーティン ヴァンテージ V12 GT3(88号車)
アストンマーティン ヴァンテージ V12 GT3(99号車)

GTM

ポルシェ 991 GT3カップ(20号車)
アウディ R8 LMSカップ(23号車)
ランボルギーニ LP560 GT3(34号車)

※車名はエントリーリストによるもの

 次戦は7月18日~19日に富士スピードウェイでスーパーフォーミュラー第3戦、全日本F3選手権との同時開催で行われる。

(高橋 学)