ホンダ、ヤマハ、BMW Motorradの3社が2輪車向けC-ITS用車載機の共同開発の検討を開始

写真左から、BMW Motorrad モーターサイクル研究開発本部長 カール・ビクター・シャラー氏、本田技研工業 執行役員 鈴木哲夫氏、ヤマハ発動機 副社長兼技術本部長 木村隆昭氏

　本田技研工業、ヤマハ発動機、BMW Motorradの3社は10月6日（現地時間）、仏ボルドーで開催中の「ITS世界会議」のなかで、2輪車の協調型高度道路交通システム（C-ITS）の強化、「Connected Motorcycle Consortium」と名付けられたコンソーシアムの創設を目指した協働を開始すると発表した。

　これまでにホンダとヤマハ発動機は「DRIVE C2X」という全欧ITSフィールドテストのプロジェクトに参画。BMW Motorradは自動車メーカーや大手供給業者と共同で、「simTD」（独フランクフルト都市圏で実施されたC-ITSの大規模なフィールドテスト）に参加するなど、欧州で複数回のフィールドテストを実施してC-ITS技術の分野で経験を積んでいる。これらのテストをつうじて明らかになった課題に対して、3社はC-ITSの諸方式を評価することなどにより、2輪車の安全性の検証を行っていく構えだ。

　また、3社ではC-ITS用車載機の共同開発の検討を開始し、新たに創設するコンソーシアムにほかの2輪車メーカーも参加するよう呼びかけを行っていく予定。

　以下にニュースリリースに掲載された関係者によるコメントを記す。

本田技研工業 執行役員 鈴木哲夫氏

「二輪車に特化した安全機能の開発を加速させるため、我々は同心協力し、モーターサイクルやスクーターでのC-ITSの実用化を目指します」

ヤマハ発動機 副社長兼技術本部長 木村隆昭氏

「我々は、すでにCar 2 Car Communication Consortiumのメンバーとして、自動車メーカー、トラックメーカー、その他関係者などと積極的に協力し、共通仕様や基準作りに取り組んできました。しかし、二輪車だけに固有の要件については、同コンソーシアムの範疇でないことが判明しました。当然のごとく次にやるべきことは、二輪車にかかわる課題だけを専門に扱う協働関係を結ぶことです」

BMW Motorrad モーターサイクル研究開発本部長 カール・ビクター・シャラー氏、

「我々の目標は、二輪車への安全システムの応用を広く、タイムリーに推進していくことにあります。従って、参加企業が今後、増えることを期待します」

欧州二輪車製造者協会（ACEM）事務局長 アントニオ・ペルロット氏

「この推進事業は、ACEMの道路交通安全方針に完全に一致するものであり、極めて具体的かつ実用的な技術を開発することにより、ライダーの安全性を向上させようとの二輪車業界の意欲の表れである」