試乗記

【国内メーカー最新電動モデルイッキ乗り】日産の新型「リーフ」(第3世代)は心地よいフットワークが身上

3月に行なわれたメーカー合同EV取材会。国内メーカーのBEV/PHEVを主とした最新電動モデルが一同に会し、各モデルに試乗することができた。今回はその第五弾として日産自動車「リーフ」(3代目)編をお届けする

 3代目となる日産「リーフ」は、「アリア」のBEV専用プラットフォームをベースにひとまわり小さいサイズとした。ボディサイズは4360×1810mm(全長×全幅)、ホイールベースは2690mmと、道路の狭い日本でも使い勝手が良い。駆動方式は2WDのみ。

 一番の特徴は航続距離が飛躍的に伸びたこと。バッテリは78kWhを搭載し、日産のBEVでもっとも長い航続距離を出している。WLTCモードは標準グレードの「B7 X」で702km、上級グレードの「B7 G」で685kmだ。

 BEVレイアウトの王道でバッテリをフロア下に置いているため、足を伸ばしたドライビングポジションとなる。このため上下方向にやや狭い感覚を受け、特に後席はもう少しヘッドクリアランスがあるとゆったりできる。

試乗車はバッテリサイズ78kWhの「B7 G」(599万9400円)。インテリアではインストルメントパネルに横に広がるフローティングデザインを採用し、落ち着いたミニマルな雰囲気を演出。日産初の調光パノラミックガラスルーフ(遮熱機能付)なども採用。12.3インチの大型デュアルディスプレイを採用し、Google搭載のNissanConnectインフォテインメントシステムも備える
Boseパーソナルプラスサウンドシステム(10スピーカー、運転席用アナウンス)搭載モデルはフロントシートのヘッドレストにスピーカーが備わる

 さすがに日産は先駆者だけあってBEVの良さを知っている。アクセルの応答性も素直で大きなトルクにより発進時のストレスがない。またそれに合わせるように操舵力も軽くクルマが軽快に動き、ハンドル中央付近の保舵感がしっとりとして高速でも緊張感がなく、レーンチェンジも滑らかだ。

 ハンドリングは新型リーフの美点の1つ。起伏のあるワインディングコースではe-Pedalを選択しておくとアクセルオフで適度にフロント荷重になり、操舵の反応が良くなる。コーナーでの姿勢はロールが少なくライントレース性が良く、さらにハンドルを切り返すシーンではキビキビとしたフットワークが身上だ。

ハンドリングは新型リーフの美点の1つ。加速時の音は静かだが、タイヤノイズが少し目立つ印象

 ノイズはBEVらしく加速時の音は静かだが、タイヤノイズが少し目立ち、たまにゾワゾワとした風切り音も入る。静粛性が高いだけに普段は聞こえない音が目立ってしまった感じだ。

 乗り心地は滑らかだが突起乗り越しでショックを伝える。ドタバタした感じではないが、連続するとリアがわずかに跳ね上げられる動きになる。フラットに保たれるとさらに上質になるだろう。

 レーンキープなどのADAS系は作動の唐突感もなく熟成さが進んでいるのが分かる。自動運転化に向けてプロパイロット2.0も進化していく。

 進化した新型リーフは滑らかなハンドリングとソツなく仕上げられた居住性、さらに使いやすくなったインターフェースで、移動空間としての余裕が増えた印象だ。

今回のB7グレードのほかに、2026年1月には55kWhバッテリを搭載したB5グレードも展開。B5グレードの一充電走行距離は最大521km(WLTC)とし、B7グレードの518万8700円(B7 X)から約80万円低いスタートプライスを実現している
日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。

Photo:安田 剛