試乗記

【国内メーカー最新電動モデルイッキ乗り】ホンダ「N-ONE e:」、航続距離291kmを実現する軽EVの印象は?

3月に行なわれたメーカー合同EV取材会。国内メーカーのBEV/PHEVを主とした最新電動モデルが一同に会し、各モデルに試乗することができた。今回はその第四弾としてホンダ「N-ONE e:」編をお届けする

 N-ONEをベースとしたフルバッテリモデル「N-ONE e:」。軽タイプのBEVではもっとも大きな29.6kWhの大容量バッテリを搭載し、WLTCでの航続距離は291km。軽の行動半径の期待に応えられる距離だ。

 ホンダのルーツである初代N360から触発された普遍的なデザインは今も色褪せなることはなく、レトロ調のカラーリングでガソリンのN-ONEとは趣が異なる。N-ONEのポジションはハイトワゴン系に属し、着座姿勢は低くされているのもホンダらしい。短いノーズで視界は良い。

 BEVの特徴となる回生ブレーキでのワンペダルドライブは、別に設けられたシングペダルコントロールのスイッチを入れると可能となり停止まで行なう。使い慣れるとアクセルオフだけで減速をコントロールできる利点がある。

 発進は164Nmのトルクで強力。逆に高速域の中間加速は発進に比べるとそれほどではない。ホンダ車ならではのECON(エコドライブ)スイッチがあり、日常的に使っても違和感はない。

 タイヤは横浜ゴム「BluEarth」(155/65R14)を使用する。乗り心地は少し硬めだが前後バランスは取れており、路面の凹凸はシート、ハンドルを通して明確に分かるが、ドタバタした感触はない。逆にそのような路面でもドッシリとした乗り味は重量がもたらすものか。

2025年9月に発売されたホンダの新型軽バッテリEV「N-ONE e:」。価格は「e: G」が269万9400円、「e: L」が319万8800円。CEV補助金(令和7年度補正予算)は58万円
ボディサイズは3395×1475×1545mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2520mm。車両重量は1030kg。モーターの最高出力は47kW(64PS)、最大トルクは162Nm(16.5kgfm)。一充電走行距離(WLTC)は295kmとなっている
エクステリアではN-ONEのデザインをベースに、EVならではのクリーンさを表現。フロントフェンダーやリアまわりのガラスを含むテールゲート全体を、強い張りを持たせた曲面に仕上げることで上質な立体感と軽快で安定したスタンスを表現
インテリアはインストルメントパネル上部を薄さが感じられる造形とし、室内の広がりを感じられる空間とするとともに、前方視界が広く確保でき、車幅感覚もつかみやすく見通しの良い視界を実現した

 ノイズはパワートレーン系の音やロードノイズなどそれなりに音があり、賑やかだ。室内はN-ONEをそのままに加飾などは設けられておらず質実剛健。実用車に徹したところは潔い。

 ホンダではN-ONE e:をベースにオーバーフェンダーを装着した「Super-ONE」も準備しているようでこちらも注目される。

走行時のノイズはそれなりに感じる
日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。

Photo:安田 剛