試乗記
BMWのフラグシップSAV「X7 xDrive40d エクセレンス」は、優雅さのなかにもしっかりとした走りが光る
2026年5月2日 08:00
すべてが素晴らしい仕立て
ドイツ製フルサイズSUVの頂点の一角を占め、BMWのSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)ラインアップの最上位に位置するX7は、2019年6月より日本に導入されている。
その後、2022年11月に大幅改良を実施。上部がウインカーとデイタイム・ランニング・ライト、下部がLEDヘッドライトとなる上下二分割のヘッドライトを採用し、よりダイナミックでスポーティな表情になったほか、暗闇で光るアイコニック・グロー・キドニー・グリルを採用した。
堂々たるサイズに印象的なフロントフェイスが目を引く。ちなみに試乗車のボディカラー「ライム・ロック・グレー・メタリック」は、90万5000円のBMW INDIVIDUAL SPECIAL PAINTとなる。
件の大幅改良にて、機構面では全車に48Vマイルドハイブリッドが搭載された。今回試乗したのは、「M」の付かないモデルで、直列6気筒3.0リッターディーゼルターボエンジンを搭載する「X7 xDrive 40d Excellence(エクセレンス)」だ。
インテリアも最上位モデルに相応しく仕立てられていて、すばらしいのひとこと。試乗車両には、BMW Individualのフルレザー・メリノ・アイボリー・ホワイト/アトラスグレーやピアノ・フィニッシュ・ブラックトリム、Mアルカンターラ・ルーフ・ライニングなどのオプションが装着されていた。
12.3インチのメーター・パネルと、14.9インチのコントロール・ディスプレイを一体化させ、ドライバー側に湾曲させた最新のカーブド・ディスプレイの採用により、優れた視認性と高い操作性を実現している。シフトレバーが廃されたことで、iDriveコントローラーまわりはすっきりとしている。
オプション設定の6人乗り仕様では、すべての乗員のシートを肘掛けのある個別のシートとされている。2列目の乗り心地はいうまでもなく快適そのもので、このクルマはドライバーズカーとしてもすばらしいが、主役はやはり2列目なのかなと感じさせられた。
2列目は肩のレバーを引くと3列目にアクセスするための空間ができて、背もたれを戻すとシートポジションが自動的にもとの位置にもどってくれる。必要に応じて助手席も自動で動く。
3列目も広さは十分で、成人男性+αの体格の筆者が座っても頭上にコブシが縦に入り、足も不自然な姿勢にならない。それに車軸の上に座っていると思えないぐらい乗り心地がいいことに驚かされた。
車内に侵入する音は、さすがに2列目ほど静かではないが、あまり意識させられるほどではなく、十分に静粛性も確保されている。見ると3列目専用の空調やサンルーフまであり、ごく日常的に使うことを前提としているようだ。
テールゲートは上下に分割して開き、2列目や3列目のアレンジも含めすべて電動で操作できる。荷室を最大状態にすると、かなり広い空間を創出できる。
2.5tを超えるSUVとは思えない走り
搭載される直列6気筒3.0リッターディーゼルのエンジンフィ-リングはすばらしく、外では音が聞こえるが、車内はディーゼルと思えないぐらい静かだ。走りのほうは、BMWの直6らしく調律されたサウンドとスムーズな吹け上がりを味わえる。ディーゼルになっても、BMWに求められる世界観はまったく損なわれていない。
最高出力は340ps/4400rpmに達しており、最大トルク700Nmを1750~2250rpmという低い回転域で発生するだけあって、2.5tを超える車体をものともせずひっぱる。
また、「オートマチック・セルフレベリング・コントロール付きアダプティブ2アクスル・エア・サスペンション」と「電子制御ダンパー付きアダプティブ・サスペンション」が標準装備される足まわりも極めて快適だ。
22インチタイヤを履くとは思えないほど、ばね下の重さを感じさせることもなく、普通に走りたいときには快適に走れて、高速巡行時はしなやかにアンジュレーションをいなしながら、フラットライドな走りを堪能できる。衝撃をキャビンに伝えないセッティングがとても巧い。
スポーツモードを選択すると引き締まった感じにはなるが、乗り心地がわるくなることはない。さらにワインディングを走っても、ダイナミックなコーナリング時に効果を発揮するという「エグゼクティブ・ドライブ・プロ」も効いて、車両重量と重心の高さのハンデをあまり感じさせることもなく、スイスイと駆け抜けていける。とても2.5tを超えるSUVとは思えない走りっぷりだ。
先進運転支援機能についても、高速道路での渋滞時において、一定の条件下において、ステアリングから手を離しての走行が可能となる「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」や、時速35km以下で車両が直前に前進したルート最大200mまでを記憶し、その同じルートをバックで正確に戻れるリバース・アシスト・プロフェッショナル機能を備えた「パーキング・アシスト・プロフェッショナル」、あらかじめ登録しておいた駐車スペースが近づくと、車両が自動で検知し、検知後は完全自動駐車が可能なパーキング・マニューバ・アシスト(駐車経路自動誘導)機能付き「パーキング・サポート・プロフェッショナル」などが標準装備される。
さすがはBMWのフラッグシップSAV、見た目も走りも素晴らしい仕上がりで、装備も驚くほど充実していた。
































