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ちょっと写真で見るマツダ新型「CX-4」

2016年4月25日(現地時間)発表

初公開されたCX-4とともにフォトセッションに収まる開発陣を含めたマツダ関係者
プレスカンファレンスではマツダ株式会社 取締役専務執行役員 稲本信秀氏がスピーチを行なった

 北京モーターショー2016でワールドプレミアされた新型クロスオーバーSUV「CX-4」。まずは、なぜ中国を初公開の場として選んだかというと、中国市場で販売されているマツダのSUVモデルは現状で「CX-5」のみとなっていて、コンパクトSUVの「CX-3」は導入されていない。プレミアムなモデルが好まれつつある中国市場は、SUVモデルの伸びが顕著で、今回の北京モーターショーでも本田技研工業やアキュラ、東風日産が展開するヴェヌーシアなどから続々と新型SUVが公開されている。

 そんなSUVが好かれる市場なのでCX-4の投入は、ぜひ新しいモデルを導入してほしいという現地からの声と、マツダが考える新型モデルの展開が合致した結果といえる。生産を行なうのは一汽マツダで、同社はこれにより新世代商品群の「マツダ6(アテンザ)」と「CX-4」の2台をラインアップすることになった。中国での合弁会社のもう1社となる長安マツダは、「マツダ3(アクセラ)」とCX-5の2台を生産していて、CX-4の導入で両社のバランスが取れることになった。

 新型のCX-4だが、2015年のフランクフルトショーで初公開されたコンセプトカー「越 KOERU」の市販版となる。クーペルックなデザインはコンセプトカーとほぼ同様だが、オーバーハング部を法規制に合致させるため伸ばしている。また、コンセプトカーでは21インチのホイールだったが、こちらも市販車に合わせてダウンサイジングされた。

 マツダが打ち出しているデザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」は、モデルによって解釈が異なるが、CX-4は他のモデルと比べるとシンプルなサイドビューになっていて、こちらもコンセプトカー譲りとなる。ボディサイズは4633×1840×1530~1535mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2700mm。CX-5とほぼ同等のサイズで、詳細を比べると全幅とホイールベースが同じで、全長は78mm長く、全高は180mm低くなっている。

プレスカンファレンスでは北京らしい演出でCX-4が披露された

 内装については「越 KOERU」では公開されなかったが、各部分でSUVモデルの先駆者となったCX-5との違いが見受けられた。まずは、メーターフード上に設置されたヘッドアップディスプレイ。CX-5以外の新世代商品群には導入されていることもあり、CX-4でも採用された。ドアパネルのメッキパーツやインパネのウッド類は、2015年のロサンゼルスモーターショーで公開された「CX-9」でも採用した高級感を感じさせるアイテムで、同じパーツではないようだが、インテリアの質感が引き上げられていて、新世代商品群の中でも新たなステージに入った感覚を覚える。

 マツダの好調なセールスの要因となった新世代商品群。2012年に販売が開始されたCX-5からスタートしていて、これまで6車種がグローバルで販売された。北米で販売がスタートするCX-9、そして中国で販売が始まるCX-4を含めると8車種のモデル構成になる。グローバル展開されていないが、この2台のSUVは次世代の商品群を占う意味でも重要なモデルとなるはず。質感を大幅にアップさせたインテリア、新たな解釈により幅が拡がった魂動デザイン。それに新世代商品群と同時に開発が進められたSKYACTIV技術。CX-4を見ると、マツダの快進撃を支えている要素が新たなステージに進んでいることが感じられた。

 いろいろな面から注目される新型CX-4だが、中国国内での販売は6月からスタートするという。日本での生産や販売の計画は未定だそうだが、早期にラインアップされることを望みたい。

ソウルレッドのカラーリングに塗装された新型CX-4。カラーラインアップはソウルレッドやセラミックメタリックを含めた全7色となる。ボディサイズは4633×1840×1530~1535mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2700mm
ホイールサイズは17インチと19インチの2タイプを設定。排気量によって分けられている
エンジンは直列4気筒DOHC2.0リッターガソリン「SKYACTIV-G 2.0」と、直列4気筒DOHC2.5リッターガソリン「SKYACTIV-G 2.5」の2種類を用意。駆動系では2.5リッターモデルに4WDの「i-ACTIV AWD」がセットされ、2.0リッターモデルは2WD(FF)となる
インテリアの質感は現行ラインアップから一歩飛び抜けた印象を受ける。ヘッドアップディスプレイや電動パーキングブレーキ(EPB)の採用、インパネやドアパネルの使用素材など高級感を感じさせる仕上がり。インテリアカラーはピュアホワイトとブラック、ディープレッドとブラック、サンドベージュとブラック、ブラックモノトーンの4種類
シートは定評のある低反発ウレタンをベースにした。CX-5とは異なったデザインを採用している
ラゲッジ容量は後席使用時で400L、後席を両方倒すことで1228Lまで拡大できる。荷室長は1054mm、荷室髙は500mm、開口幅は1020mm。ラゲッジスペースはゲートの角度が斜めになっているので、CX-5と比べると多少劣るかも
CX-4主要諸元
SKYACTIV-G 2.0SKYACTIV-G 2.5
駆動システム2WD(FF)i-ACTIV AWD
車体寸法4633×1840×1530mm4633×1840×1535mm
ホイールベース2700mm
最低地上高196mm194mm
最小回転半径5.6m
荷室容量(DIN、後席使用時)400L
エンジン種類水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量1998cc2488cc
ボア×ストローク83.5×91.2mm89.0×100.0mm
圧縮比13.0:1
最高出力116kW/6400rpm141kW/6100rpm
最大トルク202Nm/4000rpm252Nm/4000rpm
燃費6.3L/100km7.2L/100km
サスペンションタイプ(前/後)マクファーソンストラット/マルチリンク
ステアリングタイプラック&ピニオン
ブレーキタイプ(前/後)ベンチレーテッドディスク/ソリッドディスク
タイヤ225/65 R17225/55 R19

(真鍋裕行)