写真で見るメルセデス・ベンツ「Eクラス」


 メルセデス・ベンツの中心車種とも言うべきアッパー・ミドルセダン「Eクラス」がフルモデルチェンジして登場した。ひと目で分かる変更点は外見で、従来のEクラスの象徴でもあった丸型の4灯ライトを角型に変更した。

 装備の面では環境や安全対策を進め、歩行者との衝突時にボンネット後端を50mm持ち上げて歩行者への衝撃を弱める「アクティブボンネット」、フロントガラスのカメラで先行車や対向車を検知してヘッドライト配光を連続変化させる「アダプティブハイビームアシスト」などを標準装備。また、一部でバッテリーの充電量に応じてオルタネータの発電を止める仕組みや、転がり抵抗軽減タイヤの採用などで環境面に配慮している。

 撮影車はEクラスの中でも中心グレードとなるV型6気筒 3.5リッターエンジンを搭載、装備を豪華にした「E350 アバンギャルド」。さらにオプションとして、コンフォートパッケージ、レーンキーピングアシスト、Harman/Kardonロジック7サラウンドシステムが装備される。キューブライトブラウンのボディーカラーに加えて、内装も茶系のレザーシートが組み合わされる。撮影車は左ハンドルだが右ハンドルももちろん選ぶことができる。

 現時点でのバリエーションは「E350 アバンギャルド」のほか、V型6気筒 3.0リッターエンジンの「E300」、その豪華装備版の「E300 アバンギャルド」、V型8気筒 5.5リッターエンジンの「E550 アバンギャルド」の合計4タイプ。7月29日には2ドアクーペ2モデルが追加された。

 今後、従来のEクラスにあったAMGバージョン、ディーゼルエンジンモデルが追加される。さらに環境対策として小排気量の4気筒直噴ガソリンエンジンが国内に導入され、ボディタイプもワゴンが追加される予定だ。

V字ラインを強調し、従来とはだいぶ趣が変わったが、どこから見てもメルセデス・ベンツと認識できるデザインは踏襲。登場が先行したSクラス、Cクラスに通じる部分も感じられる。外装カラーは国内のCMなどにも登場するキュープライトブラウンで、内装カラーはチェストナットブラウン
フロントグリルと伝統のスリーポインテッドスターのオーナメントがメルセデス・ベンツであることを分かりやすく示す
新型の最大の変更点、ヘッドライトの形状。外側はバイキセノンで、対向車や先行車の状況によりハイからローが連続変化する
リアはテール、ブレーキ、ウインカーともにLED
リアにもスリーポインテッドスターのオーナメントとグレードバッヂを定位置に装備。ハイマウントストップランプも装備
マフラーは左右2本出しで、真後ろに排気するタイプになったミラーにはターンシグナルランプ内蔵
ドアノブ。伝統の手前に引っ張って開けるタイプラジオなどのアンテナはルーフ後方中央に設置されるフューエルリッドはドアロック連動で手で開けるタイプ。キャップは紛失しないようガイド付き。給油中の置き場所もある
タイヤは前後とも同サイズの245/45 R17。AMGスポーツパッケージを選ぶと18インチが装着される
エンジンはV型6気筒 DOHC3.5リッターで最高出力200kW(272PS)、最大トルク350Nm(35.7kgm)を発生。開閉は後方ヒンジだが、歩行者との衝突時は後方が浮き上がってボンネットがクッションとなる
トランクルームはHarman/Kardonロジック7サラウンドシステム装備のため、左側がフラットとなる。その他の通常モデルは左側がえぐられてゴルフバックを4つ収納できる後席は分割可倒式となり、長いものも収容できる。シングルフォールディングタイプ
シートを倒すレバーはトランクルーム側にあるバッグの取っ手を引っ掛けるフックも装備。買い物袋がトランク内で転がることを防ぐことができるセンターアームレスト部分のみ開いて長尺物を積むことも可能
トランクルーム下のスペアタイヤスペースの手前にも薄い収納スペースがあるトレイを外すとスペアタイヤが顔を出す非常停止表示板はトランクリッド裏側に装着される
ファーストエイドキットはトランクルーム右側にある。薬品はないがガーゼや包帯などがある反対側はHarman/Kardonロジック7サラウンドシステムの機器が収納される
バックモニターカメラはナンバープレートの上にあるギアをリバースに入れると後方の映像を表示する。ステアリング位置によって進路ガイドが黄色線で表示されるステアリングスポークには、各種設定操作が行えるスイッチがある
ドライバーズシート。操作ボタンは多いように感じるが、よく使う機能は独立したボタンやレバー、それ以外はCOMANDシステムで操作するペダルはアクセル、ブレーキと足踏み式のパーキングブレーキフロントドア内側
パワーウインドースイッチ。押して開いて、引いて閉じる。スイッチの前はミラー。電動格納も装備パワーシートの操作スイッチもドアにあるトランクリッドは運転席からも開くことができる。ドアポケット内にスイッチがある
シートはレザータイプ。オプションのシートベンチレーターが装備され、無数の小穴からエアーが排出されて夏場でも蒸れることがないマルチコントールシートの調整ダイヤル。これでランバーサポートやサイドサポートなどシート形状を調節できるシートは硬すぎず柔らかすぎないタイプ
リアシートの足元スペースはフロントシートを極端に後ろに下げなければ広大だセンターアームレストには収納やドリンクホルダーがあるリアガラスに電動のブラインドを装備。運転席から操作できる
リアのシートバックは前に倒れるリアシートのパワーウインドースイッチ。もうひとつはリアのシートヒーターリアシートにもエアコンの送風口がある
リアドアに内蔵されたブラインド。下から引き出して上に引っ掛けて使うリアシートのルームライト。左右独立の読書灯もあるフロントのルームライト
助手席足もとにもネットがあり、小物を置いておくスペースがあるアームレスト内は観音開きで収納スペースがある
エンジンはプッシュしてスタート。キーは身に付けていればよい
セレクターレバーは右側。下げて前進、上げて後退、押してパーキング。ウインカーレバーと間違えないようにしたいステアリング左側にはウインカーと、ひねってワイパー操作。その上はクルーズコントロール
パーキングブレーキは足踏みで作。解除はこのレバーを引くヘッドライトはオートポジションもある。フォグ点灯は1段引き、リアフォグは2段引く。フォグが付けっぱなしになることがないステアリング左右のパドルで手動で変速することも可能
ステアリング左のCOMANDシステムのボタン。車両の各種設定が可能右側のボタンはオーディオやハンズフリーシステムなどを操作エアコン吹き出し中央にはハザードボタン。中央にはESPの解除ボタン
オーディオの操作パネル。中央のつまみはボリューム。その下のスリットはPCカードスロットでフラッシュメモリー内のMP3などの楽曲データを再生可能エアコンは左右独立制御のフルオート。温度表示などはくっきりとした白色で表示されるナビゲーションやオーディオを操作するCOMANDコントローラー。押す、回す、倒すことで操作する
グローブボックス内にも電源供給のためのシガーライターソケットがあるポータブルオーディオ接続のケーブルが3本付属。iPod、USB、音声入力でiPodはCOMANDコントローラーで操作可能ケーブルはグローブボックス内部のコネクターに差し込んで使用する
ETCはグローブボックス内にカード挿入口がある。三菱電機製。ワイパーはフラットタイプカメラは運転者から見てバックミラーの裏側にある
メーターはアナログタイプ。細かな情報はセンターの中央部がカラー液晶となっており、ここに示される。これは走行距離COMANDボタンで表示切替可能ラジオの受信放送局を表示
携帯電話の接続設定もCOMANDから。Bluetooth接続できるレーンキープアシストなどのオン/オフなども設定可能タイヤ空気圧の情報もここから
さらに細かい設定もCOMANDから可能走行距離のマイル表示も可能だベルトを自動で巻き取る機能のオン/オフも設定可能
設定をリセットすることも可能。まるで電子機器のようだナビゲーション画面はクッキリとしながらも落ち着いた配色COMANDコントローラーを押すと上下に操作バーが出る
オーディオでは周波数の変更がアナログ風にできる。COMANDコントローラーを回せば周波数が移動する携帯電話はBluetooth接続できる地上デジタル放送は12セグ表示
番組表も表示する画面で各種設定が可能

(正田拓也 / Photo:鈴木広一郎)
2009年 8月 4日