写真で見るジャガー「XF」


 ジャガーの4ドアといえばまず思い浮かべるのが従来の「XJ」のクラシカルなスタイリングだが、それに対して未来的なクーペ風ボディーをまとうのが「XF」。価格帯で見ればXJの若干下になるが、エンジンラインナップはほぼ同じ。見た目には分からないがXJよりもアルミの使用率が低いボディーになるのが大きな違いである。

 2007年にデビューしたXFは、当初はXJと同じ3.0リッターと4.2リッターエンジンのラインナップだったが、今年春にXFの4.2リッターエンジンが5.0リッターに変更された。撮影したのは、新しくラインアップされた「XF Portfolio」。自然吸気の5.0リッターV型8気筒エンジンを搭載するが、装備はスーパーチャージャー付のフラッグシップ「XFR」に準ずる、自然吸気の最高級モデルだ。車両価格は975万円だが、撮影車はオプションとして20インチホイールとETCを装備していた。

 5.0リッターエンジンはトルコン式の6速ATを介して後輪を駆動し、アクセルを多めに踏めば283kW(385PS)/6500rpmの最高出力と515Nm(380lb-ft)/3500rpmの最大トルクによって、1860kgの車体を強力に引っ張り荒々しい加速も楽しめる。

 XFのシフトレバーはレバーではなく、丸いアルミのダイヤル“JaguarDriveセレクター”を回す方式。イグニッションをオフにすればJaguarDriveセレクターは格納されるギミックを持つ。同様にエアコンの吹き出し口も回転してルーバーが見えなくなる機構を持っている。

クーペ風のスタイルを持つ4ドアセダン。真横から見ると全長4970mmの長さを感じる。撮影車のカラーはメタリックのフロストブルー
斜め前からと違い、真正面から見るとライトやグリルが威圧感を感じさせるグリルにはジャガーのオーナメント。グリルの桟はメッキ仕上げのメッシュタイプ
ライトは外側がキセノンでハイとロービーム。内側がフォグライトとなる。コーナリングランプはヘッドランプユニット内に装備される
テールも流麗にまとめられているテールレンズは大きくサイドに回り込む
テールライト、ウインカーはLEDによるものバッジは車名の「XF」のみ。細かなグレードや排気量の表示はないジャガーといえばリーピングキャットのマークだが、車体にはリア中央のみ配置される
マフラーは左右に2本出しマフラーはボディーラインにあわせて斜めにカットしてあるアンテナはルーフ後方中央に設置
サイドのウインカーはミラーに配置ドアハンドルはボディ同色。引いて開ける
ワイパーはフラットタイプサイドにはスリットがある給油口は右側。給油中はこのようにキャップを置く
スライディングルーフはガラス。チルトも可能
タイヤ&ホイールはオプションの20インチ「Senta」アロイホイール。タイヤは前後とも255/35 ZR20のピレリP-ZEROを装着センターキャップにもジャガーのオーナメント
エンジンは5.0リッターV型8気筒 DOHCガソリンエンジン。283kW(385PS)の出力と515Nm(380lb-ft)の最大トルクを発生するカバーを外したところでも、V8エンジンの吸気側が見えるだけ
トランクリッドの開口部リアシートの背もたれを倒すことで長尺物の収容も可能
開口部は大きくないものの、中は奥行きもあり収納力は小さくないスペアタイヤは非常用のスペースセイバータイプ。バッテリーもトランク内にあるトランクリッドの開閉は電子スイッチ。その横にはバックモニターカメラがある
運転席は木目もあるが、アルミのメタリックも目立つステアリングホイールにもシルバーの部分があり、ステアリングの操作ダイヤルも金属仕上げ
シフト操作はレバーではなくダイヤル式のJaguarDriveセレクター。スノーモード、横滑り防止、高出力切り替えなどのスイッチが周囲にある。エンジンを切るとJaguarDriveセレクターは下降するパーキングブレーキも電子スイッチ式
アルミ仕上げのエアコンの吹き出し口もエンジンを切ったときは回転してルーバーが見えなくなる。ジャガーXFの特徴的なギミック

 

JaguarDriveセレクターがエンジンONでせり上がり、エアコンのルーバーも回転して出現する
インパネは左に速度計、右が回転計、中央がカラー液晶ディスプレイによる情報表示となる。普段は白の表示だが、警告は赤になるなど多彩な表示が可能速度計は260km/hまで目盛りが振られる右は回転計
ライトを点灯させるとメーター内は薄いブルーに点灯する。室内も随所に同様に薄いブルーの明かりがともされる。警告などは中央の液晶表示に色がつく
コラムスイッチは右がワイパー左がウインカーとライトステアリングスイッチは左がオーディオ。右が各種設定
変速はパドルでもアップダウンができるATなので2ペダルFRということもあり、センターコンソールは意外に高い
バックモニターカメラを標準装備。ステアリングの切れ角によって進路が黄色のラインで表示される
運転席ドアには4枚のウインドウとミラー角度の調整などがあるドア開レバーはメッキ仕上げ。ドアロックノブも同様のメッキ。その奥にはオーディオのスピーカーもあるパワーシートのメモリースイッチもある
インテリアはウッド、アルミ、レザーが調和しているグローブボックスは電動ロック。ウッドのところに小さい金属の電極が埋め込まれており、ここに触れると開くオーディオはBowers & Wilkins。サラウンドサウンドシステムが標準装備
左がオーディオ、右がエアコンの操作スイッチ。状態は上部の液晶モニターに表示される。音楽CDの挿入口もある収納も多い。ドリンクホルダーは2本分
アームレスト内にはオーディオの外部入力とシガーソケット、ETC車載器がある。iPodとUSBが接続可能スカッフプレートとフロアマットはJAGUARのマーク入り
シートの調整はシート横のスイッチで行うスマートキーシステムのため、キーはドライバーが身に着けていればよいが、足もとに収納場所もあるスライディングルーフの天井に操作ボタンがある。リアウインドーのシェードの操作ボタンもある
室内灯と左右のマップランプ。スイッチはないがライトの部分に触れると点灯/消灯するリアウインドーのシェードは電動で開閉する。リアの室内灯もライト部分に触れると点灯/消灯する
リアシートは適度な空間を持っているシートは比較的フラット。3名着席可能シートベルトバックル後部の切れ目の中にチャイルドシート固定用金具がある
センターアームレストは幅広でドリンクホルダーも左右に2本分ある
液晶ディスプレイはカーナビだけでなくエアコンやオーディオの操作パネルも兼ね、タッチで操作できる
オーディオはiPod接続や外部入力に対応テレビの受信にも対応するがアナログのみ。地上デジタル放送には対応しない携帯電話の接続にも対応しハンズフリー通話が可能
画面設定ではスクリーンセーバー設定ができる。画面を消すことも可能

(正田拓也、Photo:塙真一)
2009年 8月 28日