写真で見るアウディ「TT RS クーペ」


 アウディのスポーツクーペ「TT」のトップモデルとなるのが「TT RS クーペ」。直列5気筒ターボエンジンと、4輪を駆動するクワトロシステムは、1980年に登場したアウディ クワトロの伝統を引き継いだ組み合わせだ。

 エンジンはシリーズ最強の直列5気筒DOHC 2.5リッターTFSI(ガソリン直噴ターボ)で、最高出力は250kW(340PS)/5400~6500rpm、最大トルクは450Nm(45.9kgm)/1600~5300rpm。エンジンはアウディ伝統の縦置きではなく横置きで、トランスミッションは6速MTのみ。クワトロシステムには最新世代のハルデックスカップリングを採用、前後タイヤのグリップ力に合わせて駆動力を最適に配分する。

 TTシリーズには高出力バージョンとして直列4気筒2リッターエンジンにターボを組み合わせて272PSを発生する「TTS クーペ」があるが、TT RS クーペはさらに高出力。TT RS クーペでは最大トルクの発生を高回転域に振っておりTTS クーペとは違ったスポーティさを実現する。なお、新開発の5気筒エンジンは10・15モード燃費が10.6km/Lとこのパワーにしては低燃費。

 ボディーは4200×1840×1380mm(全長×全幅×全高)と比較的コンパクト。小柄だが、大きなエアダクトやリアスポイラーにより、ただのクーペではないことを表し、最上位のRSであることはレッドをあしらった「TT RS」のバッヂで主張されている。

アウディ TT RS クーペはノーマルの「TTクーペ」に対して、左右に大型のエアインテークを持つフロントバンパーや固定式のリアスポイラーなどの違いがあり、もともと引き締まったボディーのTTをさらにスポーティにしている。撮影車のカラーはスズカグレー

 

大型のエアインテークは「TTSクーペ」と同じ。スズカグレーのボディーカラーはグリルなどのブラックとのコントラストが引き立つ
フロントオーバーハングは短め。取り回しのよさという実用性もあわせ持っている
ハニカム形状のフロントグリルにはTT RSのバッヂが取り付けられる
ヘッドライトはプロジェクタータイプのバイキセノンで、自動的に進行方向に向くアダプティブヘッドライト。ターンシグナルはライトの内側に装備。ポジショニングランプは白色LEDでライトの下にラインを引く最近のアウディのデザインに沿ったもの
フロントから見えるターンシグナルはヘッドライト内とサイドミラーに装備する
フロントウインドーにはフラットワイパーを装備両サイドのウインドーは上下方向のサイズが小さめ。ドアはサッシュレスとなる
コンパクトでエレガントなボディーが、空力装備などでアグレッシブな表情にラジオなどのアンテナはルーフ後方に位置する
ドアノブはボディー同色塗装がされるオーバーフェンダーが目立ち、力強さを演出する
フューエルリッドはボディー右後方に位置する。運転席ドアにあるスイッチで開く
TT、TTSのリトラクタブル・スポイラーはなく、大型のリアスポイラーをリアゲートに固定。サイズも適度で後方視界が悪くなることがない
エキゾーストパイプは左右2本出し。通常のアイドリング時などは右側のみ排気するリアのTT RSのバッヂはリアゲートの下端に装着される
ストップランプは電球。テールランプまわりはLEDではなく電球でまとめられる
リアフォグランプは中央の下方に位置するハイマウントストップランプはLED

 

5気筒エンジンはフロントに横置きされる
ボンネットは大きく、左右フェンダー上まで回り込む
タイヤは前後とも255/35 ZR19。ホイールはチタンルックタイプ。フロントの19インチホイールから「RS」のマークのある対向4ピストンキャリパーが覗く

 

オプションのバケットシート。サイドサポートの張り出したシートがスポーツカーであることを印象づける黒基調の室内はところどころにシルバーのアクセントがちりばめられている
ステアリングはファインナッパレザーを使ったもので、形状はフラットボトム。握りも太めで手触りも良好だシフトレバーはコンソール中央にある。サイドブレーキは左側に寄っている
シフトレバー表面は金属地だが、つや消し仕上げで握り心地もソフトサイドブレーキはリリースした際、ステッチの目が合うようにデザインされている
ステアリングホイールは中央にエアバッグ兼ホーンボタン、左右にはオーディオ関連のリモコンスイッチ左のコラムレバーはターンシグナルと前後でライトのハイ/ロー切り替え、下のレバーはクルーズコントロール用右のレバーは上下でワイパー動作を切り替える。先端と下のボタンでメーター内の画面表示と設定を行う
ステアリングホイールの下部には「TT RS」のロゴが配置されるペダルは金属地のもの。ゴムのグリップのおかげで滑らず踏むことができるヘッドライトはオートポジション付き。ライトを点灯させた時点で手前に引くとリアフォグが点灯する。ダイヤルはメーター照明の照度で、光軸調整はオートなのでない。エンジンをかけた際に光軸が上下する演出付き
シートはレザーと布のコンビネーション。座面のサイドサポートが大きく乗降性はあまりよくないが、クルマの性格から仕方ないところ背もたれ部分にはTT RSのエンボス加工がある
リアシートは前後スペースはあるものの上下スペースはミニマムリアシート右側の側面には救急箱のマークのある小物入れがあるカップホルダーはサイドブレーキの右側になる
ドアは大きな角度まで開くアウディ流。運転席ドアにはパワーウインドーとサイドミラーのリモコンのほか、1段下にはリアゲートとフューエルリッドのオープナーがあるスカッフプレートにもTT RSのロゴがあしらわれる
カーナビはダッシュボード中央に位置し、画面の位置は低めエアコン操作パネルはライトをつけるとアンバーに点灯する。シートヒーターも装備する
ルームライトは中央に2灯。ドア連動またはマップランプとして点灯可能。バイザーを立ててミラーの扉を開けると天井のライトも点灯するバックミラーは自動防眩ミラー
助手席グローブボックスの「quattro」ロゴグローブボックス内にはiPodのコネクター、ETC、地上デジタル放送のB-CASカード挿入口がある

 

リアゲートはここまで開くゲートを開けた状態でラゲッジルームの前後方向は広く、収納力も高い
ラゲッジルームの下にも収納スペースがある
リアシートは左右別々に倒すことが可能。ボードを取り外せば広大な収納スペースが出現する

 

エンジンをかけるとスピードメーターとタコメーターが1度振り切れて戻る演出があるメーターは310km/hまで刻まれるが250km/hでリミッターが作動。70km/hから100km/hの間で目盛り間隔が変化するタコメーターが左、スピードメーターが右。タコメーターにはTT RSのロゴが付く。中央の液晶ディスプレイはDIS(ドライバーインフォメーションシステム)。さまざまな情報を表示できる
ターボブースト圧、油温、タイムラップを表示できる。操作は右のコラムレバーコラムのボタンでメニューを表示すると、設定とチェックが選べる外気温と平均燃費を表示したところ。試乗車のため正確に計測したわけではない
トリップメーターはチャンネルを切り替えて記録可能設定画面では、言語をはじめ各種設定ができる計測するデータを選べる
欧州車に多い速度警告設定言語設定では日本語など2バイト文字は選べない単位をキロ/マイル、温度は摂氏と華氏を切り替えられるほか、燃費表示では日本流のL/kmという表示も選べる
表示項目やライト設定などはこの画面で設定できるオイル交換はコンピューターが計算して時期を知らせてくれる。現代の欧州車で推奨されるオイル交換間隔は環境保護もあり驚くほど長めドアが開いた場合の警告。ボンネット、リアゲートも開いているため、白く表示されている
HDDカーナビを搭載タッチパネル式でETC連動やBluetooth接続をサポートする
オーディオの入力ソースはテレビ/ラジオ/CD/DVDのほかHDDに保存された音源の再生などが可能テレビは12セグの地上デジタル放送に対応する
目的地探しは住所や電話番号、施設名称などのほかテレビ番組や雑誌で紹介されたスポットも探せる

(正田拓也 / Photo:鈴木広一郎)
2010年 3月 8日