写真で見るフォルクスワーゲン「パサート」「パサート ヴァリアント」


 国内に導入されるフォルクスワーゲン車で最上級クラスとなる「パサート」が、7代目となった。先代とはスリーサイズ、ホイールベースが同一なうえ、ボディー形状などがほぼ同じというビッグマイナーチェンジともとれる変更だが、フロント&リアのデザインをはじめ、エンジン、トランスミッションを一新。

 エクステリアでは、フロントマスクが近年のフォルクスワーゲン流のデザインとなったほか、リアが従来の円形から左右に広がるデザインに変更され、よりワイド感のあるスタイリングとなった。サイドデザインは先代の面影を残すところであるが、メッキのサイドモール位置が車体下に移動し、印象を変えることに成功している。

 モデルチェンジの目玉の1つであるエンジンは、ダウンサイジングコンセプトに沿った1.4リッターの直列4気筒DOHCターボ。従来モデルもターボや直噴化は行われていたが、さらにベースの排気量を小さくした。組み合わせるトランスミッションは、従来のトルコン式からデュアルクラッチトランスミッションの7速DSGとなった。さらにアイドリングストップ機構の「スタート/ストップシステム」を搭載した結果、燃費は18.4km/L(10・15モード)と大きく改善された。

 用意されるグレードはセダンタイプの「パサート」、ワゴンタイプの「パサート ヴァリアント」。ともにベーシックグレードの「TSIコンフォートライン」と上級グレードの「TSIハイライン」の2モデルを用意。価格はもっとも安いセダンのTSIコンフォートラインで324万円、高いものでヴァリアントのTSIハイラインが396万円となる。ただし、キセノンヘッドランプやカーナビなどが標準装備ではないため、今回の撮影車やカタログ掲載写真の仕様にするには多少の金額の上積みが必要となる。

パサート TSIコンフォートライン
 パサート セダンの撮影車は「TSIコンフォートライン」。標準で16インチホイールを装着するほか、オプションでバイキセノンヘッドランプを装着している。

パサート TSIコンフォートライン。ボディーカラーはリフレックスシルバーメタリックでバイキセノンヘッドランプを装着する
オプションのバイキセノンヘッドランプは4灯に見えるが、外型がライト、内側がターンシグナルランプとなる。LEDのポジションランプが特徴的
フォグランプをバンパー側に装着。フォグランプの内側はコーナリングライトでステアリングの操舵角に応じて照射角を変える
サイドウインドーの形状は先代の印象を残すが、バイザーなどに互換性はなく、形状は変更されているテールのコンビネーションランプはワイド感を演出するデザイン
非点灯時のテールランプスモールランプを点灯ブレーキランプを点灯
ターンシグナルランプは電球による点滅となる「TSI」と記されるだけでグレードを表すバッヂはない。ブルーモーションテクノロジーのバッヂも装着される車名バッヂは左側
セダンのパサートではVWエンブレムからリアビューカメラが出てくる構造TSIコンフォートラインが装着する16インチホイール低燃費化により燃費基準などに適合
TSIコンフォートラインはファブリックシートを装着。パワーシートは運転席のみ。内装カラーはボディーカラーに関わらずブラックのみとなる
奥行きがあり、リアシートにトランクスルーのあるトランクルームTSIコンフォートラインは同一サイズのスペアタイヤを装備

パサート ヴァリアント TSIハイライン
 ワゴンタイプの「パサート ヴァリアント」の撮影車は「TSIハイライン」。コンフォートラインとの外装上の違いは、17インチの5本スポークアルミホイールを装着すること、アンダーグリルのメッキ仕上げ部が多いこと、Bピラーが艶有りのブラック仕上げになっていることなど。バイキセノンヘッドランプはオプション装着となる。

 インテリアの基本デザインはセダンタイプと同一。ラゲッジスペースのカーペットカラーはシートなどに合わせたものになるが、シートアレンジはグレードによる違いはほとんどない。

パサート ヴァリアント TSIハイライン。ボディーカラーはナイトブルーメタリックでバイキセノンヘッドランプを装着。ワゴンタイプとセダンタイプの全長は同一だが、重量はプラス40kgとなる
TSIハイラインはBピラーが艶有りのブラックとなり、リア以降のガラスが着色ガラスとなるテールゲートに小さなテールゲートスポイラーがあり、そこにハイマウントストップランプが装着される
TSIとブルーモーションテクノロジーのバッヂヴァリアントのリアビューカメラはナンバープレートの上に固定環境基準適合のシールが貼られる。いずれのモデルも同一のエコカー減税の優遇ランクとなる
サイドミラーはターンシグナルランプを内蔵。TSIハイラインのみ助手席側がリバースポジション時に向きが自動的に変わる機能を備えるルーフのアンテナとレール燃料は無鉛プレミアム。タンク容量は70L
エンジンはダウンサイジングコンセプトに基づく直列4気筒DOHC 1.4リッターターボ
タイヤは235/45 R17。直径5mm以下の穴を自らふさぐ「モビリティタイヤ」を装着する撮影車に装着されたコンチネンタル製のタイヤには、釘等を踏んでも空気圧を失わない「セルフシーリングタイヤテクノロジー」のロゴがある
TSIハイラインのインテリア。ナッパレザーシートと木目のウッドデコラティブパネルを装着。シートカラーはデザートベージュ、ブラック、ナチュラルブラウンの3色から選択できる
ステアリングはレザー巻き。電動パワーステアリングを装備エンジンのスタートキーをダッシュボードに挿し込み、キー全体を押しこむことでセルモーターが回るヘッドライトスイッチ。オートポジションを持つ。フォグランプは1段階引っ張り、リアフォグはさらに引っ張る
シフトレバー。右横には電子スイッチによるパーキングブレーキがあるコンソールはオーディオ/ナビ、空調の順に並ぶ中央にアナログ時計を装着
TSIハイラインで標準となるカラー液晶タッチパネルの6連奏CD付きオーディオ「RCD510」TSIハイラインは標準でステアリングにパドルシフトとサテライトスイッチを装備するオートエアコンで、左右独立で温度調整が可能
アームレストを装備し、内部には収納スペースが備わる。カップホルダー付きアッシュトレイも標準装備
ヘッドライトスイッチ下は収納スペースが用意されるグローブボックスは2つの収納スペースを持つ。説明書などを入れる専用スペースもある
サンバイザーと照明オプションのスライディングルーフを装着するとオーバーヘッドコンソールに操作ボタンが用意される
TSIハイラインは運転席/助手席ともにパワーシートとなる。ドアプレートがあるのもTSIハイラインのみ
運転席に各ドア用のパワーウインドースイッチとサイドミラーの調整ノブのほか、さらにリアゲートオープンスイッチもあるキーは溝のないタイプだが、所定の位置に全体を挿し込んで使う
オプションのスライディングルーフはシェードも装備する着色ガラスのサンルーフ前半分がスライドして開く
リアシート用のDCソケットが備わるリアのセンターアームレストは収納やカップホルダーを装備
ヴァリアントのラゲッジスペース容量は603Lで、後席をたたむと1731Lまで拡大する。スライディングカバーも3段階で止まるようになっている
カバーを外した状態ラゲッジネットパーテーションを外すアームレスト部分のトランクスルー
後席は6:4分割可倒式。右側を倒したところ左側を倒したところさらに後席の座面を前方へ跳ね上げることで床面がフラットに。左右のヘッドレストは跳ね上げた座面に引っ掛ける仕組み
ラゲッジネットパーテーションを使えば荷物の飛び出しを防止できる後席を折りたたんだ状態でもパーテーションを使える
天井にはパーテーションを固定するフックがあるパーテーションはこの位置に置くスライディングカバーの取っ手
リアゲートの裏側にある非常停止板ラゲッジスペースの横側に収納やフックなどが設けられる
リアシートをラゲッジスペース側から倒すこともできる。ただし、レバーを引いてもシートは倒れないためシートを押す必要があるTSIハイラインはモビリティタイヤを装着するためスペアタイヤも、電動ポンプやパンク修理キットも装備されない
メーターパネル。メッキリングを散りばめ、高級感を演出している中央にマルチディスプレイが用意され、燃費や走行データのほかカーナビ(RNS510)を装備すると交差点の右左折指示なども表示される
さらにオーディオの状態や、各種設定、警告も表示する。ステアリング操作などから判断する「ドライバー疲労検知システム」を装備しており、休憩を促す警告もマルチディスプレイに表示される

写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(正田拓也/Photo:安田 剛)
2011年 8月 8日