写真で見るスバル「インプレッサ」


 昨年11月30日に発表され、12月20日より発売されたスバル「インプレッサ」。先代では当初国内発売を見送られていたセダンも同時発売され、5ドアには「SPORT」、セダンには「G4」のサブネームが与えられた。

 また、ステレオカメラを装備した運転支援システム「EyeSight(ver.2)」が、レガシィ以外で初めて設定されたのも注目される。受注開始より1カ月で7157台と、目標の3倍超に達しているが、その内訳ではEyeSight装着グレードが全体の44.4%を占めているというから、その注目度の高さが伺えるだろう。

 新型インプレッサが掲げたコンセプトは「New Value Class」。つまり既存のクラスやカテゴリーにとらわれない新しい価値観の提供だと言うが、新型インプレッサはこのコンセプトを見事に具現化したと言える。

 その外観は、スバルのフラッグシップであるレガシィを彷彿とさせるデザインで、先代と比べると高級感が大きく向上している。室内においても、ダッシュボードなど、手の触れる場所にソフトパッドを採用するなど、質感をアップ。広さもしかりで、後席のニースペースやラゲッジルームの容積など、従来モデルより拡大している。大きくなった現行のレガシィにこそ及ばないものの、先代のレガシィとなら、ひけをとらないと感じるほどのゆとりを持ち合わせている。

 インプレッサがこれほど上質になった背景には、フラッグシップであるレガシィが2.5リッターに大型化したことが挙げられるだろう。インプレッサで従来の2.0リッターのレガシィのポジションまでカバーする必要が出てきたわけだ。一方インプレッサの下をカバーするクルマとして、トレジアが登場したことも、インプレッサを上質化させることを後押ししている。

 その威風堂々としたルックスから、ボディーサイズも大型化したと感じる方も多いと思うが、その実、全長・全幅ともに先代と変わっていない。エンジンはボトムグレードが1.6リッターと、従来の1.5リッターから大きくなっているが、燃費は1.6リッター、2.0リッターともに25%以上向上。また、価格に関しては、154万4000円~233万1000円と、排気量が上がっている1.6リッターモデルでは価格が上がっているものの、たとえば2.0iのFFモデルでは値下がりしたり、2.0i-Sの4WDモデルでは据え置きなど、同グレードで比較すればあまり変わっていない。値段やボディーサイズはそのままに、質感やユーティリティを手に入れた、まさに従来のクラス感にとらわれないクルマになったと言えるだろう。

スポーツ エクステリア

スポーツ2.0i-Sのエクステリア。ボディーカラーはカメリアレッド・パール
スポーツ1.6i-Lのエクステリア。ボディーカラーはサテンホワイト・パール
HIDロービームランプは全車にオプション設定。HIDはオートレベライザー式で、ポップアップ式ヘッドランプウォッシャーが付く1.6i-L以上のグレードに付くメッキ加飾されたスプレッドウインググリルフォグランプは1.6i-L以上のグレードに装備されるが、1.6i-Lのみ、メッキリングが付かない
ドアミラーは1.6リッターモデルがカラードドアミラー(写真左)、2.0リッターモデルがLEDサイドターンランプ付き(写真右)となるAピラーを寝かせたためにできた三角窓は、ドア側に付けることで余分なピラーをなくし、視界を確保
1.6i-Lに付くのは、15インチアルミホイール。タイヤサイズは195/65 R15。フロントブレーキは14インチベンチレーテッドディスクブレーキ。リアは15インチディスクブレーキ2.0i-Sにはブラックハイラスター塗装の17インチアルミホイールと、205/50 R17サイズのタイヤを標準装備。ブレーキはフロントが15インチベンチレーテッドディスク&2ポットキャリパー、リアは15インチディスクブレーキを装備2.0i-Sシリーズにのみ標準装備されるサイドシルスポイラー
ワイパーはモノブレードタイプ。2.0リッターモデルにはオートワイパーも装備フロントワイパーデアイサーは、ヒーテッドドアミラーやはっ水ガラスとセットでクリアビューパックとして設定されるテールランプは先代のクリアータイプから赤いタイプに変わった

スポーツ インテリア

2.0i-Sのインテリア。シートはファブリック/合皮1.6i-L以上のグレードで選択可能なブラックレザーセレクションブラックレザーセレクションにはシートヒーターもパッケージされる
運転席の8ウェイパワーシート。2.0i-Sシリーズに標準装備されるほか、ブラックレザーセレクションに装備インパネ。ダッシュボード上面など、随所にソフトパッドを採用し高級感を演出する1.6i-L以上に標準装備の常時発光式メーター。メタル調シルバーリングが付く
2.0リッターモデルに標準装備の本革巻きステアリング。チルト&テレスコピックは全車標準オーディオ・カーナビ関連のスイッチがステアリングに付くオートクルーズやEyeSightが付く2.0リッターモデルでは、クルーズコントロールのスイッチが付く
ワイパーレバー。2.0リッターモデルにオートワイパーも装備ウインカーレバー。2.0リッターモデルにはオートライトも装備雨滴感知センサー
2.0リッターモデルはシフトパドルを装備2.0リッターモデルのATシフトゲート。Dレンジから右に倒すとマニュアルモードになるが、シフトチェンジはパドルでしかできない1.6リッターモデルのATシフトゲート。Dレンジから右に倒すとLレンジになる
1.6i-L以上に装備されるマルチファンクションディスプレイ。詳細は後述する1.6i-L以上にオプション設定されるキーレスアクセス&プッシュスタート。VDCは全車に、アイドリングストップは1.6i-L以上のATモデルに標準装備フルオートエアコンは1.6i-L以上に標準。2.0リッターモデルでは左右独立調整タイプとなる
センターコンソールにはフタ付きのドリンクホルダー。[S]スイッチは、スロットル特性や変速特性をスポーティな味付けに変更するスイッチ。ATモデル全車に装備運転席ドアのスイッチ助手席ドアのインパネ。iPodやA4サイズのファイルが入れられるポケットが付く
後席(写真はブラックレザーセレクション)。3人分のヘッドレストと3点式シートベルトが付く後席中央のシートベルトは、Dピラー部から伸びるヘッドレスト横のアンカーにより、適切な位置にベルトが来るよう配慮されている
ISO-FIXのチャイルドシートに対応ドリンクホルダー付きセンターアームレストシートバックのレバーで可倒

スポーツ ラゲッジルーム

6:4分割可倒式でアレンジのできるラゲッジルーム。スペアタイヤを廃止し、パンク修理キットとしたことで、荷室高を確保し従来の301Lから380Lへ容量を拡大
サブトランクラゲッジフロア下にパンク修理キットや車載工具を搭載するパンク修理キット
ラゲッジフロア部分を引っかけて、斜めにスロープにすることが可能。重い荷物の出し入れがしやすいように工夫されている

G4 エクステリア

G4 2.0iのエクステリア。ボディーカラーはディープチェリー・パール
G4 1.6iのエクステリア。ボディーカラーはダークグレー・メタリック
2.0iには16インチアルミホイールと、205/55 R16サイズのタイヤを標準装備。ブレーキはフロントが15インチベンチレーテッドディスク&2ポットキャリパー、リアは15インチディスクブレーキを装備1.6iに付くのは15インチスチールホイール。タイヤサイズは195/65 R15。フロントブレーキは14インチベンチレーテッドディスクブレーキ。リアは15インチディスクブレーキ全車標準装備のハロゲンランプ。ポップアップ式ウォッシャーが付かない
1.6iのみのメッキ加飾がされてないグリル2.0i以上に付くメッキリング付きフォグランプ1.6iはフォグランプなし。オプション設定もない
G4のリアビューG4のテールランプトランクフードにはG4のエンブレムが付く

G4 インテリア

2.0iのシート。表皮素材はジャージ/トリコット1.6iのシート。表皮素材はトリコット/トリコット1.6iのステアリング。本革巻きではない
1.6i MTモデルのペダル2.0i-Sシリーズのみアルミパッド付きスポーツペダルが装備される2.0i-Sシリーズを除き、標準装備のシートリフター付き運転席
全車で標準装備となるイグニッションキー1.6iではアイドリングストップも搭載しない。また、ハロゲンライトの場合、レベライザーもマニュアルとなる1.6iのみ、インナードアハンドルもメッキではなくなる
1.6リッターモデルに設定される5速MT。1.6i標準のマニュアルエアコン1.6iにはマルチファンクションディスプレイも設定されない
グローブボックスセンターポケットホイールベース延長分をすべて後席レッグルーム拡大に使っている
G4のリアシート。3名分のヘッドレストや3点式シートベルトはスポーツと同様ドリンクホルダー付きセンターアームレストを装備、ISO-FIXのチャイルドシートにも対応

G4 トランク

G4でも後席分割可倒式によりトランクスルーを実現。トランク容量は従来の420Lから460Lに増やしている
ヒンジアームを最適化し、実用スペースを拡大。さらにトリムで覆うことで、積載した荷物との干渉を防ぐトランク下に車載工具を搭載G4ではスペアタイヤを装備する

マルチファンクションディスプレイ

平均燃費と航続可能距離平均燃費に対する瞬間燃費の状況を示すECOゲージECOゲージの履歴
アイドリングストップの実績外気温と平均燃費、時計表示三連メーター。左から走行時間、平均燃費、走行距離
VDCの作動状況をグラフィカルに表示。時間軸でも作動状況を確認できる
EyeSightの作動状況もグラフィカルに表示

エンジン

水平対向4気筒1.6リッターエンジン水平対向4気筒2.0リッターエンジンインプレッサのために新規に開発されたリニアトロニックCVT
エンジンが完全停止する前に再始動を可能とする新開発のスターターモーターちょうどトランスミッションのシンクロのように、飛び込みギヤがスライドすることで、エンジン停止前でも再始動ができる


写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(瀬戸 学/Photo:高橋 学)
2012年 2月 23日