写真で見る トヨタ「カローラ フィールダー」


 1966年の誕生以来、日本を代表するコンパクトセダンとして進化を遂げてきたトヨタ自動車の「カローラ」。当初、カローラファミリーにステーションワゴンが追加となった際は「カローラワゴン」を名乗っていたが、2000年に登場した9代目カローラをベースとするモデルから「フィールダー」となった。

 新型のキーワードは原点回帰。「大人4人が、安心・安全、快適に長距離を移動できるミニマムサイズのクルマ」をテーマに、ダウンサイジングを果たしつつ、広い室内スペースを確保しているのが特長だ。

 具体的には新型のボディーサイズは4360×1695×1475mm(全長×全幅×全高、1.5G/2WD)と、先代より全長を60mm短縮するとともに全高も5mm低くなった。それに伴い、ホイールベースこそ変わらないものの、最小回転半径を5.1mから4.9mに短縮。加えて、フロントウインドー形状の工夫やAピラーの細幅化、ドアミラー装着位置の変更(ドアコーナー部からパネル部へ)などにより、市街地の狭い道路やパーキングなどでの取り回しは、大きく向上したといえる。

 一方で、室内はリアシートの膝前スペースを40mm拡大することで居住性が向上。ラゲッジルームに関してもリアシート使用時の荷室長を90mm延長したほか、リアシートバックを倒した最大荷室長では410mmと大きく拡大。実用面でも使い勝手が高められている。

 エンジンは先代と同じく1.5リッターと1.8リッターの直列4気筒ガソリンユニットのみが用意される。

 1.5リッターの「1NZ-FE」は先代にも搭載されていたユニット。可変バルブタイミング機構「VVT-i(Variable Valve Timing-intelligent)」の採用はそのままに、新たに燃焼改善やフリクションの低減などを実現する大幅な改良が施されている。さらにミッションを新開発のCVT「Super CVT-i」とすることで燃費を向上。JC08モードで19.6km/L(1.5G/2WD)と、ハイレベルの数値を獲得している。駆動方式は2WD(FF)のほか電子制御式アクティブトルクコントロール4WDも用意。FFには5速MTモデルが用意されるほか、アイドリングストップ機構「スマートストップ」も一部モデルにオプション設定。この場合、JC08モード燃費はさらにアップし21.2km/Lとなる。

 1.8リッターの「2ZR-FAE」はDual VVT-iに加え、吸気バルブリフトを連続的に変化させる「バルブマチック」を採用。先代の後期型にも搭載されていたが、新型への搭載にあたりバルブマチックの改良、フリクションの低減などを実施。ミッションは1.5リッターと同じくSuper CVT-iが組み合わされ、JC08モードで16.6km/Lの低燃費を実現すると同時に、加速性能も向上させている。先代では4WDモデルもラインアップしていたが、新型は2WD(FF)モデルのみとなった。

 グレードは「1.5X」「1.5G」「1.8S」の3タイプ。1.5Xには一部装備を省略して価格を抑えた「ビジネスパッケージ」が、1.5Gと1.8Sにはスポイラーなどを標準装着する「エアロツアラー」が別途設定されている。

 撮影車両は1.8リッターモデルの標準仕様となる1.8S。ボディカラーはスーパーレッドV。価格は202万5000円。

5ナンバーサイズで全長も4.4m切るコンパクトなボディーだが、スマートsで存在感のあるスタイリング
フロントグリルには「トヨタ」エンブレムではなく、「カローラ」のエンブレム先代と異なりヘッドライトとグリルが連続したデザインとなったドアミラーはウインカー内蔵タイプ。ドアパネルマウントとすることで前方コーナー部の死角を低減
ドアハンドルはグリップタイプ。メッキが組み合わされるのは1.8リッターモデルのみフューエルリッドは左サイド。1.5リッター、1.8リッターともにレギュラーガソリン仕様でタンク容量は42Lアンテナは短めのロッドタイプ
リアゲートは内装トリムとインナーを一体化するとともに外板も樹脂化。約2.5kgの軽量化と部品点数の減少を実現している
リアゲート右側にはグレードを示すバッジ。1.5リッターのアイドリングストップ付モデルには「スマートストップ」のエンブレムが付く左サイドには車名バッヂリアワイパーは全グレードに標準装備
1.8リッターモデルには「HIDビューアシストパッケージ」が標準。エアロツアラーはスモークタイプになるポジションランプ点灯時ロービーム点灯時。オートレベリング機構も備わる
ハイビームでは4灯点灯になる。周囲の明るさを検知してハイ/ロービームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」機能を搭載ウインカー点灯時
リアコンビランプにはLEDを採用。順にポジション、ブレーキ、ウインカー、バックギア。リアフォグはオプションでバンパー内に装着
ハイマウントストップランプ付リアスポイラーは全車に標準1.8リッターのバルブマチック付ユニット。最高出力103kW(140PS)/6200rpm、最大トルク172Nm(17.5kgm)/4000rpmを発生「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」の認定を取得
アルミホールは全グレードオプション設定。タイヤサイズは1.8リッター車が185/60R15、1.5リッター車は175/65R15マフラーはシングルテールタイプ
シンプルでスッキリとしたインストルメントパネル。細いAピラーとパネルマウントサイドミラーなどにより視界が広いのが特長1.8リッター車は本革巻きステアリングが標準。スポークにはオーディオやディスプレイ操作用のスイッチが付く1.8リッター車のシフトノブは本革巻き。マニュアル感覚のシフトチェンジが行える7速スポーツシーケンシャルシフトマチックも採用
CVTのシフトタイミングを変えスポーティな走りを可能にする「SPORT」モードを用意全車スピーカーのみのオーディオレス仕様。写真尾「NSDD-W61」はディーラーオプション1オートエアコンには運転席側の吹き出し口から微粒子イオン「ナノイー」を室内に放出する機能を搭載。花粉除去モードも備える
1.8リッター車には「スマートエントリー&スタートシステム+盗難防止システム」を搭載。1.5リッター車ではプッシュスイッチ部がコインポケットになるオプションのETC車載器はインパネ右下に
スピードメーターを中央に据えた3眼メーター。下部には各種情報の表示が可能な「マルチインフォメーションディスプレイ」が付く。右はライト点灯時
マルチインフォメーションディスプレイの表示。走行時間や航続可能距離、平均/瞬間燃費、外気温などの表示が可能助手席前にはグローブボックスに加えアッパーボックスを用意
センターコンソールボックスは上部にトレイが付く2段式。フタを兼ねるアームレストは前後スライドが可能(1.8リッター車のみ)
サイドブレーキ横にDC12Vソケットを用意「HIDビューアシストパッケージ」は自動防眩ミラーもセットになるサンバイザー裏にはバニティミラーを用意
1.8Sのシート表皮はスエード調トリコット/ブルーブラックシート調節は手動式
リアシュート中央には収納式アームレストを装備
トノカバーは全車に標準装備。前側はリアシートヘッドレストにクリップで固定するシンプルな構造
先代より90mm長く、109mm広く、49mm高くなったラゲッジルーム。リアシート使用時でも407リットの容量があるが、6:4分割可倒式のリアシートを倒せば872リットルまで拡大できる
リアシートバックにはワンタッチ格納機構を搭載。ラゲッジルームサイドにあるレバーを引くだけで、カンタンにアレンジが可能。小物の固定に便利な格納式デッキフックも
ラゲッジのフロア下にトレイを用意。トノカバーも収納可能トレイの下にはパンク修理キットやツールが収まる。スペアタイヤはオプション



写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(安田 剛)
2012年 7月 24日