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レッドブルホンダ、F1モナコGPで優勝 ホンダは1992年のセナ以来、フェルスタッペンはモナコ初優勝

F1第5戦モナコGPで優勝したマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 1992年のF1モナコGPは、F1の長い歴史の中でも歴史的なレースとして記憶されている。この年に最終的にチャンピオンになるナイジェル・マンセル選手(当時)がタイヤトラブルで後退した後、トップに立ったマクラーレン・ホンダのアイルトン・セナが猛追するマンセルをしのぎきって優勝した。実はそのレースはホンダがF1モナコGPに優勝した2021年以前の最後のレースだったが、ついにそれが今年のモナコGPで更新されることになった。

 優勝したのはマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)。これでフェルスタッペン選手は7位に終わったルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)を抜き、自身初めての、そしてホンダが2015年にF1復帰して以来の初めてポイントリーダーに浮上した。

 今回のモナコGPは決勝レースのスタート前から波乱が起きた。予選のQ3でクラッシュして赤旗を出したがそれまでのタイムでポールポジションを獲得したシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)がレコノサンスラップ(スターティンググリッドにつく周回)でクルマのリアエンドに異常を感じ、ピットガレージに戻りチェックしたところ、左リアのドライブシャフトが破損していることが発覚し、それを修理することができず、リタイア第一号になってしまった。これによりレースはポールポジションが空いた状態でスタートすることになった。

 モナコではコース上での順位が何よりも優先されるため、スタートで前に出ることは重要になる。ポールがいない2番手グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)は、3番手からスタートしたバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)を完全に押さえて1コーナーにトップで入っていった。レースの序盤はほぼ予選順位どおりにレースが展開し、抜けないサーキットであるたけに大きな動きがないレースになった。

Qualifying Highlights | 2021 Monaco Grand Prix

2位のボッタス選手がリタイア、危なげないレースでフェルスタッペンがモナコGP初優勝、ペレス4位、ガスリー6位、角田16位

 レースが大きく動いたのは30周前後にピット作業が開始されたタイミング。2番手を走っていたバルテリ・ボッタス選手がピットインしたところ、右フロントタイヤが外れず、タイヤ交換ができないトラブルに見舞われて、そのままガレージに入れられてリタイアになってしまった。

 その後上位勢がすべてタイヤ交換した後で、トップを走っていたフェルスタッペン選手もピットに入り、このレース唯一のタイヤ交換を終えてトップのままコースに戻ることになった。

 レッドブル・ホンダのもう1台、セルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)は、ピットストップを伸ばす作戦で徐々に順位をあげピットストップで4位に戻ることに成功し、スタートの8位から大きく順位を上げることに成功した。

 アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー選手は、スタートで5位とルクレール選手がいなくなった分の順位を維持してスタートし、序盤は6位のメルセデスのハミルトン選手を従えて周回した。しかし、タイヤ交換で、アストンマーティンのベッテル選手に先に行かれてしまい6位。しかし、そのままメルセデスのルイス・ハミルトン選手(33号車 メルセデス)をレース終了まで押さえきった。

 アルファタウリ・ホンダのもう1台となる角田裕毅選手は予選16位からスタートして、順位を実質2つ失い、序盤はウイリアム勢の続く17位を周回した。角田選手はハードタイヤをチョイスし、他のチームがピットストップする間に順位をあげる作戦に出たが、スタートでウイリアムズに抜かれてしまったことで、ウイリアムズに詰まってしまい、順位を上げることができない状況が続いた。ウイリアムズ勢がタイヤ交換でいなくなった後は、タイヤ交換をして直前にピットアウトしてきたアルピーヌのフェルナンド・アロンソ選手(14号車 アルピーヌ・ルノー)にひっかかり、結局順位をゲインできないままタイヤ交換を迎えることになり、再びウイリアムズ勢の後ろになり最終的に16位でゴールを迎えた。

 結局レースはそのままゴールを迎えることになり、優勝はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手でモナコGP初優勝。2位はボッタス選手のリタイアで順位を上げたカルロス・サインツ選手(55号車 フェラーリ)、3位はマクラーレンのランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・メルセデス)となり、レッドブル・ホンダのもう一台セルジオ・ペレス選手は4位。5位はセバスチャン・ベッテル選手(5号車 アルトンマーティン・メルセデス)、6位はアルファタウリ・ホンダのガスリー選手となった。

 このレースを迎えるまでポイントリーダーだったルイス・ハミルトン選手は予選順位と同じ7位となり、ポイントリーダーから陥落して2位になった。これでレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手がポイントリーダーとなった。

 また、コンストラクターズタイトルでも逆転し、レッドブル・ホンダがトップに立った。ホンダパワーユニットを搭載したマシンをドライブするドライバーやチームがポイントリーダーになったのは、ホンダが2015年にF1に復帰してから初めて。

F1第5戦モナコGP 決勝結果(暫定)

順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
133マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ781時間38分56秒82025
255カルロス・サインツフェラーリ78+8.968秒18
34ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス78+19.427秒15
411セルジオ・ペレスレッドブル・レーシング・ホンダ78+20.490秒12
55セバスチャン・ベッテルアストンマーティン・メルセデス78+52.591秒10
610ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ78+53.896秒8
744ルイス・ハミルトンメルセデス78+68.231秒7
818ランス・ストロールアストンマーティン・メルセデス77+1周4
931エステバン・オコンアルピーヌ・ルノー77+1周2
1099アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ77+1周1
117キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ77+1周0
123ダニエル・リカルドマクラーレン・メルセデス77+1周0
1314フェルナンド・アロンソアルピーヌ・ルノー77+1周0
1463ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス77+1周0
156ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス77+1周0
1622角田裕毅アルファタウリ・ホンダ77+1周0
179ニキータ・マゼピンハース・フェラーリ75+3周0
1847ミック・シューマッハハース・フェラーリ75+3周0
NC77バルテリ・ボッタスメルセデス29DNF0
NC16シャルル・ルクレールフェラーリ0DNS0

ドライバースポイント F1第5戦モナコGP終了時

順位ドライバー車両ポイント
1マックス・フェルスタッペンNEDレッドブル・レーシング・ホンダ105
2ルイス・ハミルトンGBRメルセデス101
3ランド・ノリスGBRマクラーレン・メルセデス56
4バルテリ・ボッタスFINメルセデス47
5セルジオ・ペレスMEXレッドブル・レーシング・ホンダ44
6シャルル・ルクレールMONフェラーリ40
7カルロス・サインツESPフェラーリ38
8ダニエル・リカルドAUSマクラーレン・メルセデス24
9ピエール・ガスリーFRAアルファタウリ・ホンダ16
10エステバン・オコンFRAアルピーヌ・ルノー12
11セバスチャン・ベッテルGERアストンマーティン・メルセデス10
12ランス・ストロールCANアストンマーティン・メルセデス9
13フェルナンド・アロンソESPアルピーヌ・ルノー5
14角田裕毅JPNアルファタウリ・ホンダ2
15アントニオ・ジョビナッツィITAアルファロメオ・レーシング・フェラーリ1
16キミ・ライコネンFINアルファロメオ・レーシング・フェラーリ0
17ジョージ・ラッセルGBRウイリアムズ・メルセデス0
18ニコラス・ラティフィCANウイリアムズ・メルセデス0
19ミック・シューマッハGERハース・フェラーリ0
20ニキータ・マゼピンRAFハース・フェラーリ0

コンストラクターズポイント F1第5戦モナコGP終了時

順位チームポイント
1レッドブル・レーシング・ホンダ149
2メルセデス148
3マクラーレン・メルセデス80
4フェラーリ78
5アストンマーティン・メルセデス19
6アルファタウリ・ホンダ18
7アルピーヌ・ルノー17
8アルファロメオ・レーシング・フェラーリ1
9ウイリアムズ・メルセデス0
10ハース・フェラーリ0
モナコGPのスタートシーン マックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool
笠原一輝