レビュー
KeePer技研の「樹脂フェンダーキーパー」を8年目の「CX-5」に施工してみた
2021年7月9日 05:45
メディア向け試乗会でひと目惚れして購入したマツダ「CX-5」。そのポイントにはカメラマンという職業柄、どうしても走行距離が多くなることから、デキのイイディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」の存在があったのは言うまでもない。
それから8年。その間、2016年には2代目となる新型が登場したものの、乗り換えを検討するまでには至らず。最近は公共交通機関を利用することが増えたためあまり伸びなくなったものの、走行距離は12万kmをオーバー。エンジン交換など細かな(?)トラブルはあったものの、取材のアシとして日々活躍してくれている。
ただ、さすがに気になる部分も出てきた。それは走りや居住性……、などではなく外装の無塗装樹脂パーツの“白ボケ”。いまでは廃盤となってしまった「ジールレッド」のボディはそこそこのキレイさを保っているだけに残念感が漂ってしまう。この白ボケは紫外線による劣化が主な原因らしく、屋外駐車の我が愛車は避けて通ることができない試練だ。加えて「SUVらしさ」を演出するパーツということもあって、前後バンパーをはじめフェンダーやドア下部などボディに占める面積が広いだけに見た目への影響は大きく、さらにクルマに乗ろうとすればイヤでも目に付いてしまうのだからたちがわるい。
何とかしようと樹脂パーツ用の浸透保護剤を使ってみたこともあるけれど、塗った直後はよく見えるものの長持ちしないし、部分的にムラになってしまうなど逆効果な面も。何かいい手はないかと掲示板やSNSを眺めてみると同様の不満を持ったオーナーが多いらしく、「あれがいい」「これがいい」なんてネタがいくつも目に付く。ただ、調べてみるとその手のケミカルは意外と高く、「下処理が必要」やら、「重ね塗りベター」やら、と以外に手間が掛かりそうな印象。で、結局手つかずのまま時間ばかりが過ぎていくことになった。そんなある日、編集部から届いたのが「“樹脂フェンダーキーパー”っていうのがあるんですけど、試してみます?」ってオファー。渡りに船とばかりに2つ返事でOKしたのは言うまでもない。
樹脂フェンダーキーパーってナニ?
いつもながらに前置きが長くなってしまったけれども、本題に話を戻そう。今回のお題となる「樹脂フェンダーキーパー」とは、洗車やコーティングでおなじみ「KeePer」が、この4月中旬から開始したサービスだ。
ケミカルをフェンダーなどの無塗装樹脂に塗り込むことで、樹脂に浸透して白ボケを解消するとともに皮膜を形成。同時に配合された「二酸化チタン」粒子が紫外線フィルターとして効果を発揮し、長期間の保護を実現するという。カタログによれば「最新のトレンド、無塗装樹脂フェンダー、樹脂バンパーのしっとりとした質感を、1年間確実に守ります」とのこと。
キレイになるだけでなく、それが長期間持続するとは、なんとも魅力的な話ではないか! と、期待しつつ施工日を待ったのだった。
今回、施工を担当して頂いたのは「KeePer LABO トレッサ横浜店」。店舗は大型商業施設「トレッサ横浜」内で、しかもカー用品店「ジェームス」に併設されているから、当日可能な作業なら待ち時間も楽しく過ごせるはず。今回は樹脂パーツの面積が広いため、所要時間はおよそ2時間。通常は50分程度の作業時間とのことだから、家族連れで出かけても時間を持て余して困るなんてことはないだろう。
短時間の作業で樹脂パーツが復活!
作業はまず洗車から始まる。このあたりはボディのコーティングと一緒で、汚れや脂分を落とすことでより確実に効果を発揮させるためのもの。水洗い、洗剤を使った泡戦車……、もとい洗車を経て樹脂部分を脱脂していく。最後にプラセーヌとエアガンを使って水分を飛ばして準備は完了。普段、門形の洗車機専門で手洗いなどとは無縁なためか、これだけでも十分にキレイになった印象を受ける。プロのワザは偉大だ。
メインディッシュとなる樹脂フェンダーキーパーの作業は、専用のスポンジに透明のケミカルを染み込ませ、ワックス掛けなどと同じように塗っていくだけ。が! 塗った直後に白ボケが解消。さらに乾いたクロスで拭き上げると、新品のような色が復活! 下品にテカテカすることもなくシットリとした仕上がりは、まさにうたい文句通りの美しさ。「こんなにカンタンにキレイになっちゃうの?」と、正直ちょっとビックリしてしまった。
気になる価格は樹脂フェンダーキーパーのケミカルを1パウチ使用するごとに5800円。SUVのように樹脂面積が広いクルマは2パウチ以上必要になるようだ。ちなみに今回のCX-5の場合、劣化が激しかったこともあって3パウチ使用したので1万7400円になった。それにプラスして事前準備に必要な洗車費用(CX-5の場合LLサイズなので3240円)が加わるので、すべて合計すると2万640円。クルマの大きさ的にも、経年車であることを考えても、これがほぼMAX金額と言えそうだ。
これを高いと感じるか安いと感じるかは個人差があると思うけれど、自分的には十分アリだと感じられた。効果の“持ち”に関しては今のところ未知数ながら、これだけ劇的な効果があるならこの時点でナットクできる金額。自分で何とかしようと悩んでいた時間はまったくもってムダだったなぁと思う反面、ヘタに自分で手を出さなくてよかったなんて安堵の気持ちも。
作業後は硬化に6時間ほど要するとのことながら、「ホールド」作業を行なうことで雨の日でも施工可能とのこと。前述の通り事前に洗車も必要となるため、雨が降っていても問題なく作業が可能となる。ちなみに樹脂フェンダーキーパーの施工はKeePer LABOは全店対応、「KeePer PRO SHOP」では順次対応予定とのこと。予約なしで作業可能な場合もあるけれど、KeePer LABOではWebから予約すると5%オフになる特典もあるから予約した方がベターだろう。
作業場から駐車場にクルマを出して眺めてみると、樹脂部分の白ボケがなくなって全体的に締まった印象が復活。8年落ちだけに当然“新車並み”とはいかないものの、ヤレた感じが払拭されたのは大きい。経年車には間違いなく効果絶大だ。また、たとえ新車であっても限らずこうした樹脂パーツの白ボケは避けて通れない問題。余裕があるなら新車時から施工しておくことで劣化を抑えることも可能になり、作業費用も抑えることができるからオススメだ。
とても費用対効果が大きかった樹脂フェンダーキーパーだけれども、ただ、1つだけ問題が発生。それは樹脂部分が復活したせいで、ヘッドライトのくすみが目立つようになってしまったこと。あぁ、次はここに手を付けないと……。