クルマと私
ドライビングインストラクターのお仕事はメーカー系ではアウディでしています。楽しい体験ができると思いますので、ぜひお越しください! |
「どうしてそんなにクルマが好きになったのですか?」とよく質問されます。私がクルマを好きになったきっかけは、走らせることへの興味を抱いたときから始まったと言えるでしょう。
私のファーストカーは親に買ってもらったコンパクトカーでした。公共の交通手段に乏しい環境で育った私にとって、プライベートカーの出現はまさに自分の行動を自由にする“足”として、それはとても感動的な出会いでした。
当時は自由に移動できるというだけでクルマに対するこだわりはなく、しかしクルマが持つあの独特のプライベート空間感を最初に味わった瞬間は何とも嬉しく、今でも忘れられません。そこで初めの頃は“土禁”(車内では土足禁止)が当たり前。ダッシュボードやシートには選び抜かれたぬいぐるみが鎮座し、私の移動を心地よく盛り上げてくれました。
ところが“ドライビング=操縦“に目覚めるとクルマとの付き合い方が変わります。土禁をやめ、ダッシュボード上のぬいぐるみを自宅待機させたときから、周囲からはちょっと変わった女子と思われるようになりましたが、私自身は楽しくてしかたありませんでした。
当時の私の愛車は、現代のコンパクトカーに比べれば色気も味気も装備も少ないクルマです。1人の娘が日常の足として乗るのに扱いやすいコンパクトカーでしたが、いわゆる“走る・曲がる・止まる”に興味を持つと、そんなモデルでも運転がどんどんと楽しくなり、もっと速く走る方法や、速く走れるクルマへと興味が広がり、とうとう私のクルマ熱はレースに参戦するまでに発展するほどに……。ちょっと変わった女子という印象はOL時代も同様だったと後に上司から聞かされたことがあります(レースのことばかり考えていましたから……)。
クルマは走行している姿が最も美しい! 昨年、世界的に有名な憧れのクラシックカーイベント「GoodWood Festival of Speed」に初めて行ってきました |
走らせることへの興味はその後、ドライビングスクールのインストラクターへのお誘いを受けてから大きく変わりました。それまで私が少しずつながら感覚と経験で積み上げてきたドライビングスキルや認識をより理論的に高めるチャンスをいただき、単に好きというだけでなく、より冷静にクルマと向き合うようになったと実感しています。
それらの経験が自分のクルマ選びにも影響しているのは間違いありません。実用性の高さを重視しつつ、やはり走行性能に優れたクルマを好む傾向があります。もちろん色気や味気も大事。個性や自分なりのこだわりを盛り込んだクルマ選びを、気付けばしています。
一方で、以前イタリアでクラシックカーラリーに参加させていただいたことがきっかけで、私の興味は旧いクルマにも広がっています。1/1(実車)はとても高価ゆえ購入は夢の夢……。おかげで少しずつですが1/87のサイズの主に欧州クラシックカーのミニカーの数が増え続けています(笑)。
加えて、クルマ好きですが、人も好きです。クルマ好きにも色々なタイプがいます。コレを読んでくださっている皆さんはどんなタイプでしょう。私はクルマはもちろんですがカーライフを楽しんでいる人たちとお会いするのも大好き。新しいタイプに出会うと「(好きな理由 or こだわり理由は)ソコですかぁ」と興奮し、クルマ談義が止まりません。
標高4301mの高山で行われる「Pikes Peak Hill Climb Race」取材中の1カット。今年も行ってきます! |
この度、こんなワタクシが“自動車ダイアリー”をスタートさせていただきます。
私自身が見てきたこと、聞いたことなどを紹介させていただこうと思っております。楽しくもときには真面目に……。現代のクルマにわるいクルマなどありません。さらに安全であることはもちろん、環境への配慮がルールでありモラルとしても求められる世の中。あらゆる性能面でクルマはどんどんと進化を続けていると同時にクルマ自体が変化もしています。では文化や人は?
そんなアレコレを書いてまいります。どうぞ、よろしくお願いいたします!
(飯田裕子 )
2011年 6月 3日