【第9回】私をイチゴ狩りに連れてって、の巻


品種は章姫(あきひめ)。静岡の代表的なイチゴです

 もうすぐホワイトデーですわね。毎年お返しを何にしようか悩んでしまうという方も少なくないのではないでしょうか。そんな殿方のために、今回はゆきぴゅーとエイミーが勝手にシミュレーションして参りました。目指すは「石垣イチゴ」で有名な静岡県の久能周辺。そうです、今回はイチゴ狩りに行ってきましたの。イチゴが好きではないという女子はあまりいません(と思います)。しかも目の前が海という絶好のロケーションだったら喜ぶこと間違いなし!(のハズ)。これを読んで今年のホワイトデーの参考になさってみてくださいませね。

 というわけで、2人が乗った車は東名高速を軽快に一路、西へ。

「今日の車は、れがしーつーりんぐわごん、ですわね!」
「そ、そうですけど。どうしたんですか、ゆきぴゅーさん。いつもはあんまり車のことにはふれないのに」
「だって、れがしーつーりんぐわごんって有名ですわよね」
「ええ、まぁ……ってか、どういう基準で有名って言ってるのかわかりませんけど」
「昔からあるですわよね。よく地元の長野で見ましたわ」
「そうですか……ゆきぴゅーさんにとってはなじみのある車なんですね」

 静岡ICで降りて国道150号に出るとそこは爽やかな海岸線のルートが続きます。

「この道は、通称“いちごライン”とか“いちご海岸通り”なんて呼ばれているみたいですよ」
「あっ、エイミー。イチゴ園がたくさん見えてきましたわよ。そしておそろいのジャンパーを着たおねいちゃん達が旗を振ってますわ」
「この時期の名物、呼び込み合戦ですね」

 しばらく走ると、前方に今回お世話になるイチゴ園さんの目印、こいのぼりが見えてきました。

東京ICから静岡ICまでは約160km、2時間のドライブ。それにしてもグルメ隊のロケはいつも快晴ですわね見えてきました、目印のこいのぼり。こちらが今回お世話になる「マル豊いちご園」さんです南向きの傾斜地に連なるようにして建てられているイチゴのビニールハウス
マル豊さんにはこのハウスがなんと125棟もあるんだそうです売店からハウスまで案内してくれる“苺ガール”(>ゆきぴゅー命名)。「苺は茎の部分をこうやって折って取って下さいね♪」ハウスの中はイチゴの香りでいっぱい。イチゴ狩りって嗅覚、視覚、味覚が一度に満たされるんですのね

 売店で受付を済ませると、ピンクのジャンパーを着た係員さんが裏の山のほうに連れて行って下さいますの。ほんの3、4分坂道を歩いただけなのに駿河湾が眼下に一望できます。

「お客様はこちらのハウスになります」
「わぁ~、中はポカポカですわね」
「石垣栽培って初めて見ましたけど、本当にこうやって積まれた石垣の中で苺が栽培されているんですねぇ」
「腰を下ろさなくても目線の位置に苺があるから食べるのも楽ですわね。っていうかわたくしたち、この中のイチゴどれだけ食べてもいいってことですのよねっ!?ねっ!?」
「そんなに意気込んで、またこの前のパフェみたいに途中黙りこくるんじゃないですか、ゆきぴゅーさん」
「今日は大丈夫ですわ。だってイチゴですもの。それじゃさっそくいっただきまーす!……(もぐもぐ)うわっ、あまーい!」

 酸味がまったく感じられず、これぞ完熟!といったイチゴの味ですの。頂いた練乳の存在をすっかり忘れてバクバクと食べまくってしまうほどです。

石垣栽培とは、コンクリートのブロックを積み上げてその間に苺の苗を植える方法。久能周辺の石垣イチゴの歴史は明治時代まで遡ります最初に1人1つずつもらえる練乳のカップ。終わってしまってもマル豊さんではおかわり自由なんですの!「章姫」はこの細長い粒の形が特徴。甘みがあってやわらかく酸味が少ない品種です
あっちに行ったりこっちに行ったりと移動しながら食べるゆきぴゅーとは違って、エイミーはいくつか取りだめてまとめて食べる戦略受粉という大切な仕事をやってくれているのはミツバチさん。彼らのおかげでおいしいイチゴが食べられるんですのね水はコンクリートの隙間に埋められている水道ホースから供給されます

 その後、無我夢中で取っては食べ取っては食べしていると、すぐ下のハウスを見まわりに来ていたマル豊苺園のご主人、川﨑豊太郎さんが声をかけてくださったので、少しだけお話をうかがうことができました。

「マル豊さんはいつ頃からイチゴ園をやってらっしゃるんですの?」
「30年くらいかな。親父の代からでね、わたしは定年して専業になったんですよ。下の売店にいたのがカァチャンと息子。親戚の子もバイトで働いてもらってます」
「ご家族でやられているんですのね。イチゴ栽培って温度管理とか大変だと思いますが、一番こだわっていることは何ですか?」
「うちは微量ヨウ素を補給して甘さを一定に保つように管理してます。肥料はもちろん有機肥料ですよ」
「だからこんなに甘いんですのね。ところでイチゴ狩りは1月から5月下旬までできるそうですが、一番美味しいのはいつ頃なんでしょう?」
「イチゴはね、一番寒い時が一番美味しいんです。まさに今ですよ」

 たくさんの花をつけるイチゴはそのままにしておくと粒が小さくなってしまうので、花をまびく“摘花作業”をやるそうですが、これが手間のかかる仕事なんですよ、とのこと。1粒1粒が大きくそして甘く美味しくなるように管理してくださっているイチゴ農家の努力の賜物なんですのね。

一体いくつ食べたんですの~???大満足のイチゴ狩りでございましたマル豊苺園ではイチゴ狩りをしたお客様に野菜や果物などのお土産サービスを実施中。ただし野菜類は時期によって変わりますうーん、満腹満腹。それにしてもこの海岸通りのドライブ、サイコーですわね
この日のラストは、パークウェイを使って景勝地として名高い日本平へドライブ。日本平動物園や久能山東照宮など一日楽しめる観光地です日本平頂上の電波塔シルエット。静岡県の地上デジタルテレビの拠点なんだそうです沈む夕日を見ながら「ステキなホワイトデーありがとう♪」と彼女や奥さまに言われるに違いない一日(のはず)。これを参考にステキなホワイトデーをお過ごしくださいませね

「知ってました?ゆきぴゅーさん。イチゴってビタミンCがとっても豊富で、5、6粒食べれば1日の必要摂取量になっちゃうんですって」
「へ~、そうなんですの」
「しかも他の果物と比べて低カロリーなんですよ。私達、今日はビタミンCをた~くさん摂ったから美肌に一歩近づきましたよね」
「でもエイミー。高カロリーな練乳を3杯もお代わりしているようじゃ、あまり意味無いんじゃないですの???」

「ううっ、見られてたんですね……」

行ったところ
マル豊苺園http://www7.ocn.ne.jp/~marutoyo/
静岡県静岡市駿河区安居326
TEL:054-237-1877
営業時間:平日10時~17時、土日・祝:9時~17時
無料駐車場有り(30台)
予約可能(団体予約も可)
休日:不定休
アクセス:東名高速道路 静岡ICより約20分。東京方面からは清水ICからでもOK
料金:
1月8日~3月31日 大人1800円
4月1日~5月末日 大人1200円

・ウリはなんといっても練乳おかわりの無料サービス!
・4月と5月は一家族にイチゴ1パックを無料サービス
・4月1日以降は、ホームページにある特別御優待券をプリントアウトして持っていくと大人料金200円引き

 


より大きな地図で静岡県静岡市駿河区安居326を表示

 

このクルマでドライブしました!

スバル レガシィ ツーリングワゴン 2.5GT

クルマ音痴のゆきぴゅーでも知っている、日本が誇る万能ステーションワゴン。ひと回り大きくなった最新型は、お土産を満載してもまだ余るほど荷室が広大。2.5リッターターボエンジンで、静岡まで余裕の走りでした。


プロフィール

ゆきぴゅーゆきぴゅーおふぃしゃるほーむぺえじ
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。


エイミー
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。この連載のおか げで最近お腹に肉がついてきたとかで、ジムに通い始めたらしい。毎回イラストで自分が描かれているので「近頃、洋服に気を遣うようになってきたんです」と 本人談。その前に赤いバンダナをなんとかしたほうがいいんじゃないですのと思う今日この頃。


2010年 3月 3日