10万円、10年落ち、10万km超の軽バン買いました
第4回 予想外に暑くなった夏、軽バンを涼しくする方法を考えてみた
2022年7月8日 00:00
順調に軽バンとの生活が進んでいて、移動にも、サブオフィス的にも便利に使えている状況だった。ところが、6月から急に気温が高くなり、締め切ったクルマの中はとてもそのままでは過ごせない状況になってしまった。今回はその暑さを少しなんとかする方法を考えた。
通常走行時には効果のある透明シート
サブオフィス的な使い方の前に、まず、クルマの本分は走行することなので、運転時の快適性を上げる施策を実行した。軽バンは広い空間をもつため、どうしても空調の効きがわるくなる。冬なら車内が温まるまで時間がかかり、夏なら涼しくなるまでの時間がかかる。
そこで、より空調の効きをよくするため、運転席と助手席の後ろに仕切りを作ってみた。
材料は100均で売っているもので、透明のテーブルクロス、そしてカーテン用のクリップ。目隠しカーテン用にカーテンレールとなる突っ張り棒を装備しているので、今回かかった費用は220円。前回買った突っ張り棒を入れても385円で完成だ。
作り方というほどのこともないが、単にカーテン用クリップで透明テーブルクロスを吊るだけ。カーテンと違ってヒダを付けずにピンと張ることで、後方視界も確保できる。また、できれば、マグネットテープを使ってBピラーの鉄部分にくっつけることでより空気の遮断が確実になる。
使ってみると、エアコンを入れてから涼しくなるまでのタイミングが明らかに早い。フロントシートしか空間のない軽トラ並みだ。そして、完全に密封しているわけでもないので、荷室が全く冷えないことはなく、時間がたてばフロントシートと同じくらいの温度になっていく。フロントまわりと完全に隔てるよう隙間をなくすなどの工夫をすれば、空調にかかるエネルギーが節約できるので、トータルで燃費をよくすることも可能かもしれない。
どうせ暑さにはかなわないので、涼しい時間に活用
サブオフィス的な使い方に戻るが、考えてみれば夏場のクルマの中は、締め切っていれば人が命を落とすほど暑い場所。リアはガラスにフィルムを貼っているのでまだマシな感じだが、大きな空間が夏の日差しで暖められれば温室になってしまう。
その対策として軽バンではDIYで断熱処理などをしている方も多く、ネットで検索すると多くの例を見つけることができる。よくある方法は防音もセットで施されており、天井にカーオーディオ用の制振材をはり、その上に断熱材を貼るというものだが、まともな材料を使うと数万円かかってしまう。かといって簡易なものではあまり効果はないようだ。
数万円まではいかなくても、天井だけでも制振材と断熱材を張り巡らすと1万円はかかってしまう。そこまでするなら、天井に投資するよりも別の方法を優先したほうがいいのではないかと考えるようになった。
これは筆者の例なので、実際の断熱処理の是非とは別に考えてほしいのだが、うちのクリッパーのボディカラーは白。そのため、意外にボディは熱くならず、冷えるのも早い。例えば、快晴で風もないとなれば室温は上がっていくしかないが、太陽が陰ったり、風の強い日は気温くらいまで表面温度が下がってくる。
黒っぽいクルマのような暑さはなく、そして、エアコンをガンガンかければ荷室のほうまで冷えるのは、そんな時間はかからない。10分も走行すれば、室内も冷えるし走行風でボディも熱いというほどでもなくなる。
しかし、いくらボディが熱くなりにくくとも、真夏にエアコンをつけずに車内で仕事をするのはきつい。今はアイドリングで放置するのはいろいろ問題のあるご時世なので、結局のところ車内の断熱性能を上げたとしても、炎天下のオフィス利用はどうあがいても無理となる。
それならば、炎天下の利用はあきらめ、朝夕や日陰での利用に限定、それでもそのままでは暑いので、扇風機などのお世話になるのもいいのではないかと考えた。
一応、天井の内張りを剥がし、気休め程度に100均で買ったアルミ保温シートを挟んでみたが、目立った効果は感じられなかった。室内の温度は天井からの熱だけではなく、側面からもあり、密閉した車内ではどんどん熱がこもっていくということになるからだ。
そこで、車中泊をメインにしない筆者の方針では、断熱性能を充実させるよりも扇風機+換気で涼を取る方向に決めた。扇風機があれば、炎天下は無理としても朝夕や日陰ではサブオフィス的な利用が可能になる……ハズだ。
USB扇風機を使ってみる
どこのご家庭にもあるであろうUSB扇風機をまず持ち込んでみた。モバイルバッテリとセットで使えば、クルマのバッテリに関係なくモバイルバッテリがもつ限り使えるからだ。USB扇風機も大きめのものならば風力は意外に大きく、机の上に置いて顔や上半身に当てるだけけっこう涼しくなる。
換気という意味ではサイドのスライドドアを開放しておけば、かなり効果がある。筆者の場合、USB扇風機を使うなら気温が28℃近くまでなら許容範囲。秘匿性の高い会議などドア開放の音漏れが心配なら、ヘッドホンなどをして、自分がしゃべることに注意しておけばいいだろう。もっとも、周囲に誰もいない場所なら大丈夫だ。
ただし、暑さに耐えられるかどうかは個人差やシチュエーションによっても違ってくる。この使い方でも暑くてもたない人もいるかもしれないし、自分の場合ならオンライン会議に上着とネクタイを付けて参加、というようなことになれば、暑さに耐えられないかもしれない。
本格的な扇風機を使うために外から電源を引いてみる
次にもう少し快適に過ごすなら本格的な扇風機を導入する方法がある。そのためにはAC100Vの電源を用意しなければならない。最も簡単な方法は、インバーターをクルマのシガライターソケットに接続、そこから100Vを得る方法だ。この方法ではエンジンをかけていなければ車両のバッテリを消費していき、長く使えばエンジンがかからなくなるという問題がある。
うちのクリッパーは幸いにして、バッテリは55B19Lがついている。本来なら34B19Lのようだが、寒冷地で使っていたクルマということもあってか、大きめのものを搭載してあったのだ。大きめのバッテリを装着することは発電系統に負担がかかるかもしれないので、むやみにやることではないが、バッテリが大きいことで、エンジンを切った状態で電装品を使う上での安心感が違ってくる。
そして、もうひとつの方法がある。自宅駐車場や、電源のとれる車中泊用のキャンブ場などでの限定方法だが、電源を車外から引き込む方法がある。。
これならば使用時間を気にせずに使えるほか、扇風機だけでなくノートPCもバッテリ駆動時間を気にせずに利用できる。そして、インバーターで作るより高出力になるため、冬なら電気ポットでお湯を沸かしてホットのお茶やコーヒーを作ることもできる。
引き込む方法は、単純に開けたドアから延長コードで引き込む方法もあるが、クルマに外部からの電源入力コネクターを設け、車内にコンセントを設置する方法がある。ホンダのN-VANやキャンピングカーなどに用意されている仕組みで、ドアを閉めてもコードが挟まらず、容量も余裕で電気を使うことができる。
クリッパーにも車内にコンセントを付けてみたが、まだ試行錯誤なところがあるので、いずれまた紹介したい。
そして、勘のいい方なら気づいていると思うが、扇風機を使うために必ずしも100Vに変換する必要はない。最近では「DCモータ」タイプと呼ばれ、ACアダプターで駆動するタイプもあるので、これを直接バッテリで駆動する方法も考えてみたい。
せっかくなので夕涼みをしてみた
コンセントを使った扇風機は使える場所や時間が限定されてしまうが、コンセントを使わないUSB扇風機なら時間や場所を選ばずに使える。特に夕方、少し気持ちのよい場所で仕事をしてみたいなどの場合に有効だ。
気温は少し下がって25℃くらいだったが、これくらいならドア開放までしなくても窓を少し開け、USB扇風機で風を回しておけば十分涼しい。これならば軽バンの車内で仕事をするというよりも、眺めのよい場所でゆったり過ごすのもわるくない。
今回はオイル交換をしてみた
さて、今回のトラブル紹介は、トラブルではないが、ちょうどオイル交換時期でもあり、エンジン音もさらにうるさくなってきたのでオイルを交換した。2011年のクリッパーの場合、指定は0W-20か5W-30。前回は1月ごろに交換したため柔らかい0W-20としていたが、今回は気温の高い季節なのと、0W-20では少しエンジンのメカ音がかなり大きい感じだったので硬めにしたい希望があった。
用意したのはホームセンターの特売になっていたカストロールのGTXウルトラクリーン。以前はXF-08と呼ばれていたものの後継で、部分合成油であることも同じ。グレードは最新のSPに対応しているため、スラッジが発生しにくくなっていることなど性能的に新しい。部分合成油だが厳しいSPグレードに適合しているので、安心して使えるだろう。
交換は特に難しいことはなく、フロントタイヤを板に乗り上げさせてクルマの下に潜りやすくしたうえで、17mmのソケットでドレンプラグを外してオイルを排出させ、オイルフィルターも交換、ドレンを閉めて新しいオイルを入れていくだけ。注意することといえば、助手席側からオイルを入れるため、車内にオイルをこぼさないことくらい。
オイル交換後はエンジン音も静かになり、以前のXF-08のようなねっとりとしたフィーリングが得られている。もともと高回転型の3G83エンジンが少し上質になるとともに、スムーズに上まで回ってしまいそうに感じた。走行距離が10万kmを超えたエンジンのため、各部のクリアランスも摩耗で広がっている可能性もあり、5W-30のほうが合っていたのかもしれないが、今回のオイルで様子をみながら次回のオイルを考えたい。