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スライドドアじゃなくても使い勝手のいいチャイルドシートを求めて

ジャンピングハーネスが便利!! カーメイト「エールべべ・クルット6i グランス」を使ってみた

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子供が1歳になるタイミングでカーメイトのチャイルドシート「エールべべ・クルット6i グランス(グランブラウン)」を導入

 ワタクシごとながら、愛娘が生まれて1年になります。そして、子供が生まれるといろいろと入り用になりますが、中でもクルマ乗りにとって欠かせないのがチャイルドシート。これまでは無縁だったチャイルドシート、実際に使うとなるとどれを選んでいいのか悩んでしまいますね。そして今回、あらたにカーメイトのチャイルドシート「エールべべ・クルット6i グランス」を導入したので、今回はそのレポートをお届けします。

 我が子は1歳になると言いましたが、実は以前は別のチャイルドシート(ベビーシート)を使っておりました。それが、子供が生まれる前にいろいろと調べて導入した「マキシコシ」というブランドの「ペブル」というシート。チャイルドシートは種類によって適応する年齢が決まっていますが、このペブルは新生児向けのベビーシートで0か月~15か月が対象。一般的なチャイルドシートが0か月~4歳ぐらいまで対応することを考えると、使用できる期間は短くなります。ですが「首もすわっていない新生児には新生児向けに作られたベビーシートがいい」とのうたい文句に「そうなのか」と思っての選択でした。

 幸い事故を起こすことはなかったので、安全面での性能は分かりませんが、実際に使ってみて、このタイプは使い勝手がよかったです。このベビーシートはハンドルが付いたバスケットのような形になっていて、赤ちゃんを乗せたまま持ち運ぶことができるようになっています。そしてこのベビーシートごと、クルマに装着するという形です。固定はシートベルトでもできますが、専用にISO-FIX対応の車載用ベースメントが用意されていて、ベビーシート本体はベースメントにワンタッチで脱着することができます。ロックがちゃんとできると音で知らせてくれるので、脱着のミスも未然に防げます。

 運転中はよく寝てくれる子供だったので、ベビーシートごと寝かせたままクルマから降ろせて、そのまま部屋でも寝かせておけるというのは非常に便利。出かけた先でもベビーベット代わりになるし、エアバギーというベビーカーと合体させてベビーカーとして使うこともできる。ベビーカーとして使う時には対面式になるし、手の届きやすい高い位置に赤ちゃんが来るので、新生児向けベビーカーとしても使い勝手に優れていると思いました。

新生児からつかっていたマキシコシ「ペブル」。ベビーシートごと脱着できて、部屋や出先でバウンサー代わりにもなります
車載用ベースメントがあればベビーシートをワンタッチで脱着できます
さらにベビーカーと合体させてベビーカーにもなる「ベビートラベルシステム」という考え方で作られています

 ということでこれはこれで結構使い勝手に満足していましたが、子供が健康にすくすくと育ってくると問題が出てきました。

 というのも、なにしろ重い。

 ベビーシート本体の重さが4kgオーバー。子供が10kg近くなってくると合わせて14kgほどなので、持てなくはないけどしんどい重さに。特に我が家の愛車はマツダ「アテンザ」のセダンタイプ。スライドドアではないので、狭い駐車場などで無理な体勢のままクルマから乗せ降ろしするのが結構大変になってきました。

 ということでサイズ的にはまだ使えそうでしたが、親の体力的に次のチャイルドシートにステップアップすることにしました。当初、次のステップとしてオススメだと聞いていたのは、9か月ぐらいから12歳ぐらいまで使えるロングユースタイプのチャイルドシート。確かにそれならばその後は買い換え不要なのでコスパに優れます。

 ただしこのタイプの問題点はシートが回転しないこと。ミニバンタイプならばそれでもなんとかなるのかもしれませんが、セダンではシートが前向きのまま子供を乗せ降ろしするのは、ドアが全開にできる駐車場でもなければ無理。子供によっては1歳ぐらいでけっこうしっかり立って、自分から乗ろうとしてくれる子もいるらしいですが、ウチの子はようやくつかまり立ちできたぐらいなので難しいです。

 そこで導入したのが今年5月に発売されたばかりのエールべべ・クルット6i。これ自体で新生児から使うことができるので、最初からこれにしておけばよかった気もしますが、先にも書いたとおりベビーシートも使い勝手はよかったので後悔はしていないです。

 このクルット6iを選んだのはもちろんその名前のとおりクルッと回転するから。繰り返しになりますが我が家はセダン。ドアを全開にできないシチュエーションは多いので、乗せ降ろしの際に回転してくれることは必須でした。

レバー1つでクルッと360度回転して、新生児は後ろ向き、大きくなったら前向き乗車が可能
座面の前方にあるレバーを回すと回した方向にシートが回転。レバー自体が取っ手になるので自然に使えます
前向きの場合はシートも3段階でリクライニング
クルット6i グランスの場合LLサイズの大きなサンシェードがつきます
メッシュの窓が1箇所設けられています

 回転するチャイルドシートは他社にもありますがこの製品を選んだ理由は跳ね上げ式のベルト「ジャンピングハーネス」を使っているところ。実は同じような機能がこれまで使っていたベビーシートにもあってとても便利に感じていたので、この機能があるのは決め手になりました。これがあると赤ちゃんを乗せたときにシートベルトが下敷きになりにくくなります。これは乗せる度に気を使う部分なので、結構重要なポイントだと思っています。

ジャンピングハーネス。ベルトのキャッチを外すと勝手にベルトが跳ね上がってくれます。これは便利!!

 ほかにも取り付けミスで本来の性能が出せないのはいやなのでISO-FIX対応であることも条件でした。また、我が子は汗っかきなので通気性のよさそうなもの、カバーなどがまるごと外して洗えるというのもポイントです。もちろん安全性という面でも側方からの衝突に対して安全性が強化されているのがポイント。クルット6iは最新の規格であるR129には対応していないのが残念ですが、実際に使う身になると、安全性だけでなく使い勝手のよさも重要だと感じています。ジャンピングハーネスなどの使い勝手を踏まえると個人的には現時点でベストの選択かなと。今後はクルットシリーズでもR129対応のチャイルドシートが出てくるのかもしれませんが、こればっかりは待てるものではないので。

分かりやすくするため室内で装着状態をイメージ。ISO-FIX対応なので、ベースの後方に伸びる2つのコネクターとフロアに付くサポートレッグで固定されます。シートベルト固定のような曖昧さがないので安心できます
コネクター部。車両側の金具に正しくロックされると赤いインジケーターが緑に変わります
Wサポートレッグ。こちらもしっかりとフロアで支えられるとインジケーターが緑に
カバーはすべて取り外して洗濯可能。汗はもちろんなにかをこぼしても安心
背中側のカバーを外したところ。のぞくとエアホールになっていて熱が抜けやすくなっているのが分かります
じつに1695個のエアホールで熱やムレが抜けやすい

ジャンピングハーネスとクルッと回転でセダンでも使いやすい!!

 ということで実際に現物を見た第一印象は「デカい!!」。これまで使っていたベビーシートと比べると2回りぐらい大きく感じます。これは今までと違って気軽に脱着というわけにはいかなそうです。

 ものが大きいだけに運ぶのにも車内を入れるのにも気を使いましたが、装着自体はISO-FIXなので簡単でした。カチャンカチャンとロックされるので最初に説明書さえ読んでおけば迷うことはないと思います。分かりやすく確実に固定できます。

付属のフィックスガイド
フィックスガイドをISOFIX取り付け金具に差し込む
念のためチャイルドシートでシートに傷が付くのを防ぐという市販のカバーをつけています
チャイルドシートを運び入れます。これが一番大変
フィックスガイドに差し込む形で左右のコネクターを押し込み、インジケーターが緑になればロック完了
コネクターレバーを引きながら本体を背もたれに押しつけてロックします
サポートレッグをフロアと突っ張るまで伸ばす
キチンと本体を支えた状態でロック(インジケーターが緑)になれば完了
装着方法は本体にも書いてあるので、もし説明書をなくしても大丈夫

 そして実際に装着してみて分かったことですが、意外にも前後方向については、それまで使っていたベビーシート+車載ベースメントの組み合わせよりも短いようで(形状の相性もありますが)、運転席を一番後ろまで下げてもチャイルドシートにぶつかることがありません。ベビーシートのときはシートバックがぶつかってしまうので一番後ろには下げられなかったので、これはちょっと驚きでした。

 ただし回転させると背もたれの部分がドアにこすれます。こすれるだけで回転できないワケではないですが。

後ろ向きの装着状態。前席のリクライニング状態によりますが、筆者のポジションだとシートを後ろに下げても干渉しませんでした
クルッと回して前向き乗車の状態
乗せ降ろし用の横向き状態。ただし走行時は前向きか後ろ向きでの使用になります
向きによっては背もたれがドアに接触。ただし柔らかい素材なので引っかかって回らないということはないです
大きなサンシェードですが室内高の低いセダンでも干渉しませんでした
後ろ向きでサンシェードを閉めた状態。これなら日中でも暗くして寝られそうです

 で、実際に使ってみての感想ですが、これまでと比べて子供の重さだけなので、乗せ降ろしの際の重さは当然軽くなりました。ただ、クルマに乗せる前にシートベルトを締められた今までのスタイルとは違って、クルマに行ってからシートベルトを固定するというのに慣れが必要でした。

 ただ、これも使っているウチにだんだん慣れてきました。ジャンピングハーネスのおかげで最初からベルトが開いている状態なので、スムーズに乗せられます。降ろすときにベルトを緩めておくと、降ろすときにもベルトが引っかかりにくく、次に乗せるときもラク。ベルトの脱着はもちろんベルトを引っ張って締め付けるときも、体に対してシートが正対した位置にくるのでやりやすいです。

 また、狭い駐車場でドアが全開にできないような状況でも、斜め後ろになるようにシートを回転させれば、思いのほか乗せ降ろしがラクにできました。ただし、そういう場合は無理にドアを開けて乗せ降ろしするのではなくて、シートを車内方向に回転させて隣の席から乗せ降ろしできることが分かりました。なので、最近はもっぱらその方法です。ミニバンのように室内高に余裕はないですが、子供もベルトを外すと降りるというのが分かるようで、体を前に乗り出してくるので、意外とクルマの狭さは問題になりませんでした。

シートを正対できるので乗せ降ろしもベルトの脱着もラク
シートベルトの長さは足下のベルトを引っ張ることで調整できます
クルッと回転させると正しい位置(前向きか後ろ向き)でロックされます
後ろ向きでの乗車状態。初めてのチャイルドシートにやや不安げ
前向きの乗車状態。隣に乗るママの顔が見えなくなるので、今のところ後ろ向きのほうが好きなようです
ドアが開けにくい時には隣の席からでも乗せ降ろしできて便利!!

 それと、この頃の子供はなんでも口に入れがちです。特に肩ベルトのあたりはぜっこうのおしゃぶりポイントですが、その部分にも脱着可能なパッドが付いているので容易に洗えます。構造的にはシートのカバー全体を外して洗えるようにもなっていますが、さすがに全部外すのはそんなに気楽にはできないので、こういうベルトの部分だけ外せるというのはけっこう便利です。

すぐに口に入れるベルトのパッド部分は簡単に外して洗えるので便利

 最初は今までと違うシートに少し戸惑った表情をしていた娘ですが、すぐになれて、今はもうシートベルトを付け終わるまでおとなしく待っているようになりました。さすがに汗はかいていますが、背中の部分のパッドが「カルファイバー」という通気性に優れる素材を使っているのと、本体自体も1695個のエアホールが開いているので、下ろした後にさわってみても背中のあたりの熱のこもり具合が少なく感じます。

背中のパッドにカルファイバーを新採用したおかげか、背中の熱のこもりが少なく感じます

 そろそろ前向きにしてもよい頃なので、ときどき前向きにして使っていますが、今はまだ後ろ向きのほうが落ち着くようで、前向きだと機嫌がわるくなることも。そんなときもクルッとすぐに後ろ向きにできるで、そんなところも便利に感じています。

 ちなみに我が家の子供はすでに1歳ごろだったので使いませんでしたが、新生児向けに背中の部分や頭の部分のスペースを埋めるクッションも豊富についていて、特に我が家で使っていたベビーシートと比較しても、新生児からまったく問題なく使えそうです。

衝撃吸収性の高い50mmの「2層衝撃吸収クッション」を用いた「ヘッドサポート」で新生児でもしっかりと頭部を保護
お尻の部分のパッドもあって、新生児向けの寝た姿勢でホールドできます
シートベルトの高さもかなり広い範囲で調整可能で、身長100cm、年齢で4歳頃まで対応(写真は分かりやすくするためにカバーを外していますが、カバーを外さなくても調節できます

 現在使い始めてから1か月程度になりますが、やっぱりジャンピングハーネスはすごく便利!! 最初はそれまでと違うベルトの締め方にすこし戸惑いましたが、今は慣れました。それに回転することで使い勝手はすごくよくなりますね。正対した状態でシートベルトをロックしたり締めつけたりできるので、無理なく正しい形でベルトが締められて安心して使えます。どんな安全なチャイルドシートでもシートベルトがちゃんとできていなければ意味がないですからね。これからチャイルドシートを検討している人は、一度お店などで試してみることをオススメします。

編集部:瀬戸 学