目に見えない鉄粉がボディーに刺さる
「鉄粉ツルピカキット」
メーカー:プロスタッフ
価格:1600円

 

プロスタッフの「鉄粉ツルピカキット」

 あまり洗車をしないクルマをたまに洗車すると、洗車のスポンジなどがボディーに引っかかるような感触を感じることはないだろうか? その原因はボディーに刺さった、目には見えない細かい鉄粉だ。先日実家に帰った際、親のクルマを洗車したのだが、洗車中にこのスポンジが引っかかるような感触があったので、鉄粉除去をすることにした。

 鉄粉は鉄道の線路や、工事現場などのそばにクルマを止めていると、特にひどくなると言われる。どうやら上から降りかかっているらしく、筆者のこれまでの経験だと、ボンネットやルーフ、トランクの上などが酷く、ドアやフェンダーなどの側面は大したことのない場合が多い。

 また、クルマのブレーキからも鉄粉は出ていて、スポーツ系のブレーキパッドを付けているクルマでは、ちょうどサイドステップやドアの下の方に鉄粉が刺さる。以前このあたりが茶色っぽく変色しているクルマを見たこともあった。最初、原因が分からなかったのだが、実は自分のブレーキから出た鉄粉がボディー側面に刺さり、さらにそれが錆びて茶色っぽく変色していたのだ。クルマをコーティングに出したところ、鉄粉除去をしてきれいに変色がなくなった。

 その鉄粉除去の方法としては、大きく2つの方法がある。ホイールクリーナーなどでよく使われる薬剤によって溶かす方法と、ねんどを使って物理的に鉄粉をそぎ落とす方法だ。プロの洗車業者の場合はというと、この2つを併用する。鉄粉除去能力はねんどのほうが強力だが、ねんどはその除去した鉄粉によってボディーを傷つける可能性があるとのことで、最初に薬剤である程度溶かし、残った鉄粉をねんどで払拭するのだと言う。

薬液で鉄粉を溶かす鉄粉リムーバーとねんどがセットになっている

 普段はねんどしか使わない筆者だが、今回はかなりひどいのでこのダブルパターンをやってみることにした。プロスタッフの「鉄粉ツルピカキット」という、薬剤とねんどがセットになった商品が売っていたのだ。

 まずはクルマを洗車し、ボディー表面に付いたホコリなどをきれいに取り除く。このときボディーパネルが熱い場合は、多めに水を掛けてパネルを冷やしておこう。また薬剤が乾くと変色したりする可能性もあるので、夏の炎天下などでの作業は避けること。

 ボディーパネルの水分を拭ったら、鉄粉リムーバーというスプレーボトルに入った薬剤をよく振って拭きかけるわけだが、ポイントは、まずボディーの目立たないところで試してみること。特にイエローやオレンジ系の色では変色することもあるらしい。注意書きによれば、スズキ「スイフト」のチャンピオンイエローなどや、輸入車がNGとなっている。

 問題がなければスプレーをまんべんなく吹き付ける。薬剤が乾燥するのを避けるため、パネルごとに作業する。最初はボンネットに吹き付けていくが、これが容量が50mlしかなく、ボンネットだけで半分ぐらい使ってしまった。同社からは「鉄粉スポットスプレー」という容量の多い製品が出ているので、ボディー全体に施工するには、こちらを買ったほうがよさそうだ。

 スプレーして1分もすればボディーに付着した薬液が紫色に変色する。これが鉄粉に反応している証。もし変色しないのならば、そのクルマにはあまり鉄粉が刺さっていなかったということだろう。

普段はほとんど洗車もしないブルーバードシルフィ。まずは洗車してホコリを落とすボディーパネルの水分を拭き上げる鉄粉リムーバーをボンネット全体に噴霧。これだけでボトルの半分まで使ってしまった
吹き付けるとすぐに紫色に色が変色するあっという間にボンネット全体が紫色に変色した。鉄粉が刺さっている証拠だ

 続いてこの薬液を水で流しながらねんどでボディーパネルを撫でていく。このときゴシゴシと擦る必要はなく、ねんどの自重だけで撫でるくらいでよい。また、水分がないとねんどが引っかかるので、まめにねんどを濡らすか、ホースなどで軽く水を掛けながら作業しよう。スポンジ含ませた水を絞りながらでもよい。

 ある程度撫でているとねんどが黒っぽくなるので、そうしたらその部分を内側に織り込むように練って、新しい面で撫でる。ピッチやタールなども、ちいさなものであればねんどで擦るときれいになる場合もある。

 最後にもう一度水できれいに薬液を流したら、同様にルーフなども行う。ドアパネルなどは鉄粉リムーバーが足りなくなったので、ねんどだけで施工した。

ボディーをねんどで撫でるようにする。力を入れる必要はない撫でている面が汚れてきたら、その面を内側に織り込んで、新しい面で撫でよう
水分がないとねんどが引っかかるので、片手に水を含ませたスポンジなどを持っているとよいだろうちょっと強めに擦ると小さなピッチなどを落とすこともできる
最後に薬剤が残らないようにきれいに水ですすげば完了。後はワックスやコーティングなどを掛けておこう指で触っただけでもスベスベになっているのを実感できたねんどは乾燥しないよう付属の袋にしまっておく。しかし袋が小さく、ねんどが張り付いてしまい上手くしまえなかったので、台所用のラップでくるんでおいた

 ねんどで水アカなども落ちると言われるが、今回のクルマは水アカがこびりついてしまっていてあまり落ちた様子はない。なので見た目的にはさほど変わった感じもしないが、手で触ってみると、そのなめらかさは実感することができた。たばこのパッケージのフィルムなどで擦るとよく分かるのだが、今回はもとが酷かったので、手で触っても分かるほどだ。

 ねんどでボディー全体を撫でるのはそれなりに時間はかかるが、力のいる作業ではないので、その割には楽だ。鉄粉は目には見えないから分かりにくいが、ボディー表面にざらつきを感じるようなら、試してみるときっと満足できるはずだ。

(瀬戸 学)
2010年 10月 8日

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