トピック

D-SPORTのパーツで「コペン GR SPORT」をカスタムできるのか?

「ルーミー」に流用できるダイハツ「トール カスタム」用エアロも登場

コペン GR SPORTをカスタムしたい!!

 2019年10月15日、コペン GR SPORT 販売開始。

 この発表に驚いたクルマ好きも多かったはずだ。それまでGRの名を冠するクルマは、当然のこととしてトヨタ由来のクルマだけだった。そこに(ダイハツ工業の)コペンのGR仕様が加わるというのだから、驚くなという方が無理な話だろう。と同時に、カスタム好きが気になるのは、「コペン GR SPORTは、ベースのコペン同等にイジれるのか?」ということではないか? そこで、ダイハツディーラーでも取り扱いがある、ダイハツ乗りおなじみのブランド「D-SPORT」に話を伺ってきた。

 その前にまず、コペン GR SPORTのポイントをおさらいしておこう。“気持ちいい走り”を求め専用チューニングを施し、さらにエクステリア、インテリアも専用仕様としたモデルだ。外装は分かりやすい。前後バンパーは一新され、オープンモデル故に外からでも見えるシートはレカロ、ステアリングはモモを採用。走りに関する部分でも、フロア下の補強パーツの追加(専用フロントブレース)や形状変更(専用センターブレース)により剛性バランスの最適化を徹底。さらに、この剛性バランスに合わせて足まわりも専用スプリング&ダンパーを組み合わせている。電動パワーステアリングも専用でチューニングするなど、コペン GR SPORTはなかなか手の込んだ仕様なのである。

専用のバンパー&グリルなど外装・内装にも専用品を与えられているが、注目したいのは走りに関する部分。コペン GR SPORTはボディ剛性や足まわりのチューニングを中心に仕上げられているのだ。一方パワーアップ系は手を付けていない

 最初の問いに戻ろう。コペン GR SPORTは、ダイハツ コペン同等にイジれるのか? この問いへの答えは、「多くの部分を同じようにカスタムすることができる」である。

 もちろん前後バンパーは形状が違うため、リップスポイラーの互換性はない。しかしD-SPORTでは、現在対応品を開発中。コレが完成した暁には、“GRパーツ”として前後バンパーは単品購入が可能なので、既存のコペンオーナーが愛車を“GR化”し、そこにD-SPORTのGR専用リップを装着する……ということもできるようになるわけだ。

 機能パーツは、そのほとんどが使用可能とのこと。当然D-SPORT製品も、サス関連、補強関連を筆頭に装着自体は問題ない。だが、先述のとおり、コペン GR SPORTにはフロントブレースが追加され、専用のセンターブレースが奢られているため、ここをいきなり換えるオーナーは少ないと思われる。そこで注目なのがD-SPORTの誇るモーションコントロールビーム(MCB)。フロア下の補強とバッティングすることなくプラスアルファの補強が可能で、さらにダンパー機能があるため固め過ぎない。しなやかさも保持できる補強パーツなので、ストリートスポーツとして磨き上げられたコペン GR SPORTとの相性もよさそうだ。

 パワーアップ系に関しては、コペン GR SPORTでは特に触れられていない。つまり、D-SPORTの吸排気パーツ、ラジエーター、サブコンといったアイテムの転用はかなり効果的だということ。しかも、マフラーに関して言えば、今年発売されたばかりのフジツボとのコラボモデル「D-SPORT×FUJITSUBOスポーツマフラー」はローブやセロのみならずGRスポーツでも認証を取得。車検を気にせず、安心して使用することができる。その他のラインアップも、随時認証を取っていく予定だという。

D-SPORTのデモカー。コペン GR SPORTのように見えるが、実は前後バンパーを移植したフェイスリフト車。既存のD-SPORT製前後リップスポイラーはバンパー形状が異なるため装着はできないが(今回も非装着)、ボンネットなど使用できる外装パーツも存在する。既存のコペンに対しても、ローブ、セロ専用アイテムがあるなど、ラインアップは豊富だ
エアロボンネット(カーボン仕様 13万8000円:税別)はローブ用がGR SPORTと共通。後端に設けられたダクトは各純正色が選べる。純正色メインでカーボンのアクセントがあるFRP仕様(12万5000円:税別)の設定もある
サイドスカート(未塗装 4万7000円/純正色塗装 8万1000円:税別)もローブ用と同じものが装着可能
トランクスポイラー(カーボン仕様 9万2000円:税別)もローブ用がGR SPORTに装着できる。他にFRP仕様(6万9000円:税別)も設定
D-SPORT × FUJITSUBO スポーツマフラーは、ローブ、セロとともにGR SPORTでも認証を取った専用品番を用意。焼き色のついたブルーテール(8万5000円:税別)とポリッシュ仕上げ(7万3000円:税別)の2種類をラインアップ
MCB(モーションコントロールビーム)は一般的なタワーバーと同じ位置に付き、わずかに動く“しろ”があるのが特徴。走行時に起こるボディの変形や振動を抑制する効果がある。写真はフロント用(4万3000円:税別)だがリア用(3万7000円:税別)も用意される
PIVOTとのコラボで完成したサブコン「POWER DRIVE」(3万8000円:税別)は、カプラーオンで手軽にパワーアップできる秘密兵器。ダイヤルで9段階の調整ができる(推奨は7)
ブレーキのフィールを改善するマスターシリンダーストッパー(1万6000円:税別)は、隠れた人気商品だという
フランスのオーディオメーカー、フォーカルとコラボしたスピーカーキット(6万3000円:税別)の設定もある

 キャプションで述べたとおり、撮影車の黄色いD-SPORTのコペンは“GRルック”である。しかし、D-SPORTでは本物のコペン GR SPORTも導入済みで、現在そのポテンシャルを見極めるべく、テスト走行を繰り返しているのだという。D-SPORTの松尾氏は「実際に走って、何が効果的か、またGR専用でチューニングを変えるべきか、検討を進める」と話す。ゆくゆくは、例えばコペン GR SPORTに最適化したMCBのようなものをリリースすることがあるかもしれない。これは既存の“ダイハツ コペン乗り”にとっても選択肢が増えることになるわけだから、気になるポイントかも!?

大阪オートメッセに展示されたのは本物のコペン GR SPORTをベースにしたデモカー。開発中のパーツが装着されていた
GRバンパーにフィットするように作られた開発中のリップスポイラー。フォグランプ部にもスポイラーが装着される
リップ中央にはD-SPORTのロゴ
フロントバンパー上部、通常エンブレムが着く部分もボンネットと同じ織り目のカーボンとすることでより迫力ある顔つきに
リアバンパーもサイドにスポイラーが装着される

 とはいえ、コペン GR SPORTであっても、今の時点ですでにトータルでカスタマイズできる品ぞろえがD-SPORTにはある。しかも、コペン用のD-SPORTパーツと言えば、コペン開発者までもが関わって開発されているのだから、その性能はお墨付き。しかもダイハツディーラーでも扱われるクオリティなのだから、この安心感は貴重だ。

トール用最新エアロも開発!

D-SPORTの新型エアロを装着したダイハツ「トール カスタム」

 コペン GR SPORT向けパーツを鋭意開発中のD-SPORTだが、新たにダイハツ「トール カスタム」用エアロパーツも完成した。4月発売予定だが、今回それに先駆けて撮影することができた。まずは写真を見ていただきたいのだが、このトール カスタムのスタイリング、ダイハツファンならば記憶にある人もいるかもしれない。実は新作エアロのデザインモチーフは、2018年の東京オートサロン、ダイハツブースに展示されていたコンセプトカーなのである。2年の時を経て待望の市販化となるわけだ。ボディ色に加え、赤ライン、場所によってはブラックを組み合わせたスポーティな装いが特徴的で、写真のようなクラシカル&スポーティなホイールを組み合わせれば、イイ感じに仕上がる(ホイールはワーク製)。

 そして、お気付きの方もいるだろうが、このトール カスタム用エアロも、トヨタ車に使用できるのだ! ダイハツ トールの姉妹車であるトヨタ「ルーミー」のカスタムGとカスタムG-Tにも装着可能。なぜ一部のグレードに限られるのかというと、純正のリップスポイラーの上から装着するタイプだから。そのためルーミーでもリップスポイラーの装着されていないグレードや、あるいはスバル「ジャスティ」にも対応しない。逆に言えば純正リップを確保できればジャスティにも装着できてしまうわけだ。

 そのエアロだが、フロント、サイド、リアのロアスカートタイプとなる。しかしながら差し色の入った2トーンカラーのおかげで、見た目の印象は大きく変わる。カラーは純正色を用いた2トーンカラーの他にボディ色モノカラーのモデルもあるので、もっとさりげなくドレスアップしたい人の選択肢にもなるだろう。また、無塗装品もあるので、オリジナルの2トーンとすれば、またひと味違った個性が演出できそうだ。

2トーンカラーのエアロで大きく印象を変える
フロントロアスカート(未塗装 4万6000円/純正色塗装 6万5000円:税別)
サイドスカート(未塗装 6万3000円/純正色塗装 9万4000円:税別)
リアロアスカート(未塗装 5万2000円/純正色塗装 8万円:税別)
スポーツマフラーCD feat.5ZIGEN(9万9000円:税別)。NA専用でトヨタ タンク/ルーミー、ダイハツ トール、スバル ジャスティにも装着可能
フロント約20mm、リア約15mmローダウンするA-SPECスプリング(2万7200円:税別)とショートストロークのスポーツショック(6万8000円:税別)を装備

 このようにD-SPORTは、コペン用、トール/タンク/ルーミー用を中心にその他、PIXIS用もラインアップしていて、全国のトヨタディーラーのGR Garage(一部店舗を除く)でも取り扱いがスタートしている。「ダイハツ車をもっと楽しく」「ダイハツ車の走りをもっと輝かせる」をうたうD-SPORT。今ではコペン GR SPORTなど、ダイハツ車以外のプラスアルファのクルマも“もっと楽しく”することができるのである。

 最後になるが、ダイハツ車オーナーにとっては恒例とも言える「D-SPORT CUP」は、今年も4回の開催を予定している。オーナーたちに楽しみの場を提供しながら、オーナーの声を聞く機会としても活用している。D-SPORT CUPのような場を活かして、よりよいパーツを生み出していくわけだ。なお、確認したところD-SPORT CUPは、コペン GR SPORTやトヨタ タンクなどでの参加もウェルカムだという。D-SPORTの活動は、ダイハツ車オーナーはもちろんのこと、コペン GR SPORTやタンク、ルーミーのオーナーたちも注視しておくとよいだろう。