トピック

クルマのサブスク「KINTO」は何がメリット? 利用者が語る本当のトコロ

クルマのサブスク「KINTO」について座談会を行なった

 クルマのサブスクリプション「KINTO」は、トヨタ・レクサス・SUBARUの新車や一部中古車を取り扱っているカーリースサービスだ。「クルマは所有するもの」という昭和・平成の価値観から「必要なときに効率的に利用する」という令和のスタイルへ。クルマを取り巻く環境が激変する中で、クルマのサブスクであるKINTOはどのようなメリットがあり、どんな層の人にとって最適なのだろうか。

 そこで、KINTOを実際に利用している方、かつてクルマを現金一括で購入したのち売却した経験を持つ方、そして実家のクルマを時々借りる程度の未所有者という、まったく異なる立場にある3名に集まってもらい、その会話からKINTOのメリットを探ってみた。

KINTOは自動車保険もメンテナンスもすべてコミコミのカーリース

 最初に、KINTOについて説明しておきたい。「クルマを持つ」という方法にはいくつかの方法がある。まず「購入」という方法があり、それも一括払いと分割払いがあり、分割にしても販売店に任せる方法や銀行で借りて支払う方法、そして払い方も通常ローンや残価設定クレジット(いわゆる「残クレ」)などがある。ほかには法人がよく利用するカーリースがあり、そして今回紹介するサブスクがある。

 そのサブスクと言ってもサービスによって異なるが、代表的なサブスク事業者の1つがKINTOになる。KINTOの大きな特長は、月額料金の中に車両代金だけでなく、任意保険、自動車税、登録諸費用、そして車検を含む定期メンテナンス費用がすべて「コミコミ」で含まれている点にある。利用者が負担するのはガソリン代と駐車場代くらいという極めてシンプルな構造だ。

 クルマを所有するとなると、一般的には維持するための税金や保険などの金額的な面のほか、車検整備などの費用もかかってくる。クルマを持っている人ならわかるが、クルマを持つということはクルマそのものの購入代金と燃料代だけではなく、購入時からいくつかの税金と任意保険などがかかる。そして維持するにしても税金と任意保険は切っても切り離せず、さらに毎年の点検や車検と、まとまった金額を払う場面が何度もある。

 しかも、燃料以外の消耗品の維持管理もばかにできない。オイル交換はもちろん、細かなものまで考えると維持の手間は少なくない。しかも有料のメンテナンスパックなどに入っていなければそのたびにお金がかかる。また、オイル交換にしてもどこに依頼するか、金額はいくらか、などと考えると、やらなければいけないこと、考えなければいけないことは多い。

 KINTOのサブスクはそこまですべてコミコミのサービス。このようなサービスはどうしても割高に思えてしまう人も、すべてコミコミということは頭に置いて考えてほしい。

KINTOのサブスクはマイカーにかかる費用がコミコミ&定額

サブスクから購入、実家のクルマまで三者三様のカーライフ

 今回、お話を伺った3名は、まさに三者三様。KINTOを使っているのは森田さんのみで、もう1名の秋好さんは普通にクルマを購入し、さらにもう1名のゆうかさんはクルマを所有せず、実家のクルマを借りたり、レンタカーなどを必要なときだけ使ったりしている。

KINTOについて立場が違う3人に集まってもらった
座談会参加者
  • 森田さん(KINTO利用者)
     30代の森田さん。以前は10年近くペーパードライバーで、旅行先でレンタカーを借りる程度。ところが現在の住まいへの転居を機に、日常の買い物や家族の送迎などのためにクルマの必要性を感じ、KINTOで「ヤリス クロス」を契約した。
  • 秋好さん(一括購入と売却経験者)
     20代の秋好さんは、軽自動車を乗り継いだあと「クラウン スポーツ」を現金一括で購入。しかし、転勤で都心に近くなり、月々の高い駐車場代や使用頻度の低下からいったん売却。今後については検討中。
  • ゆうかさん(未所有・社会人3年目)
     20代のゆうかさん。現在は実家のクルマを週に2~3回、ジム通いや買い物に利用。旅行などでレンタカーの利用も多い。自分でクルマを持つことには憧れがあるものの、維持費をはじめとする煩雑さから、購入に踏み切れていない。

 さらに、進行役として、モータージャーナリスト橋本洋平氏、元カーディーラー営業で現在はクルマの購入ローンや維持費に頭を悩ませている編集部の北村も加わり「本当に自分に合ったクルマの持ち方とは何か」という議論がスタートした。

クルマの保有に関わる面倒なことを手放せる解放感

 実際にKINTOを利用している森田さんは、このサービスを選んだ決定的な理由として「手続きの簡便さ」を挙げる。クルマに詳しくない人にとって、任意保険の比較検討や毎年の税金の支払い、消耗品の管理などは非常に高いハードルだ。

KINTOを利用している森田さん

「トヨタの正規販売店でメンテナンスを含めて全部やってくれますし、KINTOの契約には任意保険も入っています。もろもろの詳しい知識がなくても駐車場代とガソリン代以外は全部コミコミだったので迷わず選びました」と森田さんは語る。

 その対比として語られたのが、自身のクルマの維持費に頭を悩ませている編集部 北村の現状だ。駐車場代、ローン、保険料、自動車税を合わせると、毎月の負担は12~13万円にも達しているという。

 対して、森田さんのKINTOでの支払額は、ボーナス払いを併用しながらも月々3万2000円程度。さらに、値上がりが激しいタイヤやワイパーゴムの交換までもが料金に含まれており、定期点検に持っていけば「消耗品の減り具合まで見てくれて、勝手に替えておいてくれる。これがどれだけ楽か」という実体験は、クルマに余計な手間をかけたくないという人だからこその説得力がある。

任意保険の壁。免許取りたての10~20代の家族がいるご家庭におすすめ

 そして、森田さんがKINTOを語る中で盛り上がったテーマが「任意保険」。通常、初めてクルマを持つ場合、保険等級が低いため保険料は高額になる。さらに、18歳で免許を取ったばかりの人が乗るには年齢条件なしとしなければならず、もう少し上の年代の人よりもかなり高額な保険料が必要になる。

 編集部 北村が「18歳の初心者が車両保険付きで加入しようとすると、(車両価格にもよるが)年間で約37万~43万円もの保険料がかかる場合がある」と話すと、驚きの声が上がった。これは月額にすると3万円以上になり、それだけでKINTOの月額料金に匹敵してしまう計算だ。

クルマの所有に毎月12~13万円を負担する編集部 北村

 しかし、KINTOの個人契約に含まれる任意保険は「(契約者が使用を認めた人であれば)誰が乗っても、年齢も関係ない」という仕組みになっており、保険の等級もない。そのため、万が一、事故を起こしたり、何かにぶつけてクルマの修理に保険を使ったりしても次回の支払額が上がることはない。KINTOで契約した月額料金を支払うだけだ。

 また、18歳の家族がいる家庭なら、任意保険まで考慮するとKINTOにメリットが出てくる。3人からは任意保険を単独で申し込んだ場合の高額さと比較して、「若ければ若い人ほど、お得感がすごい」などの声が聞かれ、子供が18歳になって免許を取得してクルマに乗りたいとなったとき、せめてブルー免許になるまでの期間は自宅のクルマをKINTOにすると得なのではないか? という声も出たほどだ。

保険の等級にはメリットもデメリットもある

 KINTOには全年齢対象の任意保険もコミコミであるかわりに、無事故の等級というものがない。何年もKINTOに入っていても無事故による等級アップ(保険料の割引)がなく、KINTOを卒業してほかの買い方を選んだ際には、任意保険の等級は新規の6等級からスタートするしかない。

 これは一見デメリットにも見える。森田さんもこのことにあとから気づき、心配もしていたが、その裏にはメリットもある。等級がないということは事故を起こしても等級が変化することがない。つまり、翌年の保険料が高くなることもないからだ。

 今はバンパーを擦っただけでもかなりの金額になるほか、ヘッドライトやフロントガラスに大きな傷をつけてしまうと一気に金額が跳ね上がることもある。しかし、KINTOなら1回あたりの事故の自己負担額(免責金額)は最大5万円(中古車U35おてごろプランは最大10万円)で、どれだけ大きな修理になってもそれ以上の追加費用は発生せず、月額料金も一定だ。

これまでさまざまなクルマの買い方をしてきたモータージャーナリスト橋本洋平氏が、今回の座談会で3人から話を引き出した

 橋本氏は「自分でクルマを買うのは、将来の下取り価格や事故のリスクを負う“賭け”のようなもの。でもKINTOなら最初から最後まで支払額が約束されている」と、リスク回避のメリットを強調した。

 なお、KINTOを使い始める際、これまでの等級を最長10年間保存できる「中断制度(凍結)」を活用する方法もある。もし、10年未満でKINTOを卒業して、クルマを通常の買い方に戻した場合でも、中断した等級で任意保険を開始するといったことが可能だ。

「わ」ナンバーでなく自分のクルマという感覚

「サブスク=借り物」というイメージに対して、森田さんは「ほぼ自分のクルマ」という実感を持っているという。KINTOのクルマはサブスクで借りているようなものだが、レンタカーのような「わ」ナンバーではなく、一般の自家用車と同じナンバーが交付され、希望ナンバーも取得可能。また、契約時に好きなボディカラーを選び、純正オプションを選んで装着できる点も、所有欲を満たす大きな要素だ。

 カスタマイズにしても、トヨタの純正品であれば、マニアックな空力パーツである「士別(しべつ)フィン」のようなカスタマイズ品まで装着可能。森田さんはチャイルドシートをつけっぱなしにできることや、車内を自分だけのプライベート空間として構築できる点に、カーシェアやレンタカーにはない価値を見いだしている。

 さらに、KINTOならではの付帯サービスとして森田さんが絶賛したのが「ペーパードライバー講習」だ。契約者向けサイト「モビリティマーケット by KINTO」の割引メニューを利用して申し込んだところ、プロの講師が自宅まで来て、実際に自分が運転する「ヤリス クロス」を使って自宅周辺の狭い道や車庫入れを丁寧に指導してくれたという。これにはゆうかさんも強い関心を示していた。

若年層の心を動かした「お試し」のハードル

 これまでレンタカー利用がメインであったゆうかさんは、自分のクルマを持つことへの憧れはあるものの、クルマの購入費や維持費、手続きなどが複雑でクルマを持つイメージがまったく湧かず、具体的な検討をしたことがなかったという。

レンタカー利用がメインであったゆうかさん

 インタビューの中で任意保険や維持管理の話が出て所有への不安も感じたが、森田さんのKINTOの具体的な利用料と、説明したカーライフから、考えが変わってきたという。

 例えば、レンタカーは利用期間や借り方にもよるが、旅行で数日借りれば一度に何万円もかかってしまうことがある。そして、ゆうかさんには過去に予約していたレンタカーが前の利用者の事故で貸し出しができず、お盆休みという時期もあって代車もなく、泣く泣く旅行の行程を変更した経験もある。

「月額3~4万円で自分専用の新車が持てるなら、KINTOでもいいのでは」と座談会中に考え始め、「間違いなく、これはいいなって思いました」と自分のクルマを持つことに前向きの様子を見せていた。

購入すると、転居でクルマが不要なエリアに行くことがリスク

 もう1人の参加者の秋好さんは、現在、クルマを所有していない。それは、転勤で都内でクルマが不要なエリアに転居することになってしまったから。以前は「クラウン スポーツ」を新車で購入して乗っていたが、転居後の駐車場代や乗る機会の少なさから1年数か月で売却を決断している。

クルマを手放し、今後は検討中の秋好さん

 幸いにも人気車種だったためリセールバリューが高く、購入価格から数十万円程度の差額で売却できたものの、これは非常にラッキーな例。一般的には、所有期間は短期であっても、売却額は購入額から大きく下がってしまう。

 では、秋好さんのように短期で手放すような場合はどうしたらいいのだろうか。通常、KINTOの契約期間満了前に返却する場合は違約金がかかってしまうが、KINTOではさまざまなキャンペーンを行なっている。例えば、「U35はじめてのクルマおためしキャンペーン」。このキャンペーンを利用して契約すれば、利用開始から6か月目、12か月目の解約は解約金0円で解約できるというものだ(キャンペーンは2026年8月24日で終了)。

 車種や期間、そして年齢が限定されてしまうが、キャンペーン対象車種は「ランドクルーザーFJ」で、秋好さんも「乗りたい」という車種。好みや条件が合えば、乗り出したあとに環境が変わっても大きく損をすることなく、クルマを持つことをやめることもできる。キャンペーンはすでに終了しているが、解約金の心配なく期間限定で利用できるという、クルマ保有のハードルを下げる取り組みとなるので、ぜひ再開を期待したいところだ。

 また、7月からはトヨタ車の初期フリープラン(5年・7年)の契約者を対象に「乗り換え手数料無料期間」が新設され、乗り替えのハードルを下げたサービス設計としている。

 転勤などでクルマが不要になる可能性がある場合や、一時的にクルマを必要とするケースでは、一定額の申込金を支払うことで解約金が不要な「解約金フリープラン」をチョイスすればいい。このように、使用するニーズに応じた柔軟なプランが用意されているのは、KINTOのもう1つの特徴と言えるだろう。

ストレスフリーなカーライフへの転換点

 座談会の最後には、参加者全員がそれぞれの「クルマとの新しい距離感」を見いだし始めていた。車両を購入しても、もし、もらい事故などで自分の非がないのに修復歴がついてしまったり、人気のない車種だったりすると、数百万円単位の損失を抱えるリスクがある。一方でKINTOであれば、将来の下取り価格(残価)を気にする必要はなく、事故による査定落ちの恐怖からも解放される。

参加してくれた3名は、KINTOについて新たな発見と情報の共有ができたようだ

 なお、返却時は現状回復が基本。外装に大きな傷やへこみがある場合は付帯の自動車保険を利用し、免責金額の5万円を支払って修理して返却すればいい。車内はたばこやペットなどのニオイ、動物の毛の付着、内張やシートの切れ・破れなどがあると、修繕・修復費用が発生するので注意が必要だ。

 加えて、追い金が必要なのは走行距離だ。KINTOでは月間の基準走行距離が1500km(1年間で1万8000km)と長めに設定されていて、橋本氏も「月間1500kmって優しいよね」と、距離の長さに驚くほど。3年契約なら5万4000km、5年契約なら9万kmというように、契約年数全体での距離で判断するため、クルマを持った直後にドライブを頻繁にして距離が大きく伸びても、契約年数全体で距離を超えなければ精算の必要はない。

 しかも、超えたとしてもトヨタ車の場合は1kmあたり11円(税込)なので、距離を気にして利用を躊躇するよりは、たくさん乗って楽しんだほうが得と考えられるほどの金額だ。

 結局のところ、KINTOというサービスの本質は、単なる費用の分割払いではない。それは、クルマを維持する上で避けては通れない煩雑な手続き、多額の税金、高額な保険料、そして将来の売却価格への不安といった「目に見えないあらゆるストレス」を解決しようとする、新しい所有のカタチの1つと言えそうだ。

「所有」に伴う重い責任から解き放たれ、「利用」の楽しさと「所有」の喜びだけを最大化する。今回の座談会は、そんな令和時代のカーライフがKINTOによって実現できそうなことをあらためて気づかせてくれたようだ。

座談会は和やかな雰囲気で終了。それぞれに楽しいカーライフを!

KINTOのサービスを詳しく見る

Photo:高橋 学