実際のところ「ル・マン ファイブ」はどうなんだ? 走り比べた結果「!!!!」
毎年、タイヤ履き替えの時期になると気になるのが、ダンロップのコンフォートタイヤ。「VEURO(ビューロ)」シリーズや「LE MANS(ル・マン)」シリーズです。タイヤ交換のため訪れる専門店タイヤセレクト店頭に、「サイレントコア」の体験模型が置いてあるんですけど、アレを触っちゃうと毎回気になる気になる~。
サイレントコアはダンロップ独自の「特殊吸音スポンジ」。2山構造の特殊エーテル系ポリウレタン素材でつくられたスポンジで、上記のコンフォートタイヤ内にはこのスポンジが搭載されています。これにより、走行時にタイヤ内に発生する空気の振動を吸収し、「車内の騒音の原因の1つである空洞共鳴音」を抑えるんだそうです。ダンロップのコンフォートタイヤって、やっぱりスゴいのかな!? より静かに走れるようになるのかな? 試してみたいナ~、なんて毎年思っていました。
そしたら今回、実際にダンロップ製コンフォートタイヤ「LE MANS V(ル・マン ファイブ)」の実力を試せることに。やった! この「ル・マン ファイブ」には、上記のサイレントコアが搭載されています。さらに新開発のサイドウォールやトレッド(地面と接触する部分)で振動を吸収して快適性能を上げる「SHINOBI テクノロジー」も採用されています。
また、タイヤ表面のパターンについては、溝壁セレーションが通過する空気の流れをコントロールしてパターンノイズを低減。左右非対称パターンによりブロック外側の剛性を高め、これが耐摩耗性の向上につながっているとのこと。転がり抵抗性能はAA、ウエットグリップ性能はb~cと、「ル・マン ファイブ」はエコタイヤの一面もあるコンフォートタイヤなんですね。長持ち&低燃費というところでも期待できます♪
筆者としては「まあそこそこ静かになるんだろうな」と予想していました。が、結果から言えば「!!!!」です。驚きましたし感動しました! ほんっと、スゴいっす、「ル・マン ファイブ」。
スポーツカーがセダンのような乗り心地に!
まずは筆者の愛車で「ル・マン ファイブ」の性能を試します。ホンダ「S660」という軽スポーツカーに乗っていまして、愛車なのでもちろんいつもの乗り心地や騒音は分かっているつもり。なので、そのS660に「ル・マン ファイブ」を装着して、芦ノ湖あたりまで走ってみます。一般道あり、高速道路あり、自動車専用のワインディングあり。「ル・マン ファイブ」はどういう感じなんでしょうか?
まずは一般道。よくありがちな、ちょっとくたびれた路面で、ひび割れや凸凹も多い舗装路です。そんな道を、「ル・マン ファイブ」に履き替えたS660で走り出しました。
そうしたら、もう、いきなり! 「ル・マン ファイブ」の快適さを痛感! アスファルトにひびが入ったくたびれた道を走っているのに、舗装されたばかりの道を走るような滑らかさ&静かさ。こんなに違うのか! 振動も少ないし、ロードノイズも非常に少ないし、わ~ボクのS660がセダンみたくなった~♪ という感覚です。
すげぇなこのタイヤ! とか思いつつ、今度は高速道路へ。……あらま、やっぱりいつものS660とは、明らかに違う。ロードノイズが減って静かになりつつ、道路の継ぎ目を通過するときの騒音・振動も少ない。ここまで快適性能がアップするのかと驚きました。
それから、「ル・マン ファイブ」だとS660の直進安定性が高まった感じがします。S660で高速道路を走ると、路面状況によってはちょいちょいハンドル操作をする必要がある感じ。なのですが、「ル・マン ファイブ」だとそういうシビアさが少し減ったというか、角が少し取れてマイルドな操舵感になりました。裏返せば、ステアリングのクイックさが少し減ったとも言えるわけですが、いや~移動が主目的の高速走行のラクさが増すのは筆者的にチョー有り難いですわ~♪
そしてワインディングの芦ノ湖スカイラインへ。高速道路で操舵感がちょいマイルド化したので、たぶんキビキビした走行感はけっこう失われるのかな、と予想していました。
しかし、そういうことでもない。ワインディングの走りもイイ感じ。筆者は汗だくな限界走行などするタイプではないですし、楽しみながら走れればOKなファン・ドライバー。なので、「ル・マン ファイブ」の十分スポーティーと感じられる走行感に満足。OKですオッケー! ていうかむしろ「ル・マン ファイブ」でのスポーツ走行が楽しい! というのは、まず路面凸凹からくる振動を低減してくれるので、より気持ちよくワインディングを走っていけます。快適♪ そして、ロードノイズが大きく減って静かになりますので、S660の排気音をさらに楽しめます。S660独特の「パシュー!」というブローオフ・サウンドもよ~く聞こえるゼ! 「ル・マン ファイブ」履いたS660楽しい~♪ みたいな。
余談ですが、驚いたのが燃費。筆者の場合、いつもの燃費はだいたい18~20km/Lといったところです。それが、「ル・マン ファイブ」で走った日の燃費はナンと24km/L。うっそ~ん。マジで? この日は気温も高めで燃費的にも有利とは言っても、燃費4km/Lアップって信じがたい結果がでてビックリしております。
ボリュームゾーンのファミリーカーに「ル・マン ファイブ」履かせると、どうなる?
スポーツカーでの評価よりも、いわゆるフツーのクルマに「ル・マン ファイブ」を履かせたらどうなるか? というほうが多くの方の興味だと思います。なので、トヨタ「シエンタ」にも「ル・マン ファイブ」を履かせて走ってみました。
シエンタですが、ノーマルでもけっこう乗り心地がよい印象です。ときおりモーターのみの走行となり「あ~ハイブリッドカーのこういう静かさはイイな~、ほぼ無音じゃ~ん♪」って感じ。
しかし「ル・マン ファイブ」に履き替えたシエンタで走り出してみると…… あらっ! いきなり! 即分かる違いがっ! 車内がスゲく静かになっちゃいました♪ なんかこう、トヨタ「クラウン」的な静粛性? そういうのが加わった感じです。
具体的には、まずロードノイズが大きく低減されました。もともと静かな室内だと感じていたんですが、「ル・マン ファイブ」にしたら開いていた窓を閉めたくらいに車内が静かになった感覚。
先ほど、シエンタがモーター駆動のみの走行になったとき「ほぼ無音じゃ~ん♪」なんて思ったわけですが、「ル・マン ファイブ」にしてモーター駆動のみの走行になったら「あら~シエンタのモーターの音がよく聞こえる~」という感じに。ロードノイズが大きく減少したことで、さっきまで聞こえてこなかったモーター音に気付いたんですね。
車内の振動もかなり減りました。走行中、ときどき車内のどこかから「ビッビビビッ」的な振動からくるノイズが聞こえていたんですが、それがなくなりました。なんかこう、クルマがワンランク高級になったという印象があります。
芦ノ湖スカイラインにあるメロディペーブを走るとなんと音量が小さく!! でも他のノイズが減るので結果的にはよりメロディが分かりやすくなりました
段差を通過するときにもタイヤが跳ねるような「バインバイン」という音が聞こえましたが、「ル・マン ファイブ」だとそれがほとんどありません。「ル・マン ファイブ」の場合、特殊吸音スポンジのおかげでこうした反響音(これが空洞共鳴音)も大幅に低減されていることが分かりました。
一般道こそ「ル・マン ファイブ」の実力が発揮される
シエンタやS660で「ル・マン ファイブ」を試してきましたが、共通して感じられたのは「一般道だとタイヤの性能がよりよく発揮される」ということです。高速道路と比べて一般道は、いろ~んな路面があります。段差も継ぎ目もヒビ割れも多い。
そういう一般道だと、「ル・マン ファイブ」の実力が際立ちます。多くの路面状況で「より静かに走れる」「段差など道路からの振動も減る」ということは、まさに快適。そういう快適さが、タイヤを換えるだけで得られる。タイヤ交換だけで快適さがこんなにアップするなんて、思いもしませんでした。
てな感じで、興味本位で試した「ル・マン ファイブ」ですが、ちょっと驚きでした。「ル・マン ファイブ」は静粛性能も乗り心地も十分で走りもしっかりしつつエコタイヤ。それでいてコスパ的にもけっこうお手頃価格で驚き。「そろそろタイヤ交換しようかな」と考えているならば、ぜひ「ル・マン ファイブ」を検討してみてください。筆者的にはスゲくオススメです。