【2012 パリショー】
マクラーレンF1の後継モデルとなる「P1」のコンセプトカーを初公開

MP4-12を超える究極のドライバーズカー

マクラーレンブースにはF1マシンも飾られる。ロードカーにはF1で得た空力のテクノロジーなどが反映される

会期:9月29日~10月14日(現地時間)
会場:フランス パリ Paris Expo Porte de Versailles



 マクラーレンオートモーティブは、パリサロンで次世代のスーパーカーコンセプト「P1」のデザインスタディを世界初公開した。

 マクラーレンオートモーティブの会長ロン・デニス氏は、「この50年間、レースやロードカーが残した偉大な奇跡の集大成と言えるだろう」とP1のプロジェクトが持つ意味を話し、「20年前に我々はマクラーレンF1でスーパーカーの性能基準のハードルを高めた。そしてこのマクラーレンP1では、もう一度、その基準を再定義する」と述べた。P1は次世代スーパーカーの指針となるパフォーマンスを保持することになるようだ。

 MP4-12よりもアグレッシブなデザインとなっているボディーは、スタイルよりも機能面が重視されていると言う。すべてのボディーパネルやエアインテーク、エキゾーストなどは、もっとも効率がよく冷却的にも効果が高いように設計されている。戦闘機のコクピットのような運転席や多くのダクトを持つボディーが最優先したのは、空力特性によるダウンフォースの獲得にある。

マクラーレンP1
タイヤはピレリ、ブレーキは曙とF1でも使用するメーカーの専用パーツが装備される

 最高速度より下の領域では600㎏というダウンフォースが発生している。この数値は、MP4-12Cの約5倍に相当し。MP4-12CのレースカーGT3にも匹敵すると言う。優れたボディー形状が生み出すダウンフォースは、コーナリング性能の向上だけではなく、ドライバビリティと呼ばれる操縦のしやすさまでにもよい影響を与えていると言う。

 大型のリアウイングは、自動調整によって角度と高さをアジャストする。サーキット走行などでは最大で300mm後方に延長ができ、ウイングの角度も最大29度まで調整できる。

 P1はデザインスタディのため、搭載されるパワートレインについては発表されていない。だが、プログラムディレクターのポール・マッケンジー氏は「マクラーレンP1が非常にパワフルなエンジン、優れたブレーキ性能と最先端技術のサスペンションコントロールを装着しているのはもちろんだ」と語り、「重量とパワーの比率は1tにつき600PS以上」とも説明した。ということはMP4-12Cよりも軽量な1200㎏に車重を抑えたとしても最高出力は720PS以上となる。

 ワールドプレミアされたマクラーレンの次世代スーパーカーP1は、まだデザインスタディという段階にあるが、今後1年以内に量産タイプが発表され、リリースされる予定だと言う。

すでに国内でも発売されているMP4-12スパイダー
クーペボディーのMP4-12C

(真鍋裕行)
2012年 10月 5日